若き領主に幸福を

薄明 喰

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第一章

新たな国王



国王陛下は僕とソロモン公爵に不敬だ、処刑だと喚いたが、ソロモン公爵がその場で宰相の必死の説得に耳も貸さず魔術を展開し全国民にソロモン公爵家は現国王を国王の座に相応しくないと判断したことが告げられた。

後日、理由も事細かに書かれたものが国中に配られ、国王陛下の支持率は今やどん底。



特に魔獣の被害に頻繁に合う領地からは、今回の件について特に厳しい声が上がっている。
魔獣により命を落とした者の遺族が集まってのデモが城下で行われ、同盟国からも今回の国王の対応は酷いものだと言われ、国交にも影響が出てきている。



教会からも教皇が出てきて、国王へ座を降りるよう話されたとか…

思った以上に国がひっちゃかめっちゃかになっているが、こんな時でも他国から攻めいられることがないのは、ソロモン公爵を始めとする有力な家の者たちが積極的に魔獣討伐をし、他国に恩を売ったり、力を見せつけているから。


その中のひとつに此処、ユドルゲ領も入ってる。



僕は前ほど戦場には立てなくなってしまったが、僕など居らずとも騎士団は強いし、マルセ率いる魔術師達も強い。

ソロモン公爵は流石に自治に戻られているが、政務にはまだ戻られていない。
国王が変わるまで戻らないと公言している。
国内最強の魔術師のこの発言は大きかった。






ソロモン公爵が国王陛下の廃位を求めてから国王の顔が変わるまで、わずか3ヶ月。

この件でソロモン公爵の影響力を改めて国民はもちろん、他国も再認識した。



そんなソロモン公爵を王位にと望む声もあったが、ソロモン公爵は王座に座らない事を早い段階で明言し、新たな王座に腰を下ろしたのは若き第1王子、ルノール王子であった。

ルノール王子改めルノール王は王座につき、まず初めにした事は公開謝罪。
王族の公な謝罪会見という異例の自体に全世界が注目した。



『先王含め、長い間我が王家は国内外で多くの命を奪ってきた。そして此度、国のため命を賭して戦う騎士たちを愚弄し、自らの行いを隠すため、罪のないものを亡きものにしようと企んだ。…王族の血が流れる者として、心から謝罪をいたします』


ルノール王はそう言うと暫くの間目を瞑った。
それは、王族の威厳を辛うじて損なわない最大の謝罪であった。

荒れていた国も、国交を絶っていた国も、彼が国王になるのならばと交流を再開し、徐々に落ち着きを取り戻し始めた頃…





「ユドルゲ伯爵、本当に申し訳ない」

話題のルノール王は伯爵家で1番上等な応接室に居て、僕に頭を深く下げている。

ルノール王とお会いしたのは今日で4回目。
国の社交界でお会いする機会が何度かあったが、僕はあまり領地を離れられず、必要最低限に出席を控えていたからあまり関わりがなかったのだ。



自分よりも歳上ではあるが、全国的に見てルノール王は若くして王座についた方。
どんなお方で王に相応しいお方なのかどうかは分からない。
分からないが、ソロモン公爵がルノール様が国王になることで政務に戻られたのだからきっと良き王となってくださるのだと期待している。





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