【R18】この恋止めて下さいっ!!

白夜

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1話 好きになった人

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 報われない恋だって…わかってる。

でも…<好き>を止めることなんて出来なくて…。

気が付いたら、思った以上に好きになっていて…。

止めるには遅すぎたみたいで、もうどうすることもできない自分がいた。


知ってるよ、友也先輩は仁先輩が好きだってこと。

それでも、好きな人に好きな人がいるからって好きを止められるはずなんかなくて、あの日からずっと好きです。

日々苦しくなっていくだけなのに、この想いを止められなくて胸が苦しくなる。



   ……誰か…この恋を止めて下さい。



 
苦しい恋に悩む、俺、高井遼平高井遼平たかいりょうへい

俺の願いは、



  誰か…この恋を止めて下さい。



 好きな人の近くに居たいって気持ちはきっと誰にでもあると思う。

でも、好きな人に好きな人がいて、好きな人が好きな人を想っている横顔をずっと見続けなくちゃいけないのって…すごく苦しくて、しんどくて…心が壊れてしまいそうになる。


それが同じ社内で起こっているのならなおさら、目を背ける事も出来ない。

好きな人を見ているつもりなのに、好きな人が自分じゃない誰かを想っている横顔をずっと見ていなくちゃいけない現実。


見なければいいのに…


好きだから、この目が友也先輩を追ってしまうし、その先にある仁先輩にたどり着いてしまう。

何とも言えない地獄のスパイラル。

それでも、近くに居れるのは幸せなのだろうか?

何度も自問自答を繰り返す。答えの出ないこれまた地獄のスパイラル。


友也先輩はきっと…仁先輩が好き。

入社して友也先輩が気になりだした頃2人の想いに気が付いた。

俺の3歳年上で俺の教育係の友也先輩は、いつも明るく元気で優しい!でも少しドジで可愛らしいのにどこか男らしい不思議な感じの先輩で、仁先輩は俺より5歳も年上のしっかり者で少し照れやでめちゃくちゃイケメン上司だ。

仁先輩を見る友也先輩の瞳は,,先輩後輩を越えて、恋する瞳だってことくらい俺だって気が付く!

いや!俺だから気が付くのかもしれない。

友也先輩を好きな俺だから気が付くのかもしれない。

そして、また…仁先輩も友也先輩の事が好きなんだと思う。

こじらせている2人の先輩は両片思いを継続中だ!

あからさまに<好き>をアピールしている友也先輩に対して、仁先輩は塩対応を決め込んでいるといった様子。

友也先輩に抱き着かれて嫌がっているように振る舞う仁先輩だけど、本当は好きなんだろうなって気持ちが駄々洩れなのが可愛らしいところで…


俺の気持ちが入り込む隙間なんてないはずなのに…

いつの間にか、ふたりの間に入り込んでしまった…


こんなのダメだってわかっているのに、ちゃんと頭でわかっているのに!!

心が追い付いてきてくれない!!

好きな人に抱かれたいって思ってしまうのは、仕方がない事だよね?

そうやって、自分を正当化して友也先輩との関係を続けようとする自分が大嫌いだ!!

そんな自分が嫌いなのに…


何度も繰り返してしまう。


ーイケナイ関係ー




 ピロンっ!

スマホからメッセージの着信を知らせる音が鳴る。


【遼平今日暇?】

友也先輩からのメッセージを受け取る。

そのメッセージは心躍る嬉しさと、絶望感を連れて来る。


【暇です!】

速攻で返信する。


【行ってもいいかな?】


友也先輩の誘いを断る理由なんて、あるわけない!


【待ってます】

きっと、今日は連絡が来ると思ってた。

あれの後は必ずと言っていいほど、連絡が来て俺とカラダを重ねる。



こうやって、何回も…何回も…カラダだけを友也先輩と重ねる。

心が繋がることなんてないのに…


心のどこかで、いつかは俺を好きになってくれるじゃないかって期待してしまう自分かいる。


そして、抱かれる度に幸せと絶望を味わう。


それでも…いい…

誰かの代わりでもいい…

抱いてくれるならそれでもいいと思っていた。


誰かの代わりでも、好きな人に抱いてもらえるなら幸せだって最初のうちはそう思ってた。


それなのに、どんどん苦しくなって、辛くなっていった。


そんなに苦しくて辛いのに…




【行ってもいいかな?】

と、メッセージが来れば


【待ってます】と返事をしてしまう。



【行ってもいいかな?】は【今日シてもいい?】

【待ってます】は【準備しておきます】


そんなふたりのやり取りを繰り返す。


やめられないのは、俺が招いた事だから仕方がない。


友也先輩が俺の家に来て、キスをする。

俺じゃない誰かを想ってしているキスなのだと思う。


俺の全身を愛撫する。

俺じゃない誰かを溶かすための愛撫なのではないかと思ってしまう。


えっちをする。

俺じゃない誰かを想ってしている行為。


俺じゃない誰かを想っている友也先輩だけど、


『遼平ってイケメンだね。顔がすごく綺麗だね。』と言って、俺を抱く。


俺は、友也先輩とキスをする。

友也先輩の器用な手で全身を愛撫されて、その指で溶かされる。


友也先輩は俺の中で果てる。


俺はいつも友也先輩を想って、友也先輩に抱かれている。

例え、友也先輩が俺じゃない誰かを想って抱いていても、抱かれているのは俺だ。



そんな友也先輩に恋をしている。


こんなに苦しくて痛い恋になるなんて思ってもいなかった。


こんな苦しい恋ならば…



……誰かこの恋を止めて下さい…



この恋はまだ、始まったばかりだ。



















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