ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

文字の大きさ
67 / 280
初めての学園

しおりを挟む





食堂には貴族や平民関係なく来るけど人間主義?で差別が激しい生徒はあまり来ないらしい。

食堂に来る生徒に次々と食事を出していきながらも今はアイランくんに何も言う人が居ないから安心する。



まあ、クロスが居るからかもしれないけど。

クロスってこの学園で上位に入るほど強いらしいし、人気もあるらしいからね。

全部ラインベルトさんやセオルさんに聞いた話だけど。





その時、ガシャンッと食器の落ちる音が聞こえてきた。

そして、クロスの怒った声とアイランくんのため息、数人の慌ててるような声も聞こえる。







「クロス、どうかした?」







あまり人前には出たくなかったけど商マスターの推薦もあって食堂を任されたんだから、問題起きたら私が何とかしなきゃいけないからね。

騒ぎの所に向かえばクロスはアイランくんに羽交い締めにされていた。

そして、クロスの前には怯えてる二人の男の子と割れた食器に落ちてるカレー二つ。







「アイランくん、どうしたんですか?」







この状況を見て何となくは理解出来るかもしれないけど当たってるかわからないのでアイランくんに聞く。

アイランくんは必死にクロスを抑えながらも苦笑いしていた。







「ファレスさんが作った料理をわざと落とされたからクロスさんが怒ってしまって……」





「もしかして、渡したのはアイランくん?」





「……はい」







何となくだけどわかった。

多分、倒れてる子達は貴族でアイランくん達のような亜種が嫌いなんだ。

だから、アイランくんに意地悪する為にご飯をわざと落としたんだろう。



アイランくんの表情を見るだけで今までもあったみたいだからね。

ただ、今日から私が食堂をやってて、ついでに私に好意を持っちゃったりしたクロスが居たから……。









「クロス、止めて」







何だか恥ずかしいし、被害者であるはずのアイランくんがクロスの行動にビックリしてるし。

私が声をかければクロスは抵抗するのを止め大人しくなった。



……注目されてて恥ずかしい、私は村人Fぐらいな役割がいいの。







「アヤミ……だが」





「並んでいる人が居るし、アイランくんが困ってるでしょ。 早く片付けて仕事しよ?」







クロスはまだ不満げだがクロスが手を上げれば落ちていたカレーが消えた。



あれ……?







「今のって闇属性ですよね? 流石リトリスさん、完全無詠唱が出来るなんて!」



 


完全無詠唱って頭の中のイメージと詠唱した時の二倍以上の魔力が確か必要なんだよね?

イメージがはっきりしてないと魔法は失敗して出来ないし、魔力が足りなくても出来ない。

だから、学校では完全無詠唱を教えないって本に書いてた。



クロスは最強主人公だから出来るんだね。







「行こう」







落ちた料理はクロスが片付けてくれたのでクロスに声をかけて厨房に戻ろうとした。







「そんな豚のような平民の女に尻尾を振ってるなんて落ちぶれたものだなっ」







後ろから声が聞こえてきたが無視。

クロスがまた怒った顔をして戻ろうとしているけど、私が腕を掴んで厨房に押し込んだ。

私がデブなのは事実なんだし、気にすることはない。



……ちょっと気にしてるけど……。








「クロス、私の為に怒ってくれるのはありがたいけど食堂で暴れたら駄目」





「だが、アヤミの料理を落とし尚且つアヤミに暴言を……」





「私が太ってるのは本当なんだからいいの。 こっちは細い人が多いんだから」







ほとんどの人が戦っているからなのか地球に比べたら細い人ばかり。

私もダイエットしようかな……。







「せ、先生を呼んだので今食堂は落ち着きました。 大丈夫ですか?」





「ごめんなさい、面倒を起こしてしまって」





「ファレスさんは悪くないです!」







十中八九悪いのは差別することを教えた親なんだろうけどね。

確かに地球でも差別する人は居たけど多分ここまで酷くないはず。

……虐め自殺問題は多かったけど。







「すまない……」





「クロスが悪い訳じゃないよ。 それより、まだ生徒さんが居るから仕事しよう」







私が配役ミスったせいかもしれないけど今は落ち込んでる場合じゃない。

アイランくんとセオルさんはまだ働いてるんだからね。

ちゃんと仕事しないと。



私が持ち場に戻ればクロスも納得してなさそうだが配膳に戻る。





その後は何事もなく配膳の仕事は終わった。









「後は皿洗いだけですが、アイランくん達はお昼食べますか?」





「す、少しだけいただきます」





「私も少しで大丈夫です」





「俺、めっちゃ食います!」







作ってる最中の時はあまり話せなかったので今から仲良くなれたらいいな。

これからまだ1ヶ月もあるんだし、仲良くなれた方が嬉しいし。







「俺も食べる」







調理室は広いので一つの机に椅子を持ってきて座らせ、一人一人の注文を聞いた。

私はまだ食べなくても片付け終わって帰ってから食べても大丈夫だしね。

みんなはまだ授業があるだろうから食べなきゃ。



注文通りにご飯をみんなに渡してから私は溜まってる洗い物を片付け始めた。







 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。 ※この作品は、カクヨムでも掲載しています。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

処理中です...