ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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帝国へ

 



クロスの事がわからない。
……クロスの事が、じゃなくて恋愛したことがない私には恋愛は未知数なこと。

何でそこまで好きって思えるの?

ただ、一度だけ助けただけじゃん。

当たったら怪我じゃ済まない可能性だってあったけど、多分クロスなら避けるかバリアぐらいは張れたでしょうし。
たまたま足が動いたから助けれたわけであって。




「……私、クロスに隠し事だってあるよ」


「俺もある」


「これからも隠し続けるかも」


「問題ない」




……もう、いいや。

私は断ったし、それで諦める諦めないのもクロスの勝手だ。
どうせ、置いて行っても帝国に行くことは知ってるんだし追い掛けてくるでしょう。

だったら、今話し合いしても無駄無駄。




「わかった。 言っておくけど旅も初めてだし、帝国にたどり着けるかもわからないから」


「っ……俺が行ったことあるから案内する」




私が許可したことに一瞬驚いた様子だったがすぐに嬉しそうに微笑む。

顔は格好いいんだけどね。





「クロスって本当に変な趣味ね」


「そうか? アヤミは優しいし、料理も美味いだろう」




……面と向かって褒められると凄い恥ずかしいんだけど……。

しかも、クロスがイケメン過ぎて……一瞬でもときめいてしまった。
だけど、やっぱ16は駄目だ。

日本じゃ高校生だよ?
成人と高校生じゃ犯罪だからね。




「クロスの事は弟の様にしか思えないからね」




年齢さえ問題なかったら好きになってたかも…………って、思ったけど乙女の様なクロスだとやっぱ弟にしか思えないかも。



「ああ、俺がただアヤミを好きなだけだ」




……釘さしたつもりなんだけど何でそんなに優しく微笑んでるのかな。

普通はがっかりしたり、悲しんだりするんじゃないの?


告白されたりも、したこともないからわからないけど。




「……明日、図書館行って帝国のこと調べようと思ってたけど、クロス知ってる?」




この空気は私が無理だから話を変えよう。

今は停戦中ってことだけは知ってるけど、それ以外しらないから調べようと思ってた。
けど、クロスが知ってるのなら旅の最中にでも教えて貰えばいいしね。




「詳しいと言うほどではないがある程度ならわかる」


「じゃあ、明日出発でも大丈夫? 帝国のことは行き道にでも教えてほしい」


「わかった」


「じゃあ、明日待ってるね。 朝には起きてるから直接ここに来てくれたらいいよ」




よし、話は纏まったし、今日は早く寝て明日から頑張ろう。

帝国は初めてだけど歩きなのかな?
それとも、近くまで馬車があるとか。




「アヤミ、一つだけ聞かせて欲しい」


「何?」


「あいつらが帝国の為だけにアヤミを騙していたらどうする? アヤミが傷付く事になったら……」




まあ、行くだけ無駄になる可能性は高い。

けど……。




「確かに嘘をつかれたし、何も言ってくれないのも悲しかったけど。 答えになってないかもしれないけど全部が全部、嘘じゃないって信じてる」




もし、何か理由があって私に嘘をついてるなら、私は助けたい。
だって、リーフィもキースも大好きだから。




「心配してくれてありがとう。 でも、大丈夫」




クロスは本当に私を心配してくれてるのがわかる。

けど、私はリーフィとキースには言えない事情があったんだろうって思ってる。
私が二人に助けてもらった様に、私も二人を助けたい。



「わかった、また明日」




クロスは私の答えに納得したのか笑みを浮かべながらも一瞬にして消えた。



リーフィ、キース、すぐに帝国に行くから待ってなさい。




 
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