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初めての学園
③
しおりを挟む「そうなんですね」
他の生徒の前だったらクールなクロスが見れるかもしれないね。
私が隠れた所ですぐに見つかると思うけど。
「では、食堂に行きましょうか~」
「はい、お願いします」
にこにこと笑みを浮かべているバーン先生がまた歩き出せば私もついて行く。
……何故かクロスまでついて来てるけど。
「……クロス、授業は?」
「まだ休憩時間だから大丈夫だ」
うん、もう何も言うまい。
授業が始まったら勝手に教室に戻るだろうし、別に居ても問題はないからね。
ちょっと見られている気がするけど気のせいと言うことにしておく。
多分、クロスが私の隣を歩いてるからだと思うし。
クロスに幻覚の尻尾が見えた時点で動物好きな私がクロスに冷たく当たれるわけがない。
犬とか本当に可愛すぎるぐらい可愛いし。
店が飲食店だからペット買えないんだよね……。
「ここが食堂です~」
色々考えながら歩いていると食堂についたのかにっこりと笑みを浮かべたバーン先生が目の前に居た。
学園の大きさに負けないくらい食堂も大きい。
……今更大丈夫か不安になってきた。
一応すぐに作れそうな料理のメニューは作ってきたけどさ。
バイトって何人居るんだろ。
「アヤミ、俺も手伝うから大丈夫だ」
「クロスもバイトしてるの?」
「いや、ただアヤミの手伝いをしたいだけだ」
クロスって料理出来るの?
あー、でも小説の最強主人公って結構料理得意な人多いしね。
クロスが自分から言ってくるんなら大丈夫でしょ。
「では~、私はここで失礼します」
「ありがとうございました」
バーン先生にも仕事があるだろうし、ここまで案内してくれたんだからちゃんとお礼言わなきゃね。
バーン先生は笑みを浮かべたままも食堂から出て行った。
「クロスはまだ大丈夫なの?」
「……そろそろだな」
いや、そろそろじゃないから。
「授業はちゃんと受けなきゃ。 また昼に来てもいいからね」
「……わかった」
クロスに尻尾があったら垂れてるだろうと思いながらもクロスは一瞬にして消える。
あれが転移ってやつ?
便利そうだし、私もあれだったら覚えたいかも。
「よし、頑張るか」
この日の為にちゃんと食品サンプルも作ってきたんだからね。
多分、ほとんどわからない人が多いだろうからちゃんと説明書きしとかなきゃ。
持ってきた食品サンプルをケースに入れて並べておく。
作るのは簡単な物にしようと親子丼、オムライス、ミートパスタ、うどん、カレーにした。
五種類しかないけど全部簡単だからね、後はサラダとスープをつけて終わり。
ちゃんと食品サンプルの所に品の説明も書いてるからこれで大丈夫だと思いたい。
「すみません、貴方が代わりの方ですか?」
うどんの汁とカレーを作っていると猫耳の女の子と犬耳の男の子、耳が尖ってる女の子が居た。
「はい、アヤミ・ファレスと申します」
ふわふわな獣耳をちょっと触ってみたい気もするけど初対面でそんな変なこと言えない。
でも、あの耳可愛い!
「わ、私はルージュ・ラインベルトです。 獣人族です」
「同じく獣人族のシルク・アイランっす」
「ハーフエルフのベルモント・セオルです」
オドオドしてる可愛い猫耳のラインベルトさん、少し生意気そうな犬耳のアイランくん、ちょっときつめ美人のセオルさん……名前覚えられるかな。
ハーフってことはエルフと人間のハーフって意味なのだろうか。
「今日からしばらくよろしくお願いします」
私が挨拶をすれば三人とも驚いたように目を見開いた。
「わ、私たちが嫌ではないんですか……?」
「えっ、何故?」
けもみみはもう可愛いし、エルフもこの世界で初めて見たけど可愛いし。
何で嫌にならなきゃいけないの?
「わかってるんすか? 俺ら獣人族とハーフエルフっすよ?」
「わかってますよ?」
ちゃんとさっき自己紹介してもらったばかりなんだから覚えてるよ。
さっきの今で忘れたら私どれほど記憶力がないのかと思っちゃうじゃん。
まあ、最近物忘れとか激しくて落ち込んでしまうけども。
「私達、亜種は人間に嫌われているんです。 亜種と人間との戦争後からずっと」
「ごめんなさい、私ずっと一人で暮らしていて学園にも行ってないから歴史とかわからないんです」
私の言葉に更に驚いた様子の三人。
やっぱり神様に知識はちゃんと貰っておけばよかったな。
「……私達、おかしいと思います? 獣耳ありますし、尻尾もあります」
いや、けもみみは可愛い。
絵の才能があったらよかったって思うくらいだし。
「ふわふわで可愛いから触ってみたい気持ちはありますが、おかしいとは思いませんね」
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