ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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誘拐事件発生




「雷よ、我が手足となりて敵を貫け“レイアロー”」







男が出した黄色に光る矢は強い風にも負けずクロスに真っ直ぐ進む。

真っ直ぐ進んできた矢を見ればクロスは軽く横に避ける。







「クロスっ!!」





ちゃんと避けれたと思った矢が後ろからクロスを狙っていた。

クロスはギリギリで避け手を前に出す。





「“フレイムボム”」





クロスの言葉に火の玉がいくつか出てくれば光ってる矢に当たり爆発した。







「無詠唱が出来るとはなかなかやるな。 だが、無詠唱ぐらい俺も出来る“シャース”」





男は遊んでいるかのような笑みを浮かべているが、少し焦っているようにも感じた。

放たれた雷の玉はバチバチと音を立てどんどん分裂しながらクロスに向かっていく。







「“シャドゴディ”」





土の壁が敵の攻撃から身を守り雷の玉は消えてなくなる。



クロスが防御ばかりになっているのは私が捕まってるからだろう、何も出来ないのはわかってたけど足を引っ張る事になるなんて落ち込む。

……このままじゃ駄目だよね。







「雷よ、出よ」





私を捕まえてる男の腕を掴めば頑張って手に魔力を貯め魔法を放つ。

魔法が全然出来ない私でも痺れさせるくらいだったら出来る。







「この、クソデブっ!」





バチバチと腕に痺れが走ったのか痛みに顔を歪めた男は左手で思いっきり私の頬を殴った。

殴る勢いが強かったので私の身体は軽く飛び地面に転がる。





「痛っ……!」





殴られて飛ぶなんて初めての経験(階段で転けて軽く飛んでお腹ぶつけた事ならある)だけど背中が痛い。

服着てるから打撲程度だろうけど痛いっ!







「テメェから殺すぞっ!」



「“レイスレイン”」







魔銃を私に向ける男にクロスはすぐさま魔法を放つ。

某亀の技みたいな感じで水が勢い良く男にぶつかった。



じゃなくて、クロスが魔法ぶつけたんだから離れないとっ。



背中が痛むが気にしてられないので私は立ち上がり男から離れた。









「“サクセルロー”」





追撃するように呪文を言えば男の周りの地面がドーム状になり、男は土のドームの中に閉じ込められる。

その様子を見ていたアルフは笑みを浮かべながらクロスに駆け寄った。









「クロス兄ちゃん、凄いっ!」







キラキラと輝かせた瞳でクロスを見上げるアルフは可愛い。

アルフが無事でよかったと私は安心するもクロスの表情はまだ硬かった。







「アルフォレッド、まだだ」





クロスの言葉と同時に男を閉じ込めた土のドームはドォンッと音を立てて爆発した。









「えっ、居ない?」





爆発した土のドームの残骸を見れば閉じ込めたはずの男が居ない。

土のドームから出る為に爆発させたのかと思ったのに……。





 
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