44 / 75
第四十四話
しおりを挟む
「......なるほど、モンスターと同時に刺客ですか」
リューゲリオンさんは考えている。 俺たちは近くの定食屋にいた。
「おそらくは刺客の魔力を隠すために、放たれたとみて間違いないでしょう」
「アディエルエはそんな危険な状況なんですか?」
俺はアステリオンさんに抱きつかれてるアディエルエの方をみた。
「わかりませんが、世界各地で強いモンスターが暴れているなどの報告はあがっており、セレンティナが駆除を各魔将と配下の魔族や冒険者ギルドに依頼しています」
「......それは私も聞いていましたが、アディエルエさまが襲われるなど、向こうでもなかったことで......」
ヴァライアはそう真剣な面持ちで語る。
「......そうですね。 しかし世界がひとつになったことで動き出すものたちがいたのかもしれない」
リューゲリオンさんもそう考えて答えた。
「ぷはー、ふむ、それはこまったわねー」
アステリオンさんは注文した特大ビールジョッキをのみながら答え、ドンと机にジョッキをおいた。
「マモルちょっといいかしら」
そう赤ら顔でアステリオンさんがいった。
「えっ? 俺がアステリオンさんと戦う?」
俺たちは町からはなれたなにもない場所まできていた。
「マモル君にはこれからアディエルエを守ってもらいたいの。 だからその力をみておくわ」
「いや、俺は別に護衛じゃ......」
「でも、近くにいれば君も巻き込まれるわよ」
(よく考えたら、俺はなんでアディエルエのそばにいるんだ? 考えたこともなかったな)
「じゃあいくわよ!」
アステリオンさんは地面を蹴ると、一瞬で間合いに近づいた。
「は、はやっ......」
なんとか拳を防ごうとするも、ガードした腕を弾かれなぐり飛ばされる。
「ぐはっ!!」
(なんだ!? 魔力は俺より少ないのに! この威力!!)
「ダメねぇ、魔力の多さは強さじゃないのよ。 魔力をどう使うかなの」
俺は猛攻を何とかしのぐ。
「ヴァライアちゃんやセレンティナと稽古したのでしょう! 魔力の使い方をよく思い出しなさいな!」
(稽古...... 魔力の使い方、確か常に放出せず、必要なとき必要な量を正確に...... そうか)
俺はガードする瞬間だけに魔力を集めた。 何度も失敗しなぐり飛ばされるが、何とか弾くことはできはじめる。
「そう! 魔力を全部放出するんじゃなくて、必要な場所に的確に集める! それを流動的に攻防に転じるの」
(そう簡単にいっても相手の動きをみながら、魔力をコントロールして攻撃、防御に転換するのはムズい!)
幾度も吹き飛ばされながら、徐々に攻防を上手く行い、何とか殴り飛ばされずにすむようになる。
「おっけーよ」
「はぁ、はぁ、くあっ!」
俺は疲れはて汗だくでその場に倒れた。
「かなり魔力の移動をスムーズに行えるようになったわ」
アステリオンさんはそう汗もかかずに涼しげな顔でそういった。
「......驚いたな。 この短時間で攻防移動をマスターするとは......」
リューゲリオンさんはそういって意外そうに俺をみている。
「マモル、まあまあ...... 強い」
アディエルエは胸を張り勝手にそういった。
「これなら、アディのそばで平気ね。 じゃあ私これからこっちのお酒のコンプリートするんで、リューちゃん、この子達のことよろしくー」
ご機嫌でアステリオンさんは歩いていく。
「まったく、アステリオンさまは勝手なことを...... ふぅ、三人とも取りあえず城まで私が送ります。 のりなさい」
「えっ? のる」
リューゲリオンさんはその場で光輝くと、その姿を大きな緑の竜へと変じた。
「ドラゴン!?」
「うん...... リューゲリオンはドラゴニュート、竜人......」
アディエルエはそそくさとリューゲリオンさんの背中にのった。
「我らもいくぞ」
「あ、ああ」
俺たちはリューゲリオンさんにのり、城までとんだ。
リューゲリオンさんは考えている。 俺たちは近くの定食屋にいた。
「おそらくは刺客の魔力を隠すために、放たれたとみて間違いないでしょう」
「アディエルエはそんな危険な状況なんですか?」
俺はアステリオンさんに抱きつかれてるアディエルエの方をみた。
「わかりませんが、世界各地で強いモンスターが暴れているなどの報告はあがっており、セレンティナが駆除を各魔将と配下の魔族や冒険者ギルドに依頼しています」
「......それは私も聞いていましたが、アディエルエさまが襲われるなど、向こうでもなかったことで......」
ヴァライアはそう真剣な面持ちで語る。
「......そうですね。 しかし世界がひとつになったことで動き出すものたちがいたのかもしれない」
リューゲリオンさんもそう考えて答えた。
「ぷはー、ふむ、それはこまったわねー」
アステリオンさんは注文した特大ビールジョッキをのみながら答え、ドンと机にジョッキをおいた。
「マモルちょっといいかしら」
そう赤ら顔でアステリオンさんがいった。
「えっ? 俺がアステリオンさんと戦う?」
俺たちは町からはなれたなにもない場所まできていた。
「マモル君にはこれからアディエルエを守ってもらいたいの。 だからその力をみておくわ」
「いや、俺は別に護衛じゃ......」
「でも、近くにいれば君も巻き込まれるわよ」
(よく考えたら、俺はなんでアディエルエのそばにいるんだ? 考えたこともなかったな)
「じゃあいくわよ!」
アステリオンさんは地面を蹴ると、一瞬で間合いに近づいた。
「は、はやっ......」
なんとか拳を防ごうとするも、ガードした腕を弾かれなぐり飛ばされる。
「ぐはっ!!」
(なんだ!? 魔力は俺より少ないのに! この威力!!)
「ダメねぇ、魔力の多さは強さじゃないのよ。 魔力をどう使うかなの」
俺は猛攻を何とかしのぐ。
「ヴァライアちゃんやセレンティナと稽古したのでしょう! 魔力の使い方をよく思い出しなさいな!」
(稽古...... 魔力の使い方、確か常に放出せず、必要なとき必要な量を正確に...... そうか)
俺はガードする瞬間だけに魔力を集めた。 何度も失敗しなぐり飛ばされるが、何とか弾くことはできはじめる。
「そう! 魔力を全部放出するんじゃなくて、必要な場所に的確に集める! それを流動的に攻防に転じるの」
(そう簡単にいっても相手の動きをみながら、魔力をコントロールして攻撃、防御に転換するのはムズい!)
幾度も吹き飛ばされながら、徐々に攻防を上手く行い、何とか殴り飛ばされずにすむようになる。
「おっけーよ」
「はぁ、はぁ、くあっ!」
俺は疲れはて汗だくでその場に倒れた。
「かなり魔力の移動をスムーズに行えるようになったわ」
アステリオンさんはそう汗もかかずに涼しげな顔でそういった。
「......驚いたな。 この短時間で攻防移動をマスターするとは......」
リューゲリオンさんはそういって意外そうに俺をみている。
「マモル、まあまあ...... 強い」
アディエルエは胸を張り勝手にそういった。
「これなら、アディのそばで平気ね。 じゃあ私これからこっちのお酒のコンプリートするんで、リューちゃん、この子達のことよろしくー」
ご機嫌でアステリオンさんは歩いていく。
「まったく、アステリオンさまは勝手なことを...... ふぅ、三人とも取りあえず城まで私が送ります。 のりなさい」
「えっ? のる」
リューゲリオンさんはその場で光輝くと、その姿を大きな緑の竜へと変じた。
「ドラゴン!?」
「うん...... リューゲリオンはドラゴニュート、竜人......」
アディエルエはそそくさとリューゲリオンさんの背中にのった。
「我らもいくぞ」
「あ、ああ」
俺たちはリューゲリオンさんにのり、城までとんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる