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第七話 転校生
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「セアリース=ルイエよ。
よろしく」
そうエルフの少女はそっけなく自己紹介すると、こちらを見ている。
「ルイエくんはエルフの友好親善大使としてきている。
まあ、ユーヤと同じだ。
ルイエくんあの空いてる一番後ろの席に」
先生に言われてルイエは姿勢よく歩きオレの隣に座る。
「ユーヤ、後で話があるから......
学校終わり校舎裏で待ってなさい......
いえ待ってて......」
そういった。
(なんだ何の話だ......
分け前か、いや違うな)
授業終わり、ルイエは先生に呼ばれ教室をでていった。
「まさか、転校生だとはな」
「そうだね。
ユーヤとなにか話してたみたいだけど分け前の話?」
「いや......」
(いわない方がいいか......)
「まあ、ユーヤに気があるから来たなんてことはないよな」
「ううん、それはありえないよ」
そう言いあって二人は爆笑した。
「そんなことはわからんだろうが!
あのこ、最初にあった時からオレの名前も知ってたんだぞ!」
オレが腹立ちまぎれにいう。
「ないない! もしそんなことがあったら俺の尻尾をやるよ」
ザインはホレホレと尻尾をフリフリした。
「うんうん、ボクの弓もあげるよ」
「いいやがったな! 絶対だからな!」
オレがいうと二人はまた爆笑した。
(こいつら覚えていろ!)
全ての授業が終わる。
「じゃあ一緒にきてくれるかしら」
そうルイエに言われたオレは、ザインとリビィの方を見て驚いている二人に笑顔で手を振った。
そしてルイエの少し斜め後ろをついていく。
(しかし、いったい何の話だ......
まさか本当に告白なのか......)
人形のようにきれいな陰のあるその顔を後ろから見ながらオレは思った。
校舎裏までくると、彼女は振り返っていった。
「ユーヤ......実は」
(これは......)
「私の姉を助けてほしいの」
「ん!? 姉......」
オレは突然の言葉に戸惑った。
「ど、どういうことだ?」
「実は......私の姉が病に苦しんでいるの。
あなたの世界ならその病を直せるかもしれない......」
話を聞くと奇病に侵されたルイエの姉は回復魔法や薬草の類いもあまり効果がなく、ほとほと困っていた所、異世界から来たオレの話を伝え聞いたらしい。
(それでオレに会いに来たってことか......
なるほどオレの名前を知ってるのは調べたのか)
ルイエは哀しそうに目を伏せている。
(しょうがない......)
「一応、向こうに連絡をとってみるよ......
君には命を二度も救われたからね」
「ありがとうユーヤ!」
そうルイエは目を輝かせて言った。
オレが寮に戻り部屋にはいると、リビィとザインが正座していた。
そしておもむろに切った尻尾と弓を差し出した。
「いや......あの」
オレはルイエとの話を説明をした。
「えっ! 違うのやった!」
リビィは弓にほほをスリスリしている。
「えっ、えっ...... 俺の尻尾......
どうすんのこれぇ......」
ザインは尻尾を抱え呆然としている。
「なるほどな。
それであのこ、お前のことを知ってたのか」
「ずっと調べてたんだね。
でどうすんのユーヤ?」
「とりあえず、親父に連絡だ。
どう対応するかはわからんけどな......」
オレがメールで状況を説明すると、夜返信があった。
『理解したが、他の種族のデータはあるがエルフの生体データはない。
姉は無理でもルイエというその子のデータが欲しい。
とりあえず、症状を聞き血液サンプルを取れ注射器を送る。
医療スタッフをそちらに送れない為、マニュアルを送るから医者がいないならお前が血液を取れ。 以上』
「なに!?」
「どうした?」
「オレに調べるから血を取れって......
リビィ、こっちに医者はいないのか?」
「いないよ。
回復術士だけさ。
ほとんど魔法や薬でしか病気に対応してないから......
きられた部位や傷を縫合する程度はあるけど」
「つまりオレがやるしかないのか......」
オレは不安に襲われていた。
よろしく」
そうエルフの少女はそっけなく自己紹介すると、こちらを見ている。
「ルイエくんはエルフの友好親善大使としてきている。
まあ、ユーヤと同じだ。
ルイエくんあの空いてる一番後ろの席に」
先生に言われてルイエは姿勢よく歩きオレの隣に座る。
「ユーヤ、後で話があるから......
学校終わり校舎裏で待ってなさい......
いえ待ってて......」
そういった。
(なんだ何の話だ......
分け前か、いや違うな)
授業終わり、ルイエは先生に呼ばれ教室をでていった。
「まさか、転校生だとはな」
「そうだね。
ユーヤとなにか話してたみたいだけど分け前の話?」
「いや......」
(いわない方がいいか......)
「まあ、ユーヤに気があるから来たなんてことはないよな」
「ううん、それはありえないよ」
そう言いあって二人は爆笑した。
「そんなことはわからんだろうが!
あのこ、最初にあった時からオレの名前も知ってたんだぞ!」
オレが腹立ちまぎれにいう。
「ないない! もしそんなことがあったら俺の尻尾をやるよ」
ザインはホレホレと尻尾をフリフリした。
「うんうん、ボクの弓もあげるよ」
「いいやがったな! 絶対だからな!」
オレがいうと二人はまた爆笑した。
(こいつら覚えていろ!)
全ての授業が終わる。
「じゃあ一緒にきてくれるかしら」
そうルイエに言われたオレは、ザインとリビィの方を見て驚いている二人に笑顔で手を振った。
そしてルイエの少し斜め後ろをついていく。
(しかし、いったい何の話だ......
まさか本当に告白なのか......)
人形のようにきれいな陰のあるその顔を後ろから見ながらオレは思った。
校舎裏までくると、彼女は振り返っていった。
「ユーヤ......実は」
(これは......)
「私の姉を助けてほしいの」
「ん!? 姉......」
オレは突然の言葉に戸惑った。
「ど、どういうことだ?」
「実は......私の姉が病に苦しんでいるの。
あなたの世界ならその病を直せるかもしれない......」
話を聞くと奇病に侵されたルイエの姉は回復魔法や薬草の類いもあまり効果がなく、ほとほと困っていた所、異世界から来たオレの話を伝え聞いたらしい。
(それでオレに会いに来たってことか......
なるほどオレの名前を知ってるのは調べたのか)
ルイエは哀しそうに目を伏せている。
(しょうがない......)
「一応、向こうに連絡をとってみるよ......
君には命を二度も救われたからね」
「ありがとうユーヤ!」
そうルイエは目を輝かせて言った。
オレが寮に戻り部屋にはいると、リビィとザインが正座していた。
そしておもむろに切った尻尾と弓を差し出した。
「いや......あの」
オレはルイエとの話を説明をした。
「えっ! 違うのやった!」
リビィは弓にほほをスリスリしている。
「えっ、えっ...... 俺の尻尾......
どうすんのこれぇ......」
ザインは尻尾を抱え呆然としている。
「なるほどな。
それであのこ、お前のことを知ってたのか」
「ずっと調べてたんだね。
でどうすんのユーヤ?」
「とりあえず、親父に連絡だ。
どう対応するかはわからんけどな......」
オレがメールで状況を説明すると、夜返信があった。
『理解したが、他の種族のデータはあるがエルフの生体データはない。
姉は無理でもルイエというその子のデータが欲しい。
とりあえず、症状を聞き血液サンプルを取れ注射器を送る。
医療スタッフをそちらに送れない為、マニュアルを送るから医者がいないならお前が血液を取れ。 以上』
「なに!?」
「どうした?」
「オレに調べるから血を取れって......
リビィ、こっちに医者はいないのか?」
「いないよ。
回復術士だけさ。
ほとんど魔法や薬でしか病気に対応してないから......
きられた部位や傷を縫合する程度はあるけど」
「つまりオレがやるしかないのか......」
オレは不安に襲われていた。
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