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プロローグ。
スライムさんの、悩みごと。
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【スライムさんの悩みごと】
・いつも駆け出しの冒険者さん達の最初の標的になる。
・どんなに頑張っても毎回大体負ける。
・そして割と早い段階で相手にされなくなる。
「──でね。詰まるところ、なんでボクはスライムに生まれて来ちゃったんだろうって話なんですけど……」
「……そうなんですねぇ。でも、私そんな健気で頑張り屋さんなスライムさんのこと好きですよ」
…………
「……はぁ、そっか、やっぱりそうだよね。そんな風にしか言えないよね。好きって言ってくれるのは嬉しいけど、別に好きとか嫌いとかそういう事じゃなくて……ううん。やっぱごめん。モンスターじゃないただの動物のしろうさぎさんにはわからない事ですもんね。変なこと聞いちゃってごめんなさい。好きって言ってくれて、どうもありがとう……」
「スライムさん……」
しろうさぎさんの前でとても悲しそうな表情を浮かべるスライムさん。その顔を見たしろうさぎさんは何か言葉をかけてあげようと思いましたが、何も良い言葉が出て来ません。彼女は言葉に詰まるとそのまま視線を下に落としてしまいます。
──その時でした。
不意に吹いたそよ風が彼女の持っていた本のページを捲ると一つのページで静かに止まります。そして視線を落としていた彼女の目に止まったのは、そこに書かれていた言葉。その瞬間、彼女の中で何かが一つに繋がって、その言葉をスライムさんに向けて贈ります。
「……汝自らを知れ」
「へ?」
「そうです、スライムさん、汝自らを知れ。ですよ!!」
汝自らを知れ。
そう、これが彼女がはじめて誰かに贈った『言葉』だったのでした。
・いつも駆け出しの冒険者さん達の最初の標的になる。
・どんなに頑張っても毎回大体負ける。
・そして割と早い段階で相手にされなくなる。
「──でね。詰まるところ、なんでボクはスライムに生まれて来ちゃったんだろうって話なんですけど……」
「……そうなんですねぇ。でも、私そんな健気で頑張り屋さんなスライムさんのこと好きですよ」
…………
「……はぁ、そっか、やっぱりそうだよね。そんな風にしか言えないよね。好きって言ってくれるのは嬉しいけど、別に好きとか嫌いとかそういう事じゃなくて……ううん。やっぱごめん。モンスターじゃないただの動物のしろうさぎさんにはわからない事ですもんね。変なこと聞いちゃってごめんなさい。好きって言ってくれて、どうもありがとう……」
「スライムさん……」
しろうさぎさんの前でとても悲しそうな表情を浮かべるスライムさん。その顔を見たしろうさぎさんは何か言葉をかけてあげようと思いましたが、何も良い言葉が出て来ません。彼女は言葉に詰まるとそのまま視線を下に落としてしまいます。
──その時でした。
不意に吹いたそよ風が彼女の持っていた本のページを捲ると一つのページで静かに止まります。そして視線を落としていた彼女の目に止まったのは、そこに書かれていた言葉。その瞬間、彼女の中で何かが一つに繋がって、その言葉をスライムさんに向けて贈ります。
「……汝自らを知れ」
「へ?」
「そうです、スライムさん、汝自らを知れ。ですよ!!」
汝自らを知れ。
そう、これが彼女がはじめて誰かに贈った『言葉』だったのでした。
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