ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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レイファの失恋

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この世界は死と隣り合わせの世界だ。
アヤミさんはあまり街から外には出ねえけど、今は戦争がいつ始まるのかわからない時期だし街の中だから絶対安全なんて言えるわけもない。

街中で暴漢に襲われてって可能性もある、もちろんそんなことは俺もアルフもコーネリアちゃんもさせない。
アヤミさんと買い物に行く時は周りにも気をつけてるし……まあ、コーネリアちゃんと初対面の時は俺から首を突っ込んだんだけど。



「うん……アヤ姉怒ってるかな?」


「んー、どっちかと言えばアルフを心配してんじゃね? アヤミさんは怒りの沸点は高いし、そんなことじゃ怒らねえよ」


「帰ったらアヤ姉に謝らなきゃ」



アルフは素直な性格だよな、それぐらいアルフの両親が良い人だったのかアルフが元々素直な性格なのか。
こんな性格のアルフだからこそアヤミさんはアルフを助けて一緒に暮らしてるんだもんな。



「そうだな、それでちゃんと話をするんだ。 アヤミさんならアルフの話はしっかり聞いてくれるからな」


「うん、アヤ姉は優しいもんね」



ああ、アヤミさんは優しいからな。
探し人の為にわざわざ帝国まで来て、しかもその探し人は帝国の特殊部隊の人間だったみたいだし、敵国である皇子である俺にも対等に話をして助けてくれたし。
アヤミさん自身は身内以外には非情になれるって思ってるみたいだけど、実際は優しい人だから困ってる人は助けようとするし……素敵な人だよな……。

正直日本に居たら絶対に関わらなかったと思う。
容姿はデブってまではいかないけど痩せてもないし、顔も可愛いとか美人なわけじゃないし、性格的にはどっちかと言えば社交的ではあるけど大人しめだし。

でも、俺はそんなアヤミさんを好きになってしまったんだから仕方ないよな。
前じゃ内面で付き合うなんて有り得ないって思ってたのに今じゃこんなんだもんな。



「ああ、優しいよな」



でも、アヤミさんが好きなのはクロスだってことは俺にもわかってる。
俺はどうやっても弟扱いのままでクロスには勝てない、……アヤミさんが無自覚のままだったらもしかして俺にも可能性があったかもしれないけど、自覚しちゃったみたいだもんな。

多分、一人じゃ自覚しなかっただろうし誰かと話して自覚しちゃったんだろうな。



「レイファ兄、ありがとう」


「いいんだよ、俺はアルフの兄貴だからな。 ほら、帰るぞ」



ベンチから立ち上がるとアルフと手を繋いでアヤミさんが待ってる店にへと帰る。
まっ、アヤミさんがクロスと両思いだからってまだ付き合っても居ないんだから俺が諦める理由にはならねえけどな。
付き合ってしまったら俺も諦めるかもだけどまだ先の話だし。


 
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