ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの

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貴族の事情

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「アルフ! どうしたの!?」



何があったのかはわからないけど、アルフがあんなに大きな声を出すなんてただ事じゃないでしょ!
お店に戻ると遠巻きに冒険者の二人を見ているお客さんと嫌がってるアルフ、アルフの腕を掴んでいる冒険者の男の方の姿が見えた。

は? アルフに何してるの!



「ちょっと! 何してるんですか!?」



いくらお客さんだからってアルフに危害を加えようとしている人なんてお客さんじゃない!
アルフから何かするなんてことあり得ないからこの二人組がアルフに何かしたのかもしれない。



「いや、俺は」

「さっさとアルフを、私の弟を離して下さい! 警備隊に連絡しますよ」



私の言葉に冒険者の男はアルフから手を離した、女の方は小さくため息をついてるけどため息つきたいのはこっちの方だからね。
男がアルフから手を離したのでアルフを私の背にへと庇う。

状況はよくわからないけど、今は営業中だからまた後でアルフに話を聞こう。



「アヤ姉……」

「申し訳ありませんが、家の者に手を出すなら出て行って貰えますか?」

「だから、俺は!」



お客さんにあまり言ってはいけないのだろうけどもお店で騒ぎを起こそうとする人はお客さんじゃないから。
男は何か言い訳をしようとしているみたいだけど、女の方が男を宥めてそのままお店から出て行った。

女の方にも何か言われるかと思ってけど……素直に出て行ってくれたのでよかった。
もし冒険者が暴れたら私なんかじゃ歯が立たないだろうし、アルフには危ないことをさせるわけにはいかないからね。

冒険者の二人が出て行ったので私は今いるお客さんに頭を下げる。



「お騒がせして申し訳ありません」

「いいのよ、冒険者相手に大変だったわね」



会計時に今いるお客さんにはサービスするとして、お客さんは私に同情してくれてるようで安心したかも。
いつも女子会をして居るおば様方もそのままさっきの冒険者の人の話をしてる。



「本当に最近は冒険者の質も落ちて来たわね」

「全くよ、この前なんて私に暴言を吐いてきたのよ」

「ギルドに訴えても無駄だったものね」



先ほどまで別の話をしていたおば様方噂話とかはいつもこのおば様たちから仕入れてるからあれだけどね。
また仲間を連れてさっきの冒険者の男女が戻って来たら危ない、腕を掴まれる恐怖もあっただろうからアルフには裏に戻って貰うように言う。

さっきの人たちが何をしたかったのかわからないけど……。



「でも、あの冒険者は大丈夫ってレイさんも言ってたのに」

「あら、あの冒険者を知ってるの?」

「暁の牙って知ってるでしょ? レイさんのとこで見かけたんだけど、冒険者にしてはまともだったわ」



 
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