168 / 280
妨害の行方
⑥
しおりを挟む可愛い娘が嫌がらせの標的にされてたってわかったらお父さんは気が気じゃないだろうね……。
でも、何で信号機くんたちが嫌がらせなんてし始めたんだろう?
信号機くんが望んでいた婚約破棄は無事に破棄されたし、コーネリアちゃんに嫌がらせをする理由なんてわからないし。
それに、何で私の店に対して嫌がらせを……?
いや、コーネリアちゃん自身に矛先が向かわなかったのはよかったんだけど。
私とは二回くらいしか会ったことないのに私の店に何故嫌がらせをするのかって疑問はある。
「それで、そいつらがアヤミに嫌がらせをするように命じたのか?」
「ああ、喫茶店シフォンに居る女に嫌がらせをしろと金をバラまいてるみたいだな」
それじゃあ、私とコーネリアちゃんの二人とも狙われていたってこと?
でも、コーネリアちゃんが私の家に居ることは先生と寮の管理人の方しか知らないって話だったからやっぱ私狙い?
嫌がらせされる理由はさっぱりだけどね!
「そうか……」
「悪いが警備隊のことは警備隊に任せてくれよ。 ちゃんと処分はするからな」
まあ、そうだよね。
警備隊の隊長さんからすれば自分の部下が悪事って言っていいのかわからないけど、職務を放棄して嫌がらせに参加してたってことだもんね。
身内のことは身内で終わらせたいのはわかる。
私的には流した噂のアフターケアをしてくれるならいいかな。
流した犯人の人が嘘でしたって言えば噂もすぐなくなるでしょうし。
「アヤミが納得するなら俺は何も言わない」
「私もグェンおじ様がそう仰るならお父様には言いませんわ」
私以上に怒っていた二人はとりあえず納得してくれたみたいでよかった。
レファール隊長さんはコーネリアちゃんから信用出来る人みたいだから、私も信用はするよ。
ただ、警備隊の人のことはこれで終わりだけど、まだ元凶である信号機くんたちのことは終わってないからね……そこをどうするか悩むよ。
「すまないな。 その代わり今回のことは俺に任せてくれ」
「え?」
「コーネリア嬢や黒のはともかくアンタはただの一般人だろ? 今回のことを調べるのは不向きだろうし、俺が調べておく。 調べ終わったらオルティスたちにも話を通しておくぜ」
あ、それはありがたいかも。
私はそんな調べものとか得意じゃないし、クロスやコーネリアちゃんにそこまで付き合わせるのも申し訳ないし。
レファール隊長さんは警備隊の人がやっちゃったお詫びにって感じだろうしね。
「では、お願い出来ますか?」
「おう、任せておけ」
にかっと笑うレファール隊長さんは頼もしかった。
何かわかれば報告してくれるみたいなので私たちはお店へ帰ることにした。
1
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む
凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!
【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……
ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。
そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。
※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。
※残酷描写は保険です。
※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる