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第五話
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「さて、この50万の元手に国をつくりたいが......」
「そんなこと無理に決まってるでしょ。 あくまで夢の話よ。 そもそもコウミはなにもしたくないんじゃないの?」
アンナはテーブルの金貨を袋にいれながらそういった。
「違う。 俺はいやな労働はしたくないだけ!」
「なにそれ...... でも、国をつくるって労働なんじゃないの」
「あーあーあーきこえなーい。 自発的に動くのはセーフなんだよ。 俺がいやなのは、支配されて金や権力を欲しがる奴らの手助けはしたくないってこと」
「そういう人たちがいやだってこと?」
「ああ、そういうやつらはなんだかんだ結局マウントをとりたいだけだろ。 マウントとりたきゃ、とりたい奴らといくらでもとりあえばいい。 だが、やつらは力でそれを無理やり社会のルールにしやがるからな」
それを聞いて、アンナは、はぁと少し息をはいた。
「よくわからないけど、それでどうやって50万で国をつくるの。 さすがに50万じゃどこかの土地を買うのがせいぜいよ。 国を開拓するほどの広さなんてとても買えないわ」
あきれたようにアンナはいう。
「そこでだ。 この取引《トレード》をうまく使えないかなと思ってる」
「その能力を?」
「モンスターがいる土地なら勝手に使っていいんだろ。 つまりモンスターを防げればなんとかなるってことだ」
「まあ、そうだけどモンスターなんてどうやって防ぐの?」
「それはまだ...... でもモンスターって魔力で産み出された魔力生物なんだろ」
「ええ、自然の魔力が集まって生まれるのよ」
「つまり大地や岩や木なんかにも魔力は含まれてるってことだよな」
「まさか!! それを何かと交換するの!?」
驚いたようにアンナがいった。
「ああ何か建造に使えるものに交換するんだ。 確か400で板なんかが交換できたはず。 それなら元手なしで開拓できる」
「なるほど、確かにメモにあったかも...... でも、下手したらモンスターに襲われて死ぬわよ」
「ふむ、そこは少々賭けにはなるな...... できるだけ人の近い場所で、できるようなところはないか」
「うーん、そうね。 ここから北に行ったところにエニエって町があって、そこのそばにヴォルの森があるの。 昔その森に村があったって話をきいたわ。 向こうには湖もあるらしいけど......」
「水もあるな...... よし、とりあえずそこに行ってみよう」
俺たちは町までいった。
「ここがエニエの町か」
その町は石の壁でおおわれており、モンスターの侵入を防いでいるようだった。
「あそこがヴォルの森よ。 たまに冒険者や町の人が、キノコやら薬草やらを手にいれるために少しだけ入るわ」
「よし、早速行ってみよう。 モンスターに襲われたらさっさと逃げるぞ」
「わかったわ」
俺たちは一度町で必要なものと情報をえて森へとはいった。
「とりあえず、そこらの木を取引《トレード》できないかな」
森にはいってすぐ近くの木で取引《トレード》しようとするも無反応だった。
「人の近くのものは魔力が少ないわ。 魔力が人間に吸収されるんだって」
「なるほど、それで町は頻繁にはモンスターに襲われないってことか」
「ええ、たまに群れて襲われることもあるけどね。 それで国が滅ぶこともあるけど......」
そんな話をしながら、俺たちは森の奥へと進む。
「どうしたアンナ? 緊張してるのか? なにもいないぞ」
「ここまではキノコを取りに入ったことがあるけど、この先は行ったことはないの」
アンナは左右をみながら、緊張ぎみにそう話す。
「そうか、なら慎重に進むか...... ここらの地面は道みたいになってるけど? やはり人が住んでたんだな」
所々人の手が入っているような地面をみる。
「ええ、でもモンスターの増加で逃げ出していって、村もなくなったって聞いたけど」
「ふむ、なら、まだこの国の領土か...... でもエニエの町の不動産屋はそんなこと言ってなかったけどな」
「まあ百年も前の話らしいしね」
「なら、領土ではないのか...... よし! もう少しいってみよう!」
森の奥へと進むと、少し広い場所にでた。
「ここは......」
そこはかなり広く大きな木が生えてはいない。
「多分、ここに村があったのね」
そういうアンナの近くに、崩れた石の建造物の残骸らしきものが点在していた。
「だな。 よしこの石、取引《トレード》可能か試してみよう」
その建造物の一部らしき、大きめの石にふれて集中してみる。
「これ500も魔力値があるぞ!」
「えっ!? その瓦礫でハイドスネークの鱗並なの!?」
「ああ、大きさによってばらつきはあるけど、他の石もそれぐらいだ...... これはすごい! お宝の山だな!」
「それならここに町をつくるのも不可能じゃないわね!」
「ああ、あとは俺の魔力がどのぐらい増やせるかだな」
そう俺の取引《トレード》は使うと疲労するが、使う度に魔力の最大値が増えていたようだった。
「でも所有物じゃなくても取引《トレード》できるってことなの?」
「いや、宿や店の商品にふれたときはできなかった」
「試したの!?」
「一応な。 できたら悪いやつからせしめようと思ってたんだ」
「やっぱりあなたはクズなのね」
アンナはあきれている。
「どうやら、所有者がいないものは取引《トレード》できるみたいだな。 ただ触れたものか、かなり近い場所にあるものしか取引はできないようだ」
「一ヶ所に集めれば、かなり魔力値をあげられるんじゃない」
「なるほど、やってみるか」
俺たちは近くに石を積み上げ始めた。
「そんなこと無理に決まってるでしょ。 あくまで夢の話よ。 そもそもコウミはなにもしたくないんじゃないの?」
アンナはテーブルの金貨を袋にいれながらそういった。
「違う。 俺はいやな労働はしたくないだけ!」
「なにそれ...... でも、国をつくるって労働なんじゃないの」
「あーあーあーきこえなーい。 自発的に動くのはセーフなんだよ。 俺がいやなのは、支配されて金や権力を欲しがる奴らの手助けはしたくないってこと」
「そういう人たちがいやだってこと?」
「ああ、そういうやつらはなんだかんだ結局マウントをとりたいだけだろ。 マウントとりたきゃ、とりたい奴らといくらでもとりあえばいい。 だが、やつらは力でそれを無理やり社会のルールにしやがるからな」
それを聞いて、アンナは、はぁと少し息をはいた。
「よくわからないけど、それでどうやって50万で国をつくるの。 さすがに50万じゃどこかの土地を買うのがせいぜいよ。 国を開拓するほどの広さなんてとても買えないわ」
あきれたようにアンナはいう。
「そこでだ。 この取引《トレード》をうまく使えないかなと思ってる」
「その能力を?」
「モンスターがいる土地なら勝手に使っていいんだろ。 つまりモンスターを防げればなんとかなるってことだ」
「まあ、そうだけどモンスターなんてどうやって防ぐの?」
「それはまだ...... でもモンスターって魔力で産み出された魔力生物なんだろ」
「ええ、自然の魔力が集まって生まれるのよ」
「つまり大地や岩や木なんかにも魔力は含まれてるってことだよな」
「まさか!! それを何かと交換するの!?」
驚いたようにアンナがいった。
「ああ何か建造に使えるものに交換するんだ。 確か400で板なんかが交換できたはず。 それなら元手なしで開拓できる」
「なるほど、確かにメモにあったかも...... でも、下手したらモンスターに襲われて死ぬわよ」
「ふむ、そこは少々賭けにはなるな...... できるだけ人の近い場所で、できるようなところはないか」
「うーん、そうね。 ここから北に行ったところにエニエって町があって、そこのそばにヴォルの森があるの。 昔その森に村があったって話をきいたわ。 向こうには湖もあるらしいけど......」
「水もあるな...... よし、とりあえずそこに行ってみよう」
俺たちは町までいった。
「ここがエニエの町か」
その町は石の壁でおおわれており、モンスターの侵入を防いでいるようだった。
「あそこがヴォルの森よ。 たまに冒険者や町の人が、キノコやら薬草やらを手にいれるために少しだけ入るわ」
「よし、早速行ってみよう。 モンスターに襲われたらさっさと逃げるぞ」
「わかったわ」
俺たちは一度町で必要なものと情報をえて森へとはいった。
「とりあえず、そこらの木を取引《トレード》できないかな」
森にはいってすぐ近くの木で取引《トレード》しようとするも無反応だった。
「人の近くのものは魔力が少ないわ。 魔力が人間に吸収されるんだって」
「なるほど、それで町は頻繁にはモンスターに襲われないってことか」
「ええ、たまに群れて襲われることもあるけどね。 それで国が滅ぶこともあるけど......」
そんな話をしながら、俺たちは森の奥へと進む。
「どうしたアンナ? 緊張してるのか? なにもいないぞ」
「ここまではキノコを取りに入ったことがあるけど、この先は行ったことはないの」
アンナは左右をみながら、緊張ぎみにそう話す。
「そうか、なら慎重に進むか...... ここらの地面は道みたいになってるけど? やはり人が住んでたんだな」
所々人の手が入っているような地面をみる。
「ええ、でもモンスターの増加で逃げ出していって、村もなくなったって聞いたけど」
「ふむ、なら、まだこの国の領土か...... でもエニエの町の不動産屋はそんなこと言ってなかったけどな」
「まあ百年も前の話らしいしね」
「なら、領土ではないのか...... よし! もう少しいってみよう!」
森の奥へと進むと、少し広い場所にでた。
「ここは......」
そこはかなり広く大きな木が生えてはいない。
「多分、ここに村があったのね」
そういうアンナの近くに、崩れた石の建造物の残骸らしきものが点在していた。
「だな。 よしこの石、取引《トレード》可能か試してみよう」
その建造物の一部らしき、大きめの石にふれて集中してみる。
「これ500も魔力値があるぞ!」
「えっ!? その瓦礫でハイドスネークの鱗並なの!?」
「ああ、大きさによってばらつきはあるけど、他の石もそれぐらいだ...... これはすごい! お宝の山だな!」
「それならここに町をつくるのも不可能じゃないわね!」
「ああ、あとは俺の魔力がどのぐらい増やせるかだな」
そう俺の取引《トレード》は使うと疲労するが、使う度に魔力の最大値が増えていたようだった。
「でも所有物じゃなくても取引《トレード》できるってことなの?」
「いや、宿や店の商品にふれたときはできなかった」
「試したの!?」
「一応な。 できたら悪いやつからせしめようと思ってたんだ」
「やっぱりあなたはクズなのね」
アンナはあきれている。
「どうやら、所有者がいないものは取引《トレード》できるみたいだな。 ただ触れたものか、かなり近い場所にあるものしか取引はできないようだ」
「一ヶ所に集めれば、かなり魔力値をあげられるんじゃない」
「なるほど、やってみるか」
俺たちは近くに石を積み上げ始めた。
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