ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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誘拐事件発生



「……アルフォレッドっ、避けろ!」





クロスも男がどこに居るかわからなかったのか辺りを見回していたがいきなりアルフに叫んだ。

アルフは何が何だかわからずきょとんとしていたが遅かった。







「やはりまだ子供だな」





今度はアルフを人質にとった男はにやりと笑みを浮かべながらクロスを見ている。

クロスは悔しそうに男を睨みつけた。







「光属性の身体強化か……



「ああ、属性の中で光が最も早く……俺の得意属性でもあるからな」







雷属性ばかり使っていたから私は雷属性だと思ってた。

クロスもそう思ってたのか悔しそうに男を睨んだままもアルフを人質に取られてるので攻撃出来ない。

私の様に魔法が使えたらよかったけど首輪のせいでアルフは魔法が使えないので体術で逃げなければならないが、身体の大きさが違うアルフでは逃げ切れない。



アルフは自分が捕まった事でどうなるかわかっているのか悲しげに瞳を潤ませてる。

子供を人質に取るなんて最低っ!







「アルフォレッドをどうするつもりだ」



「先ほどと同じにはならない。 こいつを殺されたくなければ大人しくしろ」







魔銃はいつの間にかなくなっていて変わりにアルフの首に小型のナイフがあてがわれている。

少しでも動いたらアルフの首を切るつもりなのだろう。



クロスより私の方が男に近いけどアルフを人質に取ってるなら私も動けない。

……アルフを死なせるなんて私は嫌。









「こいつの生死は俺が握ってるんだからな。 妙な真似をするなよ」



「……チッ」





クロスはいつでも攻撃出来るように構えているが男はアルフを手放そうとはしない。

強さ的にクロスの方が上だろうから手放さないのは当たり前だけど。









「離してっ!」







バタバタと男の腕の中で暴れてるアルフは逃げ出そうとしてるが、やはり力の差がはっきりしてるので逃げる事すら出来ず押さえつけられてる。







「動くんじゃねぇよっ」







暴れてるアルフにイライラしているのか男はアルフを睨み付け、ガンっと頭を殴る。

アルフの瞳には殺されるかもしれない恐怖と悔しさが滲んでいた。



鍛えられて強くなったとしてもアルフはまだ子供。

守らなきゃいけない存在、……どんな手を使ったとしても。





私はアルフの家族なんだから。



怖がってはいけない、恐れてもいけない。

あの子を助けなきゃ。





そっと目を閉じ思い浮かべる。

こっちにも似たようなのはあるけど魔法も基本的な事しかしてない私には出来ないし、持ってない。

だったら、私は作るしかない。

間近で見た事はないけどアニメや漫画に出て来てるんだから何となく想像出来る。



使えるかわからないし、反動が凄いらしいから当たらないかもしれない。

だけど、こっちを意識させればクロスが何とかしてくれるはず。





心を落ち着かせて想像する、拳銃を――。





 
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