6 / 9
6.親衛隊を持つ不良
支度をして、昨日の啓吾の事を考えながら俺は学校へ向かった。
何であんなに顔を近付けてきたんだろ。しかもまだ早いと、まるで次があるような素振りを残して消えてしまった。
もしやヤンキーの中ではキスをするとかそんな文化があるのかもしれない。
俺のファーストキス、もしかして啓吾に奪われる可能性があるのか……?せめて最初はお淑やかな女の子と花火の下とかお花畑とかロマンチックな場所でするつもりだったのに!これからは口許に気を付けねば!
警戒心MAXで歩いていたつもりだったが突如俺の前に大柄な男達が立ち塞がった。そして、全員が同時に頭を深々と下げ、大声で放った。
「明さんッ!御荷物お持ち致しますッ!!」
「鞄でも何でも持ちます!!」
「あ、靴拭きましょうか?」
な、何を言っているんだこの人達……。如何にも屈強で怖そうなのに何でそんな低姿勢で絡んでくるんだ?
しかも顔だけでなく体全体に凄い数の包帯が巻かれている。中には骨折した人も混じってるようだ。それなのに俺の荷物を持つ?怖すぎる。何がしたいんだ。
ていうかなんか見覚えあると思ってたけど、よく見たら少し前、俺にコーラをぶっかけてきた奴らじゃん!!
何でまだ俺に付き纏ってくるのか。啓吾が倒してくれたから俺がこの人達に絡まれるのは二度と無いと思ってたのに!
低姿勢に見せておいて実は裏で殴られるんじゃ……。恐怖で何も言えず立ち止まっていると、そこに元凶が現れた。
「おい、お前ら」
「ひっ、啓吾さん!おはようございます!」
「気安く俺の明の名前を呼ぶんじゃねえ!!」
「すいません!兄貴!」
あ、兄貴?
てかやっぱりコイツの仕業だったのかよ!!
啓吾は眉間の皺を消して此方を見てふわりと笑った。
「おはよう、明」
「お、おはよう」
「昨日のことは気にしないでくれ。あとコイツらは俺が躾けたからもう心配することは無い。また虐められたら俺に言ってくれ」
どう躾けたのかは気になる所だが余り触れないようにしておこう。
ていうか気にするなって言うなら何であんなことをしてきたんだ。悩んだ俺が馬鹿みたいだ。
内心不満を感じていたが、突如大声で俺の名前を呼ばれ考えは吹っ飛ぶ。
「佐藤さん!」
「はっはい」
「俺、山野慎一郎って言うッス」
「そ、そうですか」
だから何だ
というか言われなくても同じクラスだし知ってる。
獄堂啓吾は恐れられているが子分の数は多い。
山野慎一郎もその一人でいつも獄堂の隠し撮りしたような写真を授業中に見てはデレデレしてるし俺の隣で獄堂がクラスを監視してた時は教壇前の席のくせに一日中後ろを見て微笑んでいた。
スキンヘッドの強面からは想像出来ない優しい微笑みだ。
俺的に関わりたくないクラスメイトNO.1だが、何故急に話しかけてくるんだ。
「山野は忠誠心の高い舎弟だ。お前とはダチって聞いた時は驚いたが、俺がいない時はそいつに助けを求めてくれ」
いやいやいやダチになった覚えはありませんが!?入学式から一度も喋った覚え無いんですけど?
山野を凝視するが彼の目には獄堂しか映っていない。ダメだこいつ。
「じゃあまたな。明」
そして彼は取り巻きを連れて去ってしまった。俺は山野と共に廊下で立ち尽くす。
気まずい。絶対コイツ獄堂と繋がりたくて俺を利用したに違いないし、俺はどんな顔すればいいんだよ。取り敢えずいつものように空気に溶け込みクラスへ向かおうとするが、話しかけられてしまった。
「佐藤さん、今日から俺が守るから安心して下さいッス!」
「え、あ、ありがとう。山野」
「まさか佐藤さんと獄堂さんがそういう関係とは知らなかったッス。親衛隊の集会で見たこと無いと思ってましたけどねー」
「親衛隊?」
問い掛ける俺に山野は驚愕したが俺に丁寧に説明してくれた。
なんと、獄堂には子分ならぬ親衛隊が存在したようだ。元々美形な生徒会にファンクラブのような組織がいた事は知っていたが、獄堂にもいたとは知らなかった。しかし、他の親衛隊に比べ恋愛対象として見ている隊員は殆ど存在せず憧れや尊敬の念を抱いている隊員が多いらしい。
「まあムキムキの奴はその気あるっぽいッス」
知りたくなかったッス。
何であんなに顔を近付けてきたんだろ。しかもまだ早いと、まるで次があるような素振りを残して消えてしまった。
もしやヤンキーの中ではキスをするとかそんな文化があるのかもしれない。
俺のファーストキス、もしかして啓吾に奪われる可能性があるのか……?せめて最初はお淑やかな女の子と花火の下とかお花畑とかロマンチックな場所でするつもりだったのに!これからは口許に気を付けねば!
警戒心MAXで歩いていたつもりだったが突如俺の前に大柄な男達が立ち塞がった。そして、全員が同時に頭を深々と下げ、大声で放った。
「明さんッ!御荷物お持ち致しますッ!!」
「鞄でも何でも持ちます!!」
「あ、靴拭きましょうか?」
な、何を言っているんだこの人達……。如何にも屈強で怖そうなのに何でそんな低姿勢で絡んでくるんだ?
しかも顔だけでなく体全体に凄い数の包帯が巻かれている。中には骨折した人も混じってるようだ。それなのに俺の荷物を持つ?怖すぎる。何がしたいんだ。
ていうかなんか見覚えあると思ってたけど、よく見たら少し前、俺にコーラをぶっかけてきた奴らじゃん!!
何でまだ俺に付き纏ってくるのか。啓吾が倒してくれたから俺がこの人達に絡まれるのは二度と無いと思ってたのに!
低姿勢に見せておいて実は裏で殴られるんじゃ……。恐怖で何も言えず立ち止まっていると、そこに元凶が現れた。
「おい、お前ら」
「ひっ、啓吾さん!おはようございます!」
「気安く俺の明の名前を呼ぶんじゃねえ!!」
「すいません!兄貴!」
あ、兄貴?
てかやっぱりコイツの仕業だったのかよ!!
啓吾は眉間の皺を消して此方を見てふわりと笑った。
「おはよう、明」
「お、おはよう」
「昨日のことは気にしないでくれ。あとコイツらは俺が躾けたからもう心配することは無い。また虐められたら俺に言ってくれ」
どう躾けたのかは気になる所だが余り触れないようにしておこう。
ていうか気にするなって言うなら何であんなことをしてきたんだ。悩んだ俺が馬鹿みたいだ。
内心不満を感じていたが、突如大声で俺の名前を呼ばれ考えは吹っ飛ぶ。
「佐藤さん!」
「はっはい」
「俺、山野慎一郎って言うッス」
「そ、そうですか」
だから何だ
というか言われなくても同じクラスだし知ってる。
獄堂啓吾は恐れられているが子分の数は多い。
山野慎一郎もその一人でいつも獄堂の隠し撮りしたような写真を授業中に見てはデレデレしてるし俺の隣で獄堂がクラスを監視してた時は教壇前の席のくせに一日中後ろを見て微笑んでいた。
スキンヘッドの強面からは想像出来ない優しい微笑みだ。
俺的に関わりたくないクラスメイトNO.1だが、何故急に話しかけてくるんだ。
「山野は忠誠心の高い舎弟だ。お前とはダチって聞いた時は驚いたが、俺がいない時はそいつに助けを求めてくれ」
いやいやいやダチになった覚えはありませんが!?入学式から一度も喋った覚え無いんですけど?
山野を凝視するが彼の目には獄堂しか映っていない。ダメだこいつ。
「じゃあまたな。明」
そして彼は取り巻きを連れて去ってしまった。俺は山野と共に廊下で立ち尽くす。
気まずい。絶対コイツ獄堂と繋がりたくて俺を利用したに違いないし、俺はどんな顔すればいいんだよ。取り敢えずいつものように空気に溶け込みクラスへ向かおうとするが、話しかけられてしまった。
「佐藤さん、今日から俺が守るから安心して下さいッス!」
「え、あ、ありがとう。山野」
「まさか佐藤さんと獄堂さんがそういう関係とは知らなかったッス。親衛隊の集会で見たこと無いと思ってましたけどねー」
「親衛隊?」
問い掛ける俺に山野は驚愕したが俺に丁寧に説明してくれた。
なんと、獄堂には子分ならぬ親衛隊が存在したようだ。元々美形な生徒会にファンクラブのような組織がいた事は知っていたが、獄堂にもいたとは知らなかった。しかし、他の親衛隊に比べ恋愛対象として見ている隊員は殆ど存在せず憧れや尊敬の念を抱いている隊員が多いらしい。
「まあムキムキの奴はその気あるっぽいッス」
知りたくなかったッス。
あなたにおすすめの小説
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
ただのハイスペックなモブだと思ってた
はぴねこ
BL
神乃遥翔(じんの はると)は自分のことをモブだと思っていた。
少年漫画ではいつだって、平凡に見えて何か一つに秀でている人物が主人公だったから。
その点、遥翔は眉目秀麗文武両道、家も財閥の超お金持ち。
一通りのことがなんでも簡単にできる自分は夢中になれるものもなくて、きっと漫画のモブみたいに輝く主人公を引き立てるモブのように生きるのだと、そう遥翔は思っていた。
けれど、そんな遥翔に勉強を教わりに来ている葛城星 (かつらぎ ほし)は言った。
「BL漫画の中では、神乃くんみたいな人がいつだって主人公なんだよ?」
そう言って、星が貸してくれた一冊のBL漫画が遥翔の人生を一変させた。
自分にも輝ける人生を歩むことができるのかもしれないと希望を持った遥翔は、そのことを教えてくれた星に恋をする。
だけど、恋をした途端、星には思い人がいることに気づいてしまって……
眉目秀麗文武両道で完璧だけど漫画脳な遥翔が、お人好しで気弱な星の心に少しずつ少しずつ近づこうと頑張るお話です。
眠りに落ちると、俺にキスをする男がいる
綿毛ぽぽ
BL
就寝後、毎日のように自分にキスをする男がいる事に気付いた男。容疑者は同室の相手である三人。誰が犯人なのか。平凡な男は悩むのだった。
総受けです。
恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。
めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。
その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。
⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる
⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない
※全四話、予約投稿済み。
本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。
※後日談を3/25に投稿予定←しました。Rを書くかはまだ悩み中
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
僕はただの平民なのに、やたら敵視されています
カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。
平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。
真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
陽キャと陰キャの恋の始め方
金色葵
BL
「俺と付き合って欲しい」
クラスの人気者からの告白――――だけどそれは陽キャグループの罰ゲームだった!?
地味で目立たない白石結月は、自分とは正反対の派手でイケメンの朝日陽太から告白される。
からかわれてるって分かっていても、ときめく胸を押さえられない。
この恋の行方どうなる!?
短編になります。