とある空中大陸の領主サマーチートは側近の人達でしたー

猫々 ねねこ

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◆本編◆

episode.006 偽装された影にある“聖女”

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一方ククル達が作戦を考えている頃、“商人交易都市”にて二つの動きを見せていた。

丁度、ククル達が拠点へと戻って少し経ってからの出来事である。


“商人ギルド”の拠点でもある屋敷の執務室にて、金色の髪色にフワッとした腰ぐらいの長さのハーフツインテールに、少しツリ目のパッチリ目をした海色の瞳をした少女がイライラしたような表情をしていた。


「……なんで、反乱分子が生き残っているのよ」

「マレーネちゃん……」

「アンタが、もっとマシな動きをしないから反乱が起きるのよ!?どうしてくれるのっ、ロイド!」

「ご、ごめん」


マレーネに土下座しているのは、“現ギルドマスター、ロイド”でもある茶色の髪色に少し長めのショートで、少しタレ目のツリ目をした琥珀色の瞳をした青年である。


「こんなに早く反乱が起きるなんて、思わなかったんだっ」

「どうにかしないと、ギルドマスターでは居られなくなるわよ」

「う、うん……わ、わかってるよっ」


マレーネは机に置かれている書類を見つめては、苦虫をつぶしたかのよう表情をしていた。
その書類に書かれていていたのは、“本物の聖女”という内容である。


(どうにかしないと、どの道を行っても私の命が危ないじゃないっ……なんでよっ!上手くいってたのに、いきなり何なのよっ!)


書類には他にも重要な内容が書かれていて、其処には神皇国軍が迫っているという内容だ。
元々、この“商人交易都市”は“前ギルドマスター”と神皇国の皇太子による結託した都市でもある。

“前ギルドマスター”のリコールに、“商人交易都市”の現状を知った皇太子が処罰を与えるために此処へと向かっているというのだ。
さすがのマレーネでも、神皇国との争いをするのは不利益過ぎると考えている。


(皇太子が来る前に、どうにかするしかないわっ)

「ロイドっ、明日には“前ギルドマスター”を処分するのよ」

「えっ!?ガレスさん、殺すのっ!?流石に、それは不味いって!」

「事故か暗殺か、それぐらい出来るでしょっ!?ほらっ、準備をして!!」

「あ、う、うんっ!」


マレーネは、皇太子達が来る前に“前ギルドマスター、ガレス”を先に始末して事故又は暗殺された事にしてしまおうと考えたようだ。


その頃、都市内部では別の動きを見せていた。


それは、“レジスタンス”謂わば“反乱分子”とも言える存在だ。
小さな飲食店の地下にて、その動きを見せていた。

沢山の人々の中心には、濃いめの水色の髪色にロングストレートで緩く三つ編みをしていて、パッチリ目をした海色の瞳をした少女が立っていて指示をしていた。


「いい?ガレスさんを助けるには、これが一番の行動だと思うの」

「リィフルさん、やるんだね?」

「当たり前だよ、このまま“偽物”に任せていた此処はスラム区間として周りから見放されて、生活が出来なくなり皆が死んでいくだけ……だったら、行動を起こすのが一番って事」


リィフルはテーブルに置かれた屋敷の地図を広げては、その千津を軽く睨んでから鞄から取り出した“数種類の魔導具”をテーブルに並べる。


「夜中のうちに、この魔導具を屋敷の四方八方に設置する!んで、頃合いを見てから発動させるの」

「この魔導具は?」

「小さな爆発もどきが、起こされるように設定されているから使い方を間違えたりしなければ相手側を錯乱させるために使えるわ」

「おおっ!じゃあ、この爆発で誘導させている間にガレスさんを救出って訳だなっ!」

「何事も、トラブルが起きなければ大丈夫……きっと、成功するはずっ」


リィフルは多少なりと、後悔の念があるからこそ必ずガレスを救出しなければいけない。

もっと早くに、自分が“聖女”というのを口外しておけば“偽物”が出てくる事は無かったんじゃないかという思いだ。


(意地でも、成功させないと……ガレスさんは、私が聖女なのは知っているけど……周りが知らないから、ガレスさんは何も言えなかった……)

「カナタさんに、怒られちゃうよ……こんな事になって……」


二つの思惑が動いている中で、ククル達は真夜中の屋敷へと到着する。

微かに人の気配がしているのか、レーヴェはククル達に裏口の近くに待機させてから正面へと向かう事にした。


「なんや、人の気配が疎らにあるやんか……主達は、先に裏口の近くに居ってや」

「うん、わかった……レーヴェ、気を付けてね?」

「なんや、主?心配してくれるん?」

「まぁ、そりゃあ仲間だし?」


レーヴェは嬉しそうな笑みを浮かべながらも、ククルへと抱きつこうとしたがヴェニタスがレーヴェの頭を優しく押さえている。


「なんや、チビッ子旦那」

「うるせぇ、チビッ子って言うなっ!ってか、さっさと行けや!クソレーヴェ!」


レーヴェは笑いながらも、その場を音も無く消え去ると同時に正面の方が騒がしくなってくる。


「始まったみたいだねっ、ヴェニタス!戦闘に関しては頼りにしてるからね!?」

「おん、任せてや!マスターのために、俺は戦うで?」 


ククル達が裏口から屋敷へと入ると、その光景を見ていた青黒い髪色に左アシメの少し長めのショートに、銀色の眼鏡を掛けていて少し細目にややツリ目をした海色のような瞳をしている青年がいる事に、ククル達は気付いていない。


「ふふっ、来ちゃぁ~……待っていたよ、ククルちゃん♪」





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