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「あ、君、僕のファンでしょ」
「へっ」
目の前で微笑む顔面国宝。彼は俺が推している「Gatto」というアイドルグループのリーダー、その名も蒼くんである。アイドルだけでなくモデルや俳優等マルチな才能を持ち合わせており、グループの中でも一番人気を得ている。そんな多才な彼でも一番の魅力は顔だと俺は思っている。現に、目の前の顔面が良すぎて俺はまともに見れない。
「男のファンは珍しいから覚えてたよ」
「こ、光栄です」
「そう。良かったら握手でもする?」
あ、手汗ヤバイんで……と軽く断ったが彼は勝手に俺の手を握ってきた。うっわ、近くに寄るとなんか花の香りするんですけど! やばい、ファ〇リーズでも服にかけておけば良かった。
「いつもここで働いてるの?」
こくりと頷く。ここと言うのは某ハンバーガーチェーン店だ。まさか国民的アイドル様とこんな場所で出会うとは誰も思わないだろう。
すると、彼は少し口を手で覆ってから黙り込んだ。そろそろ俺の心臓も持たないし後ろにお客様も居るし早くどっか行って欲しいんだが。
「あ、あの、お客様……?」
「ああごめん。じゃあまた来るよ」
そして、彼は優雅に去った。バーガー片手でも格好良く見えるなんて流石である。
でも、あわよくば俺の推しの旭くんに会いたかった。王子様系の顔面国宝、蒼くんも勿論良いけれど、俺としてはやはり可愛らしくて守ってあげたくなる旭くんが最推しである。あざといという意見もあるがあざといのがもう逆に可愛い。
「今度は旭くん連れて来てくれないかな……」
そんな事を呟いて、俺は再び接客に集中することにした。
◆◆◆
「リーダー、どうだった?」
「ああ、喜んでくれたよ」
少し前まで会話を交わした彼はそれはとても僕との出会いに喜んでいた。だって、僕のファンだから。
彼は毎回前列でも後列でも必ず僕のライブを見に来るかなり熱狂的なファンだ。正直、何故男が男のライブを見に来るのか全く理解が出来なかったが、いつの間にか彼の姿をライブの始まりに探すのが僕の定番となっていた。彼を見つけるのは他のファンより簡単だった。毎回コールも大きな声で完璧に覚えてきているし、僕の行動一つ一つにキャーキャーと低い声で歓声をあげる。面白い男だと少し気に入ってたが、彼は何故か握手会では一度も僕に顔を見せないのだ。きっと倍率が高い故に落ちているのだろう。可哀想に、優しい僕が特別に自分から握手をしてやろうと思い、調べたバーガー店で彼のいる時間に入店したが、予想通りカチコチに固まって喜んでいたな。思い出すだけで面白く自然と口角が緩む。
「うわ、リーダーニヤついてる。素直じゃないなぁ。いつもあの子にだけファンサ多いし」
「後追ってバイトの店が分かったかと思ったら、変装して一日中張り込んでシフト時間調べるとかストーカーかよ。キモすぎんだろ」
「てか、あの子って僕担じゃない?」
後ろの三人の声は全く彼の耳には入っていなかった。そしてまたリーダーが彼に会いに行くのは明日の話だ。
「へっ」
目の前で微笑む顔面国宝。彼は俺が推している「Gatto」というアイドルグループのリーダー、その名も蒼くんである。アイドルだけでなくモデルや俳優等マルチな才能を持ち合わせており、グループの中でも一番人気を得ている。そんな多才な彼でも一番の魅力は顔だと俺は思っている。現に、目の前の顔面が良すぎて俺はまともに見れない。
「男のファンは珍しいから覚えてたよ」
「こ、光栄です」
「そう。良かったら握手でもする?」
あ、手汗ヤバイんで……と軽く断ったが彼は勝手に俺の手を握ってきた。うっわ、近くに寄るとなんか花の香りするんですけど! やばい、ファ〇リーズでも服にかけておけば良かった。
「いつもここで働いてるの?」
こくりと頷く。ここと言うのは某ハンバーガーチェーン店だ。まさか国民的アイドル様とこんな場所で出会うとは誰も思わないだろう。
すると、彼は少し口を手で覆ってから黙り込んだ。そろそろ俺の心臓も持たないし後ろにお客様も居るし早くどっか行って欲しいんだが。
「あ、あの、お客様……?」
「ああごめん。じゃあまた来るよ」
そして、彼は優雅に去った。バーガー片手でも格好良く見えるなんて流石である。
でも、あわよくば俺の推しの旭くんに会いたかった。王子様系の顔面国宝、蒼くんも勿論良いけれど、俺としてはやはり可愛らしくて守ってあげたくなる旭くんが最推しである。あざといという意見もあるがあざといのがもう逆に可愛い。
「今度は旭くん連れて来てくれないかな……」
そんな事を呟いて、俺は再び接客に集中することにした。
◆◆◆
「リーダー、どうだった?」
「ああ、喜んでくれたよ」
少し前まで会話を交わした彼はそれはとても僕との出会いに喜んでいた。だって、僕のファンだから。
彼は毎回前列でも後列でも必ず僕のライブを見に来るかなり熱狂的なファンだ。正直、何故男が男のライブを見に来るのか全く理解が出来なかったが、いつの間にか彼の姿をライブの始まりに探すのが僕の定番となっていた。彼を見つけるのは他のファンより簡単だった。毎回コールも大きな声で完璧に覚えてきているし、僕の行動一つ一つにキャーキャーと低い声で歓声をあげる。面白い男だと少し気に入ってたが、彼は何故か握手会では一度も僕に顔を見せないのだ。きっと倍率が高い故に落ちているのだろう。可哀想に、優しい僕が特別に自分から握手をしてやろうと思い、調べたバーガー店で彼のいる時間に入店したが、予想通りカチコチに固まって喜んでいたな。思い出すだけで面白く自然と口角が緩む。
「うわ、リーダーニヤついてる。素直じゃないなぁ。いつもあの子にだけファンサ多いし」
「後追ってバイトの店が分かったかと思ったら、変装して一日中張り込んでシフト時間調べるとかストーカーかよ。キモすぎんだろ」
「てか、あの子って僕担じゃない?」
後ろの三人の声は全く彼の耳には入っていなかった。そしてまたリーダーが彼に会いに行くのは明日の話だ。
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