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僕のヒーロー、田丸君。
④
立ち上がって玄関の扉を開けようとしたところで、ぱしっと右手を掴まれた。
「ごめん、嘘ついた。誰かと同居してみたいから河中に声かけたわけでも、河中に同情して正義感で声かけたわけでもない」
田丸君はそう言って、掴んでいる僕の手をグイっと自分の方に引いた。
よくわからない状況と田丸君の言葉に抵抗するってことをしなかった僕の体は引かれるまま、田丸君の方へと倒れた。
倒れた僕を田丸君は抱き留めて、ぎゅっと田丸君の両腕に強くホールドされた。
「俺は高校入ってすぐに河中のことが気になってて、んで好きになった。でも同じ男の俺が河中に告白したところで相手にされないことなんてわかってたし…それで、河中の家にやばそうな奴らが出入りしてるとこ見て、守りたいって思ったし、守りきれれば…その…河中が俺を意識してくれるんじゃないかって甘い期待をしている」
田丸君の言葉にえ?と上にある田丸君の顔を見上げれば、視線はどこか遠くへ向けられていて、そして顔がすっごく真っ赤に染まっていた。
そんな田丸君の様子に、先ほどの言葉が冗談なんかじゃないことも、田丸君が軽い気持ちで言ったわけでもないことが分かった。
この人…本気で僕のことが好きで、本気で甘い期待をしているのんだ。
「っは…あははは!!」
「ん”」
自然と出た笑いに、上から変な声が聞こえてきて、それも何か…すごく笑えた。
「あーぁ…ふぅ…田丸君。守りたいって言ってくれてるけど、あいつらからどうやって僕を守ってくれるつもりなの?」
笑いが落ち着いたところで、僕は田丸君に聞いてみた。
田丸君は守りたい、守ったら僕が田丸君に好意を寄せることを期待していると言ったけれど、田丸君はただの高校生だ。
しかも今は受験真っただ中の大事な時期で…そんな時にやばい奴らと関わってしまえば将来を棒に振ることになるかもしれない。
そんなリスクが高い選択をとるのは馬鹿すぎるって…田丸君ならわかってるはずだ。
「情けない話だけど…俺だけじゃ守れない。だからじいちゃんに頼る」
「じいちゃん?」
「そ。すっげぇ頼りになるじいちゃんが俺にはいる」
自信満々に宣言する田丸君にまた笑いがこみ上げてくる。
そういえば、このマンションもじいちゃんの持ち物だって言ってたっけ。
すごく仲良いんだなって思うと同時に、どんなおじい様なんだろうってちょっと興味がわいてきた。
「じいちゃんが危なくならない?」
「大丈夫。俺はじいちゃん以上に強い人を知らない」
ほんとにどんな人なんだろうっと思いながら、その日は結局田丸君に誘われるままに田丸君の家に泊まらせてもらった。
僕が笑うと、すっごく嬉しそうな顔をして見てくるからくすぐったい気持ちになる。
疑いようがないくらいに好意を寄せられている。
誰かに抱きしめられて眠ったのは初めての経験で、とても安心して心地の良いものだった。
「ごめん、嘘ついた。誰かと同居してみたいから河中に声かけたわけでも、河中に同情して正義感で声かけたわけでもない」
田丸君はそう言って、掴んでいる僕の手をグイっと自分の方に引いた。
よくわからない状況と田丸君の言葉に抵抗するってことをしなかった僕の体は引かれるまま、田丸君の方へと倒れた。
倒れた僕を田丸君は抱き留めて、ぎゅっと田丸君の両腕に強くホールドされた。
「俺は高校入ってすぐに河中のことが気になってて、んで好きになった。でも同じ男の俺が河中に告白したところで相手にされないことなんてわかってたし…それで、河中の家にやばそうな奴らが出入りしてるとこ見て、守りたいって思ったし、守りきれれば…その…河中が俺を意識してくれるんじゃないかって甘い期待をしている」
田丸君の言葉にえ?と上にある田丸君の顔を見上げれば、視線はどこか遠くへ向けられていて、そして顔がすっごく真っ赤に染まっていた。
そんな田丸君の様子に、先ほどの言葉が冗談なんかじゃないことも、田丸君が軽い気持ちで言ったわけでもないことが分かった。
この人…本気で僕のことが好きで、本気で甘い期待をしているのんだ。
「っは…あははは!!」
「ん”」
自然と出た笑いに、上から変な声が聞こえてきて、それも何か…すごく笑えた。
「あーぁ…ふぅ…田丸君。守りたいって言ってくれてるけど、あいつらからどうやって僕を守ってくれるつもりなの?」
笑いが落ち着いたところで、僕は田丸君に聞いてみた。
田丸君は守りたい、守ったら僕が田丸君に好意を寄せることを期待していると言ったけれど、田丸君はただの高校生だ。
しかも今は受験真っただ中の大事な時期で…そんな時にやばい奴らと関わってしまえば将来を棒に振ることになるかもしれない。
そんなリスクが高い選択をとるのは馬鹿すぎるって…田丸君ならわかってるはずだ。
「情けない話だけど…俺だけじゃ守れない。だからじいちゃんに頼る」
「じいちゃん?」
「そ。すっげぇ頼りになるじいちゃんが俺にはいる」
自信満々に宣言する田丸君にまた笑いがこみ上げてくる。
そういえば、このマンションもじいちゃんの持ち物だって言ってたっけ。
すごく仲良いんだなって思うと同時に、どんなおじい様なんだろうってちょっと興味がわいてきた。
「じいちゃんが危なくならない?」
「大丈夫。俺はじいちゃん以上に強い人を知らない」
ほんとにどんな人なんだろうっと思いながら、その日は結局田丸君に誘われるままに田丸君の家に泊まらせてもらった。
僕が笑うと、すっごく嬉しそうな顔をして見てくるからくすぐったい気持ちになる。
疑いようがないくらいに好意を寄せられている。
誰かに抱きしめられて眠ったのは初めての経験で、とても安心して心地の良いものだった。
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