私が君と過ごした数分間

いぶき

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第二章

対決

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女と夫、私の話し合いは外で行った。

完全個室のお店。


足が折れてる私たちは少々遅れて到着した。


個室のドアを開けると…

女はすでに泣いていた。


そして

「申し訳ありませんでした!!」

と、いきなり言ってきた。

わんわん泣きながら。


私はそこにも心底腹が立って

「いや…泣かないでもらっていいですか?見て分かりませんか?
私は足折って、夫にも裏切られて…泣きたいのは私なんですよ…
あなたがどんなに泣いても私には何の感情も湧かないし、憎い以外の言葉が浮かびません。
感情的になっても話にならないので、1回落ち着いてください。」


そう言って私はお店の方にオーダーを出した。



飲み物を飲んで、私は話を始めた。



「あなたがどういうつもりで私の夫に手を出したのか…そんなことはどうでもいいんです。正直。」

そして夫に

「ね?」

と言った。


夫は頷いていた。


「あなたと夫がどんなに深い愛の言葉を
”文字“で言い合ってたとしても、この人の愛は全て私だけに向けられています。
私たちには長い歴史があって、どんなに困難なことも2人で手を取り合って生きてきたんです。
あなたに分かりますか?
それがどれほど大変だったか…
想像すら出来なかったんじゃないですか?
現に夫は何故あなたに行ったのか、何故浮気をしたのか…

私は浮気をする前に察知してました。

でも夫に”あなたが浮気をしたら私はあなたの前で首を切る“と泣きながら訴えました。
その時あなたとは一線を超えていないと思ったので。


夫は
「絶対にそんなことはしない!伊織を絶対に裏切らない!
信じて」

そう言い私を抱きしめました。

でも夫は私を甘く見て一線を超えてしまった。

でもその理由は……」


そこまで話…夫を見た。

「ここからはあなたが話した方がいいんじゃない?」

と問いかけた。

「いや…伊織が全部話していいよ」


と夫は言った。


「じゃぁ…私が言いますけど…
夫が浮気をした理由は、中学の友達と久しぶりに会って何となく意気投合。連絡先を交換して、また地元の友達との飲み会にあなたはいた。
やたらと連絡をしてくる。
彼氏もいるって言ってるし向こうもバレたら困るだろう。
ネットはもう危ない。
手取り早くセックスに持ち込むには最適な相手だったそうです。
あなたには1ミリの愛情もなかった。と。」


そう言うと、女は夫を睨んだ。


「私の夫を睨まないでもらっていいですか?
妻子があるのを分かっていたんですよね?
私に近ずいたのは探るためですか?
それとも優越感に浸りたかったからですか?

でも残念ながら夫は私しかいないんですよ。

あなたがしたことは私たちを離婚に追いやるかもしれない。
でもそれだけじゃないんですよ。

私が傷つくのはどうでもいいんです。

でも…

あなたは私たちの子供3人も傷つけた。
この罪は重いですよ。

これでもし離婚になったら、あなたは4人の人生を狂わせた。
4人の人生を潰した。
私と3人の子供たちを地獄に叩き落とした。

私はあなたを一生涯にかけて憎み続ける。

この重みがあなたに分かりますか…?


あなたには彼もいるんですよね?

何で…っ…

何で私の夫だったの…っ」


泣きながら訴えた。


そして「…はい…。本当に申し訳ありませんでした。」

と、静かに言った。


この場に2人にさせる不安はあったが…私はお手洗いに向かった。


お手洗いの前で女が私に後ろから抱きついてきた。


「ごめんなさいっ、伊織ちゃん本当にごめんね…私間違ってた…」


そう泣きながら。


でも私には何の感情もやはり浮かばなかった。

むしろ虫酸が走った。


そして女に誓約書を書かせた。

ちっぽけな慰謝料とともに。



こうして私たちの話し合いは終わった。



あとは…

私と広大の問題だ。

私は許せるのだろうか…

他の女とセックスした夫を…


あー…
嫌だなぁ…

でも私には3人の子供がいる。

自分が子供だった時を思い出せっ!

そう自分を奮い立たせた。


私にだって広大に秘密にしている事があるじゃないか。

たかだか男の浮気。


何かの本で読んだ。


「男が浮気をするのは犬が電柱におしっこを引っ掛けるようなもの。」と。


そうだ。

そう思えばいい…


何度も何度もそう自分に言い聞かせた。





でも……

私が愛した夫が他の女とセックス…


何度もそのイメージが湧いてくる。


その度に脈が早くなり動悸がして…
心臓を抉り取られるような感覚になる…




どうして……

広大…


私はあの話し合いが終わっても地獄にいた。

そして毎日泣いていた。。。
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