言葉がチートスキルになった世界で、僕だけが黙示録を書き換える破神構文。創造者と被造者の黙示録

みにぶた🐽

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読者と神の影

第4章【第三の道:冒険の旅路】

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 夕暮れが近づく中、僕たちは学院の中庭で最終的な話し合いを続けていた。
 空に浮かんだ五つの選択肢を見上げながら、それぞれの想いを語り合った結果、一つの結論に達していた。
「カイルの言う通りかもしれない」
 僕は親友を見つめて言った。
「僕たちが真実を知った今、新しい冒険が必要なのかもしれない」
 エリシアが微笑んだ。
「私も、アルカディア君の選択を支持します。愛を深めることは大切ですが、仲間と共に困難を乗り越えることで、さらに絆を深められるかもしれません」
 グランベル先生も頷いた。
「真実の探求も重要ですが、実際の体験を通じて学ぶことの方が多いでしょう。冒険こそが、最も多くの真実を教えてくれるものです」
 カイルが拳を握りしめた。
「みんな、ありがとう! 俺たちらしい道を選んでくれて」
 僕は空に向かって声を上げた。
「僕たちは【第三の道:冒険の旅路】を選びます!」

 その瞬間、空の文字が大きく光った。
『選択を確認しました。【冒険の旅路】を歩む意志を受け取りました』
『新たな脅威が、既にあなたたちを待っています。しかし、恐れることはありません』
『真の仲間であるあなたたちなら、必ず乗り越えられるでしょう』
 文字が消え、代わりに不思議な現象が起こった。
 中庭の中央に、巨大な魔法陣が浮かび上がったのだ。しかも、それは僕たちが知っている構文魔法とは明らかに異なる、より高次元の術式だった。
「これは……」
 グランベル先生が驚愕した。
「転移魔法陣ですが、この規模と複雑さは尋常ではありません」
 魔法陣の中央から、一人の人影が現れた。
 それは見覚えのある顔だった。しかし、以前とは明らかに様子が違っている。
「マルス・バトルフォード将軍!」
 カイルが驚いて声を上げた。
 現れたのは、ベリクス帝国軍の将軍だった。しかし、彼の表情は絶望に満ちており、鎧には深い傷跡が刻まれていた。
「アルカディア様……」
 マルス将軍が膝をついた。
「どうか、お助けください。リテラ王国が……いえ、この世界が、前例のない危機に直面しています」
 僕は慌てて将軍を支えた。
「何が起こったのですか? 詳しく教えてください」
 マルス将軍は震え声で説明を始めた。
「三日前、突然空に巨大な裂け目が現れました。そこから、この世界の文法とは全く異なる力を操る存在たちが現れたのです」
 エリシアが息を呑んだ。
「異世界からの侵入者ということですか?」
「それが……」
 将軍は困惑した表情を見せた。
「彼らは自分たちを『物語修正者』と名乗っています。そして、この世界の『矛盾』を正すために来たと主張しているのです」
 僕の血が凍った。
 物語修正者。その名前に、恐ろしい予感を覚えた。
「彼らは何をしているのですか?」
「世界各地で、人々の記憶や性格を『修正』しています。『物語的に不自然』だと判断したキャラクターを、強制的に『本来あるべき姿』に戻そうとしているのです」
 グランベル先生が厳しい表情になった。
「それは……我々の自由意志を否定する行為ではありませんか」
「その通りです」
 マルス将軍が頷いた。
「しかし、彼らの力は絶大です。構文魔法も、我々の軍事力も、全く通用しません。既に王都の半分が制圧され、多くの住民が『修正』されてしまいました」
 僕は理解し始めた。
 これは、僕たちが真実を知り、自由意志を獲得したことへの反動なのかもしれない。
「将軍、他の世界の状況はどうですか?」
「ベリクス帝国、ヴェルダ連合、グラニア公国、桜咲学園、星間連邦、魔法の森……全ての世界で同時に攻撃が始まっています。物語修正者たちは、『統合創造者の影響で歪んだ世界』を元に戻そうとしているようです」
 カイルが剣の柄を握った。
「つまり、俺たちが成長したことが気に入らないってことか」
「そういうことになります」
 将軍が悲しそうに言った。
「彼らは言いました。『キャラクターは設定通りに動くべきだ。感情の発達や関係性の変化は物語の破綻である』と」
 僕は怒りを感じた。
 僕たちが築いてきた絆も、成長も、愛も、全て『間違い』だと言うのか。
「将軍、僕たちは戦います」
 僕は決意を込めて言った。
「僕たちの意志で選んだ道です。誰にも否定させません」
 エリシアが僕の手を握った。
「私たちの感情は本物です。それを『修正』されるなんて、絶対に許せません」
 グランベル先生が杖を握りしめた。
「知識や経験によって変化することは、生きている証拠です。それを否定する者たちと戦いましょう」
 カイルが剣を抜いた。
「待ってました! 久しぶりの本格的な冒険だ!」
 マルス将軍の目に希望の光が戻った。
「ありがとうございます……しかし、物語修正者たちは三つの軍団に分かれて行動しています」
 将軍は空中に光で地図を描いた。
「第一軍団『設定回帰部隊』は王都を制圧し、住民の記憶を書き換えています」
「第二軍団『関係性修正部隊』は各地を巡回し、キャラクター間の関係を『本来の形』に戻そうとしています」
「第三軍団『物語構造再編部隊』は世界の根幹システムを変更し、『正しい物語』に作り替えようとしています」
 僕は考えた。三つの脅威に同時に対処するのは困難だ。
「作戦を立てましょう」
 僕は仲間たちを見回した。
「まず、どの軍団から対処すべきか決める必要があります」
 グランベル先生が提案した。
「第三軍団が最も危険でしょう。世界の根幹を変えられれば、我々の存在そのものが消される可能性があります」
 しかし、エリシアが心配そうに言った。
「でも、第一軍団の被害が深刻です。住民たちの記憶が失われ続けています」
 カイルは第二軍団に注目していた。
「第二軍団を放置すれば、俺たちの関係も『修正』されるかもしれない。それは絶対に阻止したい」
 僕は深く考え込んだ。
 そして、ある閃きを得た。
「みんな、分担しませんか?」
「分担?」
 カイルが眉をひそめた。
「一人ずつ別々の軍団に向かうということですか? それは危険すぎます」
「いえ、そうではありません」
 僕は説明した。
「僕たちはそれぞれ得意分野が違います。その特性を活かして、効率的に対処するのです」
 僕は指を折りながら続けた。
「カイルは戦闘に長けているので、第一軍団の武力制圧を担当する」
「エリシアは人の心を理解する能力に優れているので、第二軍団の関係性問題を解決する」
「グランベル先生は世界の仕組みに詳しいので、第三軍団の構造改変を阻止する」
「そして僕は……全体の調整と、必要に応じて各所をサポートする」
 しかし、エリシアが不安そうに言った。
「でも、離れ離れになるのは心配です」
 その時、僕は素晴らしいアイデアを思いついた。
「構文魔法で通信網を作りましょう」
 僕は新しい呪文を構築し始めた。
「『心と心、言葉で繋がれ』『距離を超えて、想いを届けよ』『真の絆は、空間を無視す』」
 四人の間に光の糸が現れ、互いの心を結んだ。
「これで、どこにいても会話ができます」
 僕は仲間たちに微笑みかけた。
「そして、本当に危険な時は、すぐに駆けつけられる転移魔法も準備しておきます」
 カイルが納得した様子で頷いた。
「なるほど、それなら安心だ」
 グランベル先生も賛成した。
「効率的で、リスクも最小限に抑えられる良い作戦です」
 エリシアが決意を込めて言った。
「分かりました。みんなでこの危機を乗り越えましょう」
 マルス将軍が深々と頭を下げた。
「本当にありがとうございます。希望が見えてきました」
 僕たちは準備を整え、それぞれの戦場に向かう準備をした。
 しかし、出発の直前、空から再び文字が現れた。
『あなたたちの選択と勇気を、誇りに思います』
『この冒険で、さらに深い絆を築いてください』
『物語修正者たちは手強い敵ですが、あなたたちの心の強さが必ず勝利をもたらすでしょう』
 僕は空に向かって答えた。
「ありがとうございます。僕たちは自分たちの物語を守り抜きます」
 四人は手を重ねた。
「行こう」
 僕が言うと、みんなが頷いた。
「俺たちの冒険を始めよう」
 カイルが意気込んだ。
「愛と絆を守るために」
 エリシアが決意を込めて言った。
「知識と知恵の力で」
 グランベル先生が杖を構えた。
 転移魔法陣が再び光り、僕たちはそれぞれの戦場へと向かった。
 新たな冒険が、今始まろうとしていた。
 しかし、これは単なる戦いではない。
 僕たちの自由意志、成長の権利、そして真実の愛を賭けた戦いなのだ。
 物語修正者たちがどれほど強力でも、僕たちには負けられない理由がある。
 僕たちは、もう単なるキャラクターではない。
 意志を持ち、愛し合い、共に成長する存在なのだから。
 転移の光に包まれながら、僕は確信していた。
 この冒険の先に、きっと新しい未来が待っている。
 僕たち四人と、僕たちを見守ってくださる真の創造者と共に創る未来が。
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