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44話 第4の物語
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第4の物語
生まれ落ちたのは戦国時代。
代々将軍に仕えている家系に生まれた。
幸いなことに、今までの記憶も全部覚えていた。
皮肉なことに、第三の人生さえも息絶えるその瞬間の事も、昨日のことの様に覚えていた。
そこは…もう覚えていたくない程悲惨な物語だった。
きを取り直して、この第4の人生を生きる。
もちろん、君に逢う為に…
君を見つけるために!
それでも、少し怖い気もしていた。
もし、今回も見つからなければ…もう二度と君に逢えないかもしれないなんて
不安が胸を押しつぶしそうになっていた
でも、剣術を習いがくもんを習得し、詩を唄い、踊りを舞う
なんでもできれば君に逢える確率が上がるそんな気持ちで、すべてを頑張った
剣術の腕前もそう悪くはなかったが
詩を唄ったり、舞いを披露する方が自分に合っていると感じていた
歳も良い頃となり
それでもまだ、君を見つけられずにいた
そんな時、俺が唄う詩が噂となり武将へお目通りする事となった
そもそもが将軍に仕えている家系なだけあって
直ぐに将軍のお屋敷の大広間へ通された
華やかな広間の上座には…
---君がいた!!
直ぐに君だとわかった。
きっと、俺より歳が上で偉い地位についている
『もっと、近こうよれ!!』
そういう君は…
はぁ~と心で大きくため息をついた
俺の事を覚えていない!
『はい』
第2の物語と立場が逆になっていた
面白いめぐりあわせだ
例え、俺を覚えていなくても
君に逢えたことが嬉しかった
もう、逢えないと思っていたから天
ずっと探していた!!
君に逢えた!!
この人生で会えたことが嬉しかった。
でも、君は俺に気が付かない
さぁ~どうしたものか?
どうすれば俺に気が付く?
俺を思い出す?
以前は地位を利用して君を傍に置いた
でも、今は…君の傍らにいつも護衛が付いている
君に近づける立場にない俺は
どうすればいい?
『名前をなんと言う?』
君の声は聴いたこともないような声なのに…
しゃべり方やふとした視線に君の面影を残していた
昔の名前を言って思い出してもらおうかと思ったが…
時代も国も違う昔の名前を出したら、即座に怪しまれ首を斬られかねない
仕方がなく、今の名前を言った
『歌丸です』
君が俺に気が付くように、必死で念じて、その瞳をじっと見つめた
---どうか…気が付きますように。
---思い出しますように…。
君は…上から下まで俺を舐める様に見て
『噂の舞いを披露してみよ』
そう言った。
…気が付いてはもらえなかったようだ。
『…はい。』
詩を唄い、舞う
昔から、君は俺の歌が好きだった
どうかこの唄が君の心に届きますように…
気が付いて欲しい、その一心だった
詩と舞いが終わると…
君は涙を浮かべていた
『とても…いい。心に響く唄だ…。…歌丸、明日もまた詩を唄い、舞え!!』
そう言って、君は去っていった。
俺に気が付いてはいなかったが、心には響いたようだ。
きっと魂が俺を覚えていたのだろう。
とりあえず、次につながった事を喜ぶとしよう。
深く頭を垂れた。
次の日も…また次の日も…
君は俺を呼び、詩を唄わせ舞いを踊らせた。
それから、半年が経とうとしていた。
毎日、顔を合わせる…
でも、気づいてはもらえない
何かいい方法は無いかと考えあぐねていた時だった。
いつもの様に大広間に呼ばれ、これから詩を唄う時、ふと外を見たら大きなまん丸い月が出ていた。
その月はあの日と同じような月だった。
どれだけ時が流れても、月は変わること無くてほっとする。
月を見ると君を思い出すから
胸がきゅっと締め付けられるようになることもあるが、やっぱり君とのことを思い出してはうっとりする。
いつもは何も言わずに詩を唄いだすけれど…
月があんまり綺麗で、あの日みたいなまん丸だったから
『…将軍様…今日は、とても…』
そう言いかけて
視線を大きな月へ向けた
---どうか、気が付いてくれますように。
『…月が綺麗ですね…』
一言告げた。
生まれ落ちたのは戦国時代。
代々将軍に仕えている家系に生まれた。
幸いなことに、今までの記憶も全部覚えていた。
皮肉なことに、第三の人生さえも息絶えるその瞬間の事も、昨日のことの様に覚えていた。
そこは…もう覚えていたくない程悲惨な物語だった。
きを取り直して、この第4の人生を生きる。
もちろん、君に逢う為に…
君を見つけるために!
それでも、少し怖い気もしていた。
もし、今回も見つからなければ…もう二度と君に逢えないかもしれないなんて
不安が胸を押しつぶしそうになっていた
でも、剣術を習いがくもんを習得し、詩を唄い、踊りを舞う
なんでもできれば君に逢える確率が上がるそんな気持ちで、すべてを頑張った
剣術の腕前もそう悪くはなかったが
詩を唄ったり、舞いを披露する方が自分に合っていると感じていた
歳も良い頃となり
それでもまだ、君を見つけられずにいた
そんな時、俺が唄う詩が噂となり武将へお目通りする事となった
そもそもが将軍に仕えている家系なだけあって
直ぐに将軍のお屋敷の大広間へ通された
華やかな広間の上座には…
---君がいた!!
直ぐに君だとわかった。
きっと、俺より歳が上で偉い地位についている
『もっと、近こうよれ!!』
そういう君は…
はぁ~と心で大きくため息をついた
俺の事を覚えていない!
『はい』
第2の物語と立場が逆になっていた
面白いめぐりあわせだ
例え、俺を覚えていなくても
君に逢えたことが嬉しかった
もう、逢えないと思っていたから天
ずっと探していた!!
君に逢えた!!
この人生で会えたことが嬉しかった。
でも、君は俺に気が付かない
さぁ~どうしたものか?
どうすれば俺に気が付く?
俺を思い出す?
以前は地位を利用して君を傍に置いた
でも、今は…君の傍らにいつも護衛が付いている
君に近づける立場にない俺は
どうすればいい?
『名前をなんと言う?』
君の声は聴いたこともないような声なのに…
しゃべり方やふとした視線に君の面影を残していた
昔の名前を言って思い出してもらおうかと思ったが…
時代も国も違う昔の名前を出したら、即座に怪しまれ首を斬られかねない
仕方がなく、今の名前を言った
『歌丸です』
君が俺に気が付くように、必死で念じて、その瞳をじっと見つめた
---どうか…気が付きますように。
---思い出しますように…。
君は…上から下まで俺を舐める様に見て
『噂の舞いを披露してみよ』
そう言った。
…気が付いてはもらえなかったようだ。
『…はい。』
詩を唄い、舞う
昔から、君は俺の歌が好きだった
どうかこの唄が君の心に届きますように…
気が付いて欲しい、その一心だった
詩と舞いが終わると…
君は涙を浮かべていた
『とても…いい。心に響く唄だ…。…歌丸、明日もまた詩を唄い、舞え!!』
そう言って、君は去っていった。
俺に気が付いてはいなかったが、心には響いたようだ。
きっと魂が俺を覚えていたのだろう。
とりあえず、次につながった事を喜ぶとしよう。
深く頭を垂れた。
次の日も…また次の日も…
君は俺を呼び、詩を唄わせ舞いを踊らせた。
それから、半年が経とうとしていた。
毎日、顔を合わせる…
でも、気づいてはもらえない
何かいい方法は無いかと考えあぐねていた時だった。
いつもの様に大広間に呼ばれ、これから詩を唄う時、ふと外を見たら大きなまん丸い月が出ていた。
その月はあの日と同じような月だった。
どれだけ時が流れても、月は変わること無くてほっとする。
月を見ると君を思い出すから
胸がきゅっと締め付けられるようになることもあるが、やっぱり君とのことを思い出してはうっとりする。
いつもは何も言わずに詩を唄いだすけれど…
月があんまり綺麗で、あの日みたいなまん丸だったから
『…将軍様…今日は、とても…』
そう言いかけて
視線を大きな月へ向けた
---どうか、気が付いてくれますように。
『…月が綺麗ですね…』
一言告げた。
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