とある空中大陸の領主サマーチートは側近の人達でしたー

猫々 ねねこ

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◆本編◆

episode.012 託された願いを

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館の地下へと通じる道を進むククル達は、地下の異様な匂いに嫌悪を感じていた。

シュヴァルツは、この異様な匂いの正体を知っているからこそ余計に嫌悪を感じて眉間に皺が寄っている。


「あんさん、この先には匂いの元凶が沢山あると思うで?それでも、そのお兄さん都やらを助けるん?」

「ミュウちゃんと、約束したんだから助けるよ」

「おん、わかったで」


ククル達が地下牢屋の区間に入り、中を歩いていると腐敗した遺体や魔物の亡骸などが落ちていて、どうやら異臭の原因は放置された衛生の問題だったようだ。

そして、所々の壁の破損も床の破損なども放置されている。
いつ、崩落が起きても可笑しくない現状とも言える。


「シュヴァルツさん、この辺で戦闘とかしたら崩れそうだよね」

「そうだなー、確実に下とかは別の地下へと落とされそうだな」

「だよね~……、ちょっと嫌な予感がしてさー」

「おん、あんさんも感じたん?」


ククルとシュヴァルツが立ち止まると、大きいな黒い獣が姿を顕せていてククルは獣を見ては嫌そうな表情をしていた。


『グルルルルッ』

「あー、なんか懐かしい……“ベヒモス”じゃんか」


シュヴァルツは大剣を構えて、自身の後ろへとククルを避難させてから目の前にいる大きな黒い獣“ベヒモス”へと身構える。


(ヴェニタスの奴に、マスターを戦わせるなって言われておるんや……“防衛”なら得意やけど、前衛ってのは苦手だ………だが、一人で戦うで)

「あんさんは、安全な所に居ってな?怪我をされちゃうと、ヴェニタスが煩いからな」

「え?あ、うん?」


ククルはシュヴァルツに言われて少し後ろへと下がると同時に、大きな黒い獣“ベヒモス”がシュヴァルツへと左前足を上げながら襲いかかる。

だが、シュヴァルツは炎を纏った大剣で軽く薙ぎ払えば大きな黒い獣“ベヒモス”は怯む。


「あんさんは、先に奥の牢屋区間に向かってくれ!そっちに、“生きている 気配”がしておるんや!」

「っ!?わ、わかった!」

「俺なら平気や、これぐらい“防衛”してみるさかい!」


ククルが奥の牢屋区間へと走っていくと同時に、“ベヒモス”とシュヴァルツが戦いを再開させる。


「おい、にゃんこぉ?此所は、一歩も進ませたりせーへんで」

『グルルルルッ』







ククルは奥の牢屋区間へと走っていると、確かに何かと戦っているのか金属音などがしてくる。


(お願いだから、生きていてね……!ミュウのお兄さんっ!!)


ククルは金属音などがしている場所へと急げば、其処にはヒドラのようなヒドラを進化させたような存在と戦っていると思われる人影が見えてくる。

戦っているのは、水灰色の髪色に前髪が長めでハネっ毛のあるセミショートに、ツリ目にオレンジ色の瞳をしていて鼻の上に古傷の痕がある青年である。


「くそっ………、毒が……」

(此処で倒れたら、ミュウは………大事な妹が、ガロンヌの玩具にされちまうっ)

「此処で、倒れるわけには……いかない、んだっ」

【命の聖歌よ、彼の者に癒しの加護を与えよ】


淡い光が青年を包むと、青年は自分の傷や毒の状態異常が消えているのと体力が戻っている事に驚いて、声がした方を見れば鍵杖を持っているククルを見つける。


「アンタは……」

「ミュウちゃんな頼まれて、お兄さんを助けに来た“ただの旅人”だよ」

「ミュウがっ?」

「冒険者ギルドに、何度も頼みに行っていたんだけど………皆は、ガロンヌ公爵に関わりたくないが為にミュウちゃんの助けを求める声を無視していてね」

「………そうか」

「動けるなら、あの“ヒュルドラ”を倒すよ!」

「おうっ!後援を任せても、大丈夫か??」

「ん、大丈夫!……念のため、“一人”呼んであるから……いざとなれば、アイツなら上手くフォローしてくれる筈っ!」


ククルは鞄の中を漁れば、ノルン特製の“氷系爆弾”の管状のモノを取り出すと“ヒュルドラ”への足下と尻尾に投げつける。

そうすると、管状の蓋が開き一気に“ヒュルドラ”を凍らせていく。


「今、叩けば割れて倒せる!」

「おう、わかったっ!!」


青年は“ヒュルドラ”へと向かっていき、持っていた剣で叩き割るかのように切りつければ纏わせていた氷にヒビが入り、“ヒュルドラ”と共に砕けては消えていく。


「よしっ、倒せたっ……」

「あんまり、のんびりはしていられないよ?他にも、魔物の気配がしてるから急いでシュヴァルツさんと合流して地上に出ないとっ」

「そ、そうだなっ!」

「ま、待て!!この不法侵入者めっ!」

「っ!?」


奥の扉から機械の物音がして、その扉が開かれるとエレベーターだったらしくガロンヌと数名の憲兵が出てくる。


「よ、余計な事をしてくれたなっ!この小娘めっ!!ぼくちんの玩具をっ!!」

「うっさいわ、馬鹿」

「キィーッ!!舐め腐ってって!!!そんな、小娘には“コイツ”が相手だっ!!ぼくちんの“お気に入り”の玩具だっ!!」


ガロンヌが壁にあるレバーを引けば、其処から出てきたのは人なのか魔物なのか“表現しにくい存在”が現れた。


「っ………あれ、は…」

「お兄さん?」

「う、嘘だ………っ」

【ゼ、ク、ト】

「っ………母さん、親父っ………!!」





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