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19話 帰したくないでも…
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『舌入れちゃって…』
…少し驚いたけど、でも、子供じゃないし…。
俺とは、もっとえっちな事している訳であって…
そんなキスくらいで、しどろもどろになっている方が不思議で仕方がない。
『まぁ…仁さんだってオトナですから、それくらい…』
友也さんは俺の言葉に被せる様に
『仁さん…涙目でうるうるしながら俺を見てた///』と言った。
そら~まぁ~仁さんも友也さんの事好きだし、
好きな人からそんなちゅーされたら…
ってか、友也さんのキスめっちゃ上手いから、それでとろとろになったのでは?
『しかも!蕩けそうな顔して…それがえろくて…///そのままそこに居たら、絶対に襲ってた!!神に誓ってもいい!絶対に襲ってた自信がある!いや…自信しかない!!』
俺は…決定打を打たれた。
『…それで…逃げてきたんですね?』
『逃げてないっ!ちゃんとごめんって謝って、飲み物買ってくるって言ってきたもん!!』
まるで子供のような口調になる友也さん。
『しばらくしたら…部屋に帰って下さい』
『やだ~帰りたくない!!…どんな顔して逢ったらいいのかわからん!!』
駄々をこねる子供みたいな友也さん。
友也さんと仁さんは、少しづつ確実に前へ進んでいる。
こんなにも、お互いが深く思い合っているのに…片思いだなんて。
恋愛って本当に難しい…
キスだってえっちだってしてるのに…
俺の事は何とも思っていないのだから…
俺はこんなに友也さんが好きなのに…
それでも、俺の恋は一方通行だ。
そして、きっと、もうすぐこの関係は終わってしまう。
それでも、まだ…もう少し近くにいて、あなたに抱かれたいと思ってしまうのはイケナイ事なのだろうか…?
もう少しだけ悪夢を見せて欲しい。
最低で最悪だけど…何も考えられなくなるような、えっちで胸がきゅんとするようなこの悪夢を、もう少しだけ見ていたい。
本当は、仁さんの待つ部屋へ友也さんを帰したくない。
それでも、帰さなきゃいけない…。
『ここにいる事バレてもいいんですか?』
脅すように言った。
『それは…やっぱ…まずい…よな?』
『それなら…帰って下さい…大丈夫です!きっと…』
渋々友也さんは帰って行った。
仁さんは、恋愛偏差値が低すぎる人だから、きっと…
寝たフリなんかして、その場をやり過ごして、朝になったら普通に何事もなかったかのように振る舞うのではないかと俺は推測した。
そして…そのまま…
もう少しだけ、この現状を維持してもらえたらなんて、考えていた。
次の日、友也さんと仁さんは予想通り普通にロビーに下りてりてきた。
ふたりとも、何もなかったかのような顔をして、仕事の話をしていた。
それから、朝食を4人で食べた。
プレートに乗ったTHE和食な朝食だった。
友也さんは自然に仁さんに玉子焼きを渡して、仁さんは納豆を友也さんに無言で渡していた。
それは、もう…会話もいらないくらいに普通の当たりまえの行為で…
俺の敗北を見せつけられているかのようだった…。
目の前で行われている、ふたりのやり取りから目を反らしたかった…。
『遼平!これ美味し!一つあげる』って一ノ瀬くんが俺にゴマ豆腐をくれた。
『俺にもあるしっ!』
目の前のふたりを見ていられなくて…
一ノ瀬くんの強引な押し付けさえ、少し有難く思えた。
『ご馳走様でした!俺、部屋に荷物忘れてきちゃったので取りに行ってきます。』
そう言って、その場を離れた。
こんな地獄をあと一泊過ごさなければならないなんて…
神様は意地悪だ!!
それとも、俺が2人の仲を拗らせていることにお怒りですか?
でも…たぶん…そろそろ…
終わりが近づいている…
そんな気がした。
…少し驚いたけど、でも、子供じゃないし…。
俺とは、もっとえっちな事している訳であって…
そんなキスくらいで、しどろもどろになっている方が不思議で仕方がない。
『まぁ…仁さんだってオトナですから、それくらい…』
友也さんは俺の言葉に被せる様に
『仁さん…涙目でうるうるしながら俺を見てた///』と言った。
そら~まぁ~仁さんも友也さんの事好きだし、
好きな人からそんなちゅーされたら…
ってか、友也さんのキスめっちゃ上手いから、それでとろとろになったのでは?
『しかも!蕩けそうな顔して…それがえろくて…///そのままそこに居たら、絶対に襲ってた!!神に誓ってもいい!絶対に襲ってた自信がある!いや…自信しかない!!』
俺は…決定打を打たれた。
『…それで…逃げてきたんですね?』
『逃げてないっ!ちゃんとごめんって謝って、飲み物買ってくるって言ってきたもん!!』
まるで子供のような口調になる友也さん。
『しばらくしたら…部屋に帰って下さい』
『やだ~帰りたくない!!…どんな顔して逢ったらいいのかわからん!!』
駄々をこねる子供みたいな友也さん。
友也さんと仁さんは、少しづつ確実に前へ進んでいる。
こんなにも、お互いが深く思い合っているのに…片思いだなんて。
恋愛って本当に難しい…
キスだってえっちだってしてるのに…
俺の事は何とも思っていないのだから…
俺はこんなに友也さんが好きなのに…
それでも、俺の恋は一方通行だ。
そして、きっと、もうすぐこの関係は終わってしまう。
それでも、まだ…もう少し近くにいて、あなたに抱かれたいと思ってしまうのはイケナイ事なのだろうか…?
もう少しだけ悪夢を見せて欲しい。
最低で最悪だけど…何も考えられなくなるような、えっちで胸がきゅんとするようなこの悪夢を、もう少しだけ見ていたい。
本当は、仁さんの待つ部屋へ友也さんを帰したくない。
それでも、帰さなきゃいけない…。
『ここにいる事バレてもいいんですか?』
脅すように言った。
『それは…やっぱ…まずい…よな?』
『それなら…帰って下さい…大丈夫です!きっと…』
渋々友也さんは帰って行った。
仁さんは、恋愛偏差値が低すぎる人だから、きっと…
寝たフリなんかして、その場をやり過ごして、朝になったら普通に何事もなかったかのように振る舞うのではないかと俺は推測した。
そして…そのまま…
もう少しだけ、この現状を維持してもらえたらなんて、考えていた。
次の日、友也さんと仁さんは予想通り普通にロビーに下りてりてきた。
ふたりとも、何もなかったかのような顔をして、仕事の話をしていた。
それから、朝食を4人で食べた。
プレートに乗ったTHE和食な朝食だった。
友也さんは自然に仁さんに玉子焼きを渡して、仁さんは納豆を友也さんに無言で渡していた。
それは、もう…会話もいらないくらいに普通の当たりまえの行為で…
俺の敗北を見せつけられているかのようだった…。
目の前で行われている、ふたりのやり取りから目を反らしたかった…。
『遼平!これ美味し!一つあげる』って一ノ瀬くんが俺にゴマ豆腐をくれた。
『俺にもあるしっ!』
目の前のふたりを見ていられなくて…
一ノ瀬くんの強引な押し付けさえ、少し有難く思えた。
『ご馳走様でした!俺、部屋に荷物忘れてきちゃったので取りに行ってきます。』
そう言って、その場を離れた。
こんな地獄をあと一泊過ごさなければならないなんて…
神様は意地悪だ!!
それとも、俺が2人の仲を拗らせていることにお怒りですか?
でも…たぶん…そろそろ…
終わりが近づいている…
そんな気がした。
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