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それでも君と(旧:君が僕から離れても)
①
しおりを挟む「好きです。付き合って欲しい」
ある日突然、教室で告白された。
同性でしかも学校で凄く格好いいと言われて、毎日誰かに告白を受けているようなイケメン須賀 一汰君から。
告白されたのは帰りのHRが終わってすぐの放課後。
多くの生徒がまだ教室に残っている中、彼はやって来て僕の座る席の前に立ち告白をしてきたのだ。
僕が驚き固まったのはもちろん、周りのクラスメイト達も驚いて口を開けたまま固まってしまっている。
こんな状況を生み出した須賀君は真剣な眼差しで僕をじっと見ていて…とても冗談や罰ゲームで、といった雰囲気ではない。
男女共学の学校でまさか同性から告白を受けるとは少しも考えていなかった。
たぶんそれは僕と同じように固まっているクラスメイト達もそうだろう。
「あーっと…ごめんなさい。」
別に同性から好意を抱かれたことに嫌悪感はない。
僕は好きな相手を性別で考えたことはないし、男子高校生としてそれはどうなのだと思うかもしれないが…女性に興味があるわけでもない。
素敵な相手と付き合って、穏やかな家族を築ける…そんな相手と付き合いたいなっとは思うけれど。
「それは俺が男だから?」
「え?あぁ、ううん。僕は須賀君からの告白を受けるほど君のことを知らないし特別な感情も感じてない…ので」
須賀君からの問いにそう答えると彼は「そっか」と満足そうに微笑んだ。
「じゃあ、これから海野と沢山話す。それからまた告白するから…そこでまた返事が欲しい」
「んー」
「難しく考えないで良い。これから俺と普通に話してくれたらそれで」
「…ん。分かった」
正直見た目だけなら僕は須賀君の見た目はすごく好き。
清潔感あるし、見ていて綺麗だなぁって素直に思う。
僕を見つめる目はすごく真剣で、僕の頷きに少し瞳がキラリと光ったのも凄く綺麗だと思う。
だけど、彼は学校一と言ってもくらいモテる人なのだ。
「お前須賀君に告られたからって良い気になるなよ」
「お前如きが須賀君を良いように扱うな」
「釣り合わないって分かんないの?」
などなど…あの告白の日から男女問わず罵倒される。
その度に仲の良い嵐と平ノ助がそんな人達を追い払ってくれる。
僕はと言えば…あんまりそういう罵倒にダメージを喰らっていない。
基本僕は他人に興味がない人間なので、どう言われようと仲良くない人達からの暴言何てひとつも心に響かない。
こういう所、自分でもお得な性格だなって思っている。
ちなみに告白をされた日から須賀君改め一汰君は毎日お昼休みや放課後、僕の教室へ来て僕と一緒に過ごすようになった。
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