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4話 お気に入り
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4話 お気に入り
駿side
子供たちと戯れる彼の姿から、視線を外すことが出来なくて、彼をずっと見ていた。
キャッチボールが終わると、今度は鬼ごっこが始まった。
野球ボールの彼は、みんなを楽しそうに追いかけてた。そして、その彼はもう一人の男性を追いかけて、芝生に倒れ込むように彼を捕まえた。
『わははっ。佑くんやめてぇ~!』
楽しそうにじゃれ合うふたり。
こっちまで聞こえてくる楽しそうな笑い声。
《幸せ》ってものがそこにあるような気がした。
彼らがすごく仲がいいのが伝わって来て、なぜだかひどくイライラした。
幸せを絵にかいたような、その空気感さえも嫌悪感を抱くのに十分だった。
アイツは何もわかっていない!!
あんな幸せそうな顔をするのは間違っているっ!!
俺ならもっと素晴らしい幸せをあげられる!
そんな風に思えて仕方がなかった。
ただ、芝生でじゃれ合うだけが幸せのはずがないっ!!
あの笑顔を俺ならもっと作り出せる!!
野球ボールの彼は、もう一人の彼をぎゅっと抱きしめて
『捕まえたぁ!!俺の勝ちぃ!!』って、笑い合ってた。
すごく幸せそうに見えて、すべてを奪いたくなった。
微笑み合う彼のあの屈託のない笑顔が欲しくなった!
そして、ただひたすら彼らを見ていた。
『駿様…駿様!!探しました。こんなところにいらっしゃったのですね。何かございましたか?』
拓人に後ろから声をかけられても、視線は彼を捉え続けていた。
『拓人…。俺はあれが欲しい!』
視線はじゃれ合う彼らを捉えたまま、彼を指差して
言った。
『え?…駿様…。』
『決めた!俺!!あれを買う!』
そう言うと彼らのもとへ歩き出した。
『駿様っ!駿様っ!お待ちくださいっ!』
拓人が俺を必死で止めるのなんて、お構いなしに突き進む。
俺は、あれが欲しい!そう思った!
だから、お金で買う。
俺の腕に絡みついて、俺の行く手を邪魔する拓人。
それを力いっぱい振り払って
幸せそうな彼らに、一歩一歩と忍び寄る様に近づいていく。
俺は、あれが欲しくなった。
見れば見るほどに、野球ボールの彼は笑顔に満ちていて、優し気に笑うもう一人の彼を、愛おしそうに見つめていた。
それすら俺の闘争心に火を点け、俺の欲求をさらに掻き立てた。
あの野球ボールの彼は、あんなにお金も持っていなそうな汚い優男(やさおとこ)のどこがいいんだ?
そんな瞳で見つめて、まるで好きって言っているみたいだろ!!
無性に腹が立った。
彼らの前まで行くと
『ん?あれ?さっきのイケメンなお兄さん?』
と、野球ボールの彼が言った
『佑くんの知り合い?』と、隣の優男(やさおとこ)が問いかけた。
『あぁ。さっき、ボール拾ってもらった』
『そっか。ありがとうございました。』
優男は優しく微笑んで、彼には何の関係もない俺にお辞儀をした
『お前がお礼言わなくてもいいだろ?』
野球ボールの彼は、照れくさそうに微笑んだ。
ふたりを見てると、イライラする!!
『いいの。してもらったらありがとうでしょ?』
彼は野球ボールの彼を諭すように言った。
『ほんとにっ///そういうところっ///それが、和希だよな~』
彼がこの男を好きだということが一瞬でわかった。
だからよけにムカついて、腹が立った。
『あのさ…』
腹立たしくてイラついて、ムカついて、浴びせる様に言葉を放とうとした時、
拓人の言葉に遮られた
『駿様っ!!』
拓人が俺を止めに入るけど
俺は…こいつが欲しい!!
もう、俺を止められない。
俺が手に入れられないものなんて無いのだから!!
野球ボールの彼を真っ直ぐに見下ろして、いつもの言葉を投げつけた
『あんた一晩いくら?』
何度この言葉を言っただろう。
それでも、手に入らないことはなかった。
『は?え?』
驚いたようななんとも言えない間抜けな声を出した彼に、追い打ちをかける様に言い放った
『一晩いくらだって聞いてんだよ!!』
俺のイライラは最高潮だった
庶民の中でも底辺の奴らだって、身なりを見ればわかる
まぁ、この野球ボールだけは少しいいものを着ている気がするが…
こんな汚い奴らと一緒に居るより、俺と居た方が絶対に幸せだ!
『…ちょっとっ?…言ってる意味が…?わからないんだけど…???』
は?俺、なんか意味わからない事言った?
庶民はこの程度の事も理解できないのか?
『だからっ!!いくら出せばあんたと一晩過ごせるかって聞いてんの!!バカなのか?』
『はぁ?バカってなんだよっ!お前こそ、馬鹿かっ!いくらってなんだよ!!』
野球ボールがすんげー剣幕で怒り狂ったように言ったから
『この前の女は、隣に男いたけど100万で俺についてきたけど?100万でどう?俺、男は初めてだけど!あんたならいいや!俺の初めての男なんて光栄だろ?』
周囲にいた子供たちが、ざわざわしだす。
『え?ゆうくん100万円もらえるの?』
『よかったね。これでお家もきれいになるね。』
『ひゃくまんえんっていくら?』
子供たちは百万円に色めき立っているようだ。
『駿様っ…。子供たちの前で…お辞め下さい。このようなことは、もうしないで下さいと申し上げましたよね』
俺をなだめようと必死な拓人が可笑しい。
『はぁ?子供たちの前とか関係ある?ないだろ?金をいくらだせばあんたは俺のところに来るのかって聞いてんだよ。』
俺は俺を馬鹿呼ばわりしたこいつを、なぜかすごく気に入ってしまったようだ。
金ならいくらでもある!
俺について来い!!
手に入らないものなんてひとつもないっ!!
さぁ、俺に買われろっ!!
駿side
子供たちと戯れる彼の姿から、視線を外すことが出来なくて、彼をずっと見ていた。
キャッチボールが終わると、今度は鬼ごっこが始まった。
野球ボールの彼は、みんなを楽しそうに追いかけてた。そして、その彼はもう一人の男性を追いかけて、芝生に倒れ込むように彼を捕まえた。
『わははっ。佑くんやめてぇ~!』
楽しそうにじゃれ合うふたり。
こっちまで聞こえてくる楽しそうな笑い声。
《幸せ》ってものがそこにあるような気がした。
彼らがすごく仲がいいのが伝わって来て、なぜだかひどくイライラした。
幸せを絵にかいたような、その空気感さえも嫌悪感を抱くのに十分だった。
アイツは何もわかっていない!!
あんな幸せそうな顔をするのは間違っているっ!!
俺ならもっと素晴らしい幸せをあげられる!
そんな風に思えて仕方がなかった。
ただ、芝生でじゃれ合うだけが幸せのはずがないっ!!
あの笑顔を俺ならもっと作り出せる!!
野球ボールの彼は、もう一人の彼をぎゅっと抱きしめて
『捕まえたぁ!!俺の勝ちぃ!!』って、笑い合ってた。
すごく幸せそうに見えて、すべてを奪いたくなった。
微笑み合う彼のあの屈託のない笑顔が欲しくなった!
そして、ただひたすら彼らを見ていた。
『駿様…駿様!!探しました。こんなところにいらっしゃったのですね。何かございましたか?』
拓人に後ろから声をかけられても、視線は彼を捉え続けていた。
『拓人…。俺はあれが欲しい!』
視線はじゃれ合う彼らを捉えたまま、彼を指差して
言った。
『え?…駿様…。』
『決めた!俺!!あれを買う!』
そう言うと彼らのもとへ歩き出した。
『駿様っ!駿様っ!お待ちくださいっ!』
拓人が俺を必死で止めるのなんて、お構いなしに突き進む。
俺は、あれが欲しい!そう思った!
だから、お金で買う。
俺の腕に絡みついて、俺の行く手を邪魔する拓人。
それを力いっぱい振り払って
幸せそうな彼らに、一歩一歩と忍び寄る様に近づいていく。
俺は、あれが欲しくなった。
見れば見るほどに、野球ボールの彼は笑顔に満ちていて、優し気に笑うもう一人の彼を、愛おしそうに見つめていた。
それすら俺の闘争心に火を点け、俺の欲求をさらに掻き立てた。
あの野球ボールの彼は、あんなにお金も持っていなそうな汚い優男(やさおとこ)のどこがいいんだ?
そんな瞳で見つめて、まるで好きって言っているみたいだろ!!
無性に腹が立った。
彼らの前まで行くと
『ん?あれ?さっきのイケメンなお兄さん?』
と、野球ボールの彼が言った
『佑くんの知り合い?』と、隣の優男(やさおとこ)が問いかけた。
『あぁ。さっき、ボール拾ってもらった』
『そっか。ありがとうございました。』
優男は優しく微笑んで、彼には何の関係もない俺にお辞儀をした
『お前がお礼言わなくてもいいだろ?』
野球ボールの彼は、照れくさそうに微笑んだ。
ふたりを見てると、イライラする!!
『いいの。してもらったらありがとうでしょ?』
彼は野球ボールの彼を諭すように言った。
『ほんとにっ///そういうところっ///それが、和希だよな~』
彼がこの男を好きだということが一瞬でわかった。
だからよけにムカついて、腹が立った。
『あのさ…』
腹立たしくてイラついて、ムカついて、浴びせる様に言葉を放とうとした時、
拓人の言葉に遮られた
『駿様っ!!』
拓人が俺を止めに入るけど
俺は…こいつが欲しい!!
もう、俺を止められない。
俺が手に入れられないものなんて無いのだから!!
野球ボールの彼を真っ直ぐに見下ろして、いつもの言葉を投げつけた
『あんた一晩いくら?』
何度この言葉を言っただろう。
それでも、手に入らないことはなかった。
『は?え?』
驚いたようななんとも言えない間抜けな声を出した彼に、追い打ちをかける様に言い放った
『一晩いくらだって聞いてんだよ!!』
俺のイライラは最高潮だった
庶民の中でも底辺の奴らだって、身なりを見ればわかる
まぁ、この野球ボールだけは少しいいものを着ている気がするが…
こんな汚い奴らと一緒に居るより、俺と居た方が絶対に幸せだ!
『…ちょっとっ?…言ってる意味が…?わからないんだけど…???』
は?俺、なんか意味わからない事言った?
庶民はこの程度の事も理解できないのか?
『だからっ!!いくら出せばあんたと一晩過ごせるかって聞いてんの!!バカなのか?』
『はぁ?バカってなんだよっ!お前こそ、馬鹿かっ!いくらってなんだよ!!』
野球ボールがすんげー剣幕で怒り狂ったように言ったから
『この前の女は、隣に男いたけど100万で俺についてきたけど?100万でどう?俺、男は初めてだけど!あんたならいいや!俺の初めての男なんて光栄だろ?』
周囲にいた子供たちが、ざわざわしだす。
『え?ゆうくん100万円もらえるの?』
『よかったね。これでお家もきれいになるね。』
『ひゃくまんえんっていくら?』
子供たちは百万円に色めき立っているようだ。
『駿様っ…。子供たちの前で…お辞め下さい。このようなことは、もうしないで下さいと申し上げましたよね』
俺をなだめようと必死な拓人が可笑しい。
『はぁ?子供たちの前とか関係ある?ないだろ?金をいくらだせばあんたは俺のところに来るのかって聞いてんだよ。』
俺は俺を馬鹿呼ばわりしたこいつを、なぜかすごく気に入ってしまったようだ。
金ならいくらでもある!
俺について来い!!
手に入らないものなんてひとつもないっ!!
さぁ、俺に買われろっ!!
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