ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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悪女は婚約破棄をする?

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「やー、久しぶりのパーティーっすよ!」


継承権を放棄してたけど、一応皇子だったからね。
パーティーなんかもたくさん出たこともあるでしょう。
多分、王国の人には帝国の放浪皇子ってことはわからないと思うけど、念のために大人しくしててもらわないとね。

バレても体に証がなかったら他人の空似で済ませられるだろうけど。
コーネリアちゃんのことは信用してるけど、もし知って何かに巻き込まれてしまったら大変だから内緒にしてる。

コーネリアちゃんにも話せる日が来たらその時にはきちんと話そう。



「あまり目立たないようにね?」


「いやー、俺ってばイケメンだから何もしなくても目立ちますからね!」



イケメンの頭には”残念な”がつくと思うよ。
クロスは学園では有名だからそこでも目立つかもしれないけど。



「このパーティーの為に一流の料理人も呼ばれますのでお食事も美味しいのですよ」


「おー、楽しみ!」



にこにこと呑気に楽しんでるけど、もう感じてる視線は全て無視?
あまり視線が感じる方は見ないようにしておこう……流石にこんなパーティーで何かやろうとする人は居ないだろうけど。
どこの世界にもおかしな人は居るから安心は出来ない。

今回のパーティーはそんなに堅苦しい感じじゃなくて会場に入ったらすぐに始まるみたい。
会場の前に居た時から演奏の音は聞こえてたけど、中に入ると余計に煌びやかに見えるから凄いよね。



「あっ、アヤミさんも来てたんすね」



会場の中をまじまじと見ていた私に声をかけたのは前に一緒に食堂で仕事してた犬の獣人のシルクくんだ。
シルクくんは一人で居るみたいで手にはたくさんの料理が乗ったお皿を持っている。



「久しぶり、シルクくん。 今日は一人なの?」


「ルージュは前に話してた先輩とパートナーになれたんで今日は別行動で、ベルモントは……」



シルクくんは苦笑いしながら私の言葉に答えようとしたのか視線が会場内に向けられる。
私は疑問に思いながらもシルクくんが見た方に視線を向ける。



「ベル様、本日は私と踊っていただけませんか?」


「あんたなんてベル様が相手するわけないでしょ。 ベル様、私は夜もベル様の為に開けておりますわ」


「私の邪魔をしないでよ! ベル様と過ごすのは私よ!」



ドレスを着た女の子に囲まれているベルモントちゃんがそこに居た。
そして、その周りにはまた女の子たちのパートナーであろう男の子たちがおろおろしている。

中心に居るベルモントちゃんの綺麗な顔が引きつっているように見えるのは私の気のせいだろうか……。


  
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