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貴族の事情
④
しおりを挟む「噂になるの早過ぎない? だって、お二人が来たのは今日のお昼くらいだよ?」
「既成事実を作ろうとしているのかもな」
「アルフが跡取りだと噂が広がるのは不味いな。 いくらアルフが否定してもアヤミが言わせてるんじゃないかって思われる可能性が高い。 俺は遠慮するが平民が貴族になるのは名誉なことらしいからな」
いや、私ももし貴族になれって言われたら遠慮したいからね。
貴族のことなんてよくわからないけど、自由なんてなさそうだし……結婚相手とかも自由に決められないんでしょ?
アルフがなりたいなら別だけどアルフは嫌がってるし。
「夫人は頭の中がお花畑そうでしたものね」
「申し訳ないけども明日にでもスチュアートさんに話聞いて来るよ。 アポ取ってないから騎士団の前で門前払いされるかもしれないけど……」
この前会えたのは私が騎士団に呼ばれてアラフィーさんと一緒に行ったからだろうしね。
スチュアートさんは貴族で騎士団のお偉いさんみたいだからそう簡単には会えないだろうし、家の場所は知らないからそっちは行けないし。
「それなら、俺が行こう」
「クロスが?」
「ああ、明日はギルドの仕事で騎士団に行く予定がある。 スチュアート二席に会うくらい問題ない」
それを問題ないって言えるのはクロスが凄いからなだけだと思うんだけど……でも、クロスがスチュアートさんい会って話を聞いてくれるならこれほど頼りになることはないのかもしれないね。
クロスのことは一番信頼出来るもの。
クロスが私を裏切ることはないと思ってる。
もちろん、リーフィやキースも信用してるけどね。
「私だってアヤミお姉様のことなら何だって出来ますわ。 あなただけ出来ることではありません」
「リーフィもありがとう。 じゃあ、クロスお願いね」
「ああ」
クロスの提案にリーフィが拗ねたような表情をしているので笑みを浮かべながら告げる。
リーフィも何とか出来そうだけどちょっと無茶してしまう可能性もあるからね、それなら用事があって騎士団に行くクロスの方が自然に行けると思うからね。
「じゃあ、ご飯食べちゃおう。 少し話して冷めちゃったかもしれないけど」
「冷めてもアヤミの料理は美味いからな」
「ええ、家族ではない他人も居ますが食べましょう」
私ににっこりと笑みを浮かべながらもリーフィはクロスにさらりと毒を吐く。
クロスはそんなにリーフィの言葉を気にしてないみたいだけど、二人ももう少し仲良くなれたらいいな。
少し冷めてしまったご飯を私たちは食べ始めた。
明日はお店を開けるんだからスチュアートさんへはクロスに任せて明日を乗り切ろう。
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