婚姻=スキル共有!? ハズレと追放された俺に、美少女女王とイケメン魔王が嫁婿に来て土下座してきたんだが。俺の隠しスキルはガチャ確操作だった

みにぶた🐽

文字の大きさ
5 / 72
第1章2話「世界に響く激震」

「世界に響く激震」 ①

しおりを挟む
 聖ルーナ街の評議会議事堂には、重苦しい緊張が満ちていた。エリシア女皇と魔王エドリアンという二人の伝説的な存在を前に、居並ぶ人々は皆硬い表情を崩さない。

 部屋の正面には、この街の筆頭評議員であるシリル・リーヴァスが立っていた。初老の男性で、鋭い眼光が特徴だ。その隣には聖教会の高位聖職者、バルド大司教とエリザヴェータ副司教が並ぶ。二人とも威厳に満ちた佇まいで、しかしどこか緊張した面持ちだった。騎士団長のラインハルトと古代史研究者のセバスティアン博士も立ち会っており、セバスティアン博士の傍らでは助手のフィーナが緊張した面持ちで成り行きを見守っている。部屋の空気は張り詰めていた。

「状況は理解しました」

 シリル・リーヴァス筆頭評議員が静かに口を開いた。その声には抑えた震えが感じられる。

「まさか本当に女皇陛下と魔王陛下が、このような形で現れるとは……信じ難い事態です」

 シリル筆頭評議員の言葉に、周囲の役人たちもうなずく。エリシア女皇とエドリアン魔王は、俺の両側に立ったまま静かに様子を見守っていた。エリシア女皇は毅然と背筋を伸ばし、エドリアン魔王は不敵な微笑を浮かべている。

「ご紹介が遅れましたが……こちらがエリシア・オルテンシア女皇陛下。そしてこちらがエドリアン・ベルンハルト魔王陛下です」

 ラインハルト団長が改めて場に紹介する。部屋の人々がざわめき、小さく驚嘆の声を漏らした。

 だが当の二人は落ち着いたものだった。エリシア女皇はシリル評議員に向き直り、毅然とした声で言う。

「初めまして。私はエリシア・オルテンシア。エリシア帝国の女皇です。今回の件、私自身も大いに驚いておりますが……この青年との婚姻契約による召喚であることは事実です」

 エドリアン魔王も続けて一礼した。

「私も自己紹介を。私はエドリアン・ベルンハルト。冥界の王、いわゆる魔王だ。今回、彼との契約によってここに召喚された」

 二人の堂々たる挨拶に、部屋の誰もが息を呑んだ。目の前に伝説の存在が二人もいるのだから、無理もない。

「信じられん……本当に女皇陛下と魔王様が……」

 バルド大司教が感極まったように呟いた。白髪混じりの壮年の司教は、震える手で胸の聖印を握りしめている。

「これは神々の御業なのか……それとも何かの試練か……」

 エリザヴェータ副司教も神妙な面持ちで頷く。

「教会の記録にも、このような事例はありません……。まさしく世界の理を揺るがす出来事ですわ」

 宗教的な立場から二人が戸惑いを見せるのも無理はない。俺自身、目の前の事態についていけてないのだから。

「筆頭評議員殿」

 ラインハルト団長が進み出て、シリルに問いかける。

「今後の対応について、ご指示を仰ぎたい。我々騎士団としても、女皇陛下と魔王陛下の安全を確保するとともに、この街と王国への影響を最小限に留めねばなりません」

 シリル評議員は深く頷いた。

「その通りです。まず女皇陛下と魔王陛下、お二方のご意向を伺いましょう。この予期せぬ婚姻契約と召喚について、何かお気づきの点や我々に伝えるべきことはありますか?」

 エリシア女皇とエドリアン魔王が視線を交わす。エリシア女皇が一歩前に出て口を開いた。

「率直に申し上げて、私自身も完全には状況を把握しきれておりません。元の世界――エリシア帝国では、私は王宮で政務を執っていたところ、突然こちらの世界に召喚されました。最初は敵国の陰謀かとも思いましたが……目の前にいる彼、隼人さんが契約者だと直感で分かりました」

 そう言って女皇はちらりと俺を見る。俺は思わず姿勢を正した。

「私も同様だ」

 エドリアン魔王が続いた。

「私は冥界の城で配下と共にいたが、突然召喚魔法陣が出現し、ここに呼ばれた。契約の存在はすぐに感じ取れたよ。この青年が我が契約者だとね」

 周囲が再びざわめいた。女皇と魔王、それぞれの世界から同時に召喚したなど、古今東西聞いたことがない。

「本来、婚姻ガチャは運命の配偶者を一人だけ召喚する魔法のはずですが……」

 セバスティアン博士が震え声で呟く。

「二人同時になど、古代の記録にも一切ありません……」

 シリル評議員は静かに考え込むように目を閉じ、それから厳かな声で宣言した。

「女皇陛下、魔王陛下。そして隼人殿。我々はこの事態を極めて重大なものと受け止めています。王国にとっても世界にとっても、前例のない歴史的大事件です。今後のことは慎重に協議せねばなりません」

 彼がそう言い終えると、場の空気はさらに引き締まった。俺は思わず息を呑む。

 その時、フィーナが小さく震える声で呟いた。

「隼人さん……やっぱりあなたは世界の命運を左右する存在なのかもしれません……」

 彼女の言葉が俺の胸に深く響く。世界の命運を左右する存在……そんな大それたことを俺がするなんて、信じられない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆ 【あらすじ】 どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。 神様は言った。 「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」 現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。 神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。 それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。 あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。 そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。 そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。 ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。 この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。 さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。 そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。 チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。 しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。 もちろん、攻略スキルを使って。 もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。 下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。 これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る

夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!

処理中です...