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第二十一話
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「コ...... コミ...... コウミ...... コウミさん!」
「ふぁ......」
「起きてください!」
目が覚めると、リリンが俺を揺すっていた。
「ああ、大丈夫......」
周囲をみると監視していた奴らが、作業していたやつらに縛られていた。
「なんとかうまく行ったか」
「はい! 覚えたマジックディスペルで魔法を解きました」
「しかし、広範囲だと自分も眠るのは使いづらいな」
「お前が助けてくれたのか」
そういわれて見ると、そばにいかつい褐色に日焼けしたデカイムキムキのおっさんが立っていた。
「ああ、あんたは」
「俺はシモンズという者だ。 それにしてもこいつらを捕らえてどうするつもりだ?」
そういって拘束されている手下たちをみた。
「この町を解放する」
「解放!? おいおい二人でか、相手は百の兵がいるんだぞ。 その魔法でも無理だろ」
「それなら、手をうってある。 まああんたらはここで解放されるのを待っていてくれよ」
「まあまて、話を聞け。 百の兵程度なら、命を懸ければまだなんとかなった。 だが問題はマルキアだ」
シモンズが眉をひそめる。
「マルキア...... 確か剣士か」
「ああ、ドルクスの護衛をしている。 やつは普通じゃないんだ。 魔法と剣を操る魔法剣士でな。 とてつもない強さだ」
「でも一人ならやれるだろ」
「そう思って俺たちは暴れて、全員ここに放り込まれたのさ」
「それほどか......」
(一対一か、確かに対人戦はやったことがないな)
「私の話か......」
後ろを振り向くと、作業員たちは倒されていた。 そこには剣を抜いた藍色の髪の若い女性がいる。
「なっ!! いつの間に!」
「こいつがマルキアだ!」
ーー甘い吐息で、みなを夢へと誘えーー
「スリーピングブレス」
ーー我が身に仇なす、あらゆるものを反転させよーー
その言葉を聴きながら、俺は意識を失っていった。
「うっ......」
「おっ、起きたか」
さっきのおっさん、シモンズがいる。 まわりには叩きのめされた作業員たちがいて、目の前には牢のような鉄の格子がある。
「リリン!」
「うっ......」
「大丈夫だ。 俺と同じでお前さんの魔法で眠っているだけだ。 手はだされちゃいない」
「おっさんも大丈夫か」
「ああ...... この通りだ。 近くにいたから眠った」
「ああ、コウミさん......」
リリンが目を覚ました。
「ふうよかった、どうなったんだおっさん、詳しくはなしてくれ」
「とはいえ、俺も眠ってたからな。 ただ予測はつく」
どうやら俺たちは捕らえられ、作業員の懲罰房へと入れられたらしい。
「なんで俺は眠った。 俺が眠りの魔法を使ったんだぞ」
「リフレクトを使われたんだ......」
「リフレクト?」
「希少な反射の魔法ですね」
リリンがいうと、シモンズはうなづく。
「ああ、俺たちのなかにも魔法を使うやつはいた。 まあ俺もだがな。 そいつを跳ね返された。 剣技も一流、どこかで訓練してたのかは知らんが動きはプロだ」
「ふむ、魔法は効かないし、剣も強いか」
「そうだ。 せめて武器か策がないと、とても太刀打ちできん。 俺たちが反抗しないのも奴を攻略できる方法がないからだったしな」
「私のディスペルで魔法を解けば」
「無駄だ、跳ね返されるだろうな」
シモンズが首をふる。
「厄介な...... アイテムならいけるんじゃないか」
「アイテムもものによるが魔力で効果のあるようなものなら反射される」
「なら赤爆球もむずいかもな」
「その前にアイテムなんてどうしようもない。 ここにはあの石以外なにもないんだからな」
シモンズは壁を指差した。 小さな光りを放っている小さな石が壁にいくつもある。
「この光る鉱物を採掘してるのか」
「ん? ああ、どこかの国の貴族と取引しているらしい。 ドルクスがこの町を狙ったのも、この鉱物目当てらしいぜ」
そういってひとつ俺に渡した。
「取引《トレード》、これこの大きさで1000も魔力値がある! 魔召石」
「ああ、私の笛に使った素材です。 モンスターを呼び寄せる鉱物てすね」
「モンスターを呼び寄せる石...... それでここが砦に...... まあ、これならアイテムは作れる。 リリン何かリフレクトに対抗できそうなものは作れるか」
「お前ら何の話をしている? ここにはこの石以外ないぞ。 しかももう掘りつくしそうだしな」
シモンズは怪訝そうな顔をしていった。
「まあ、待ってろ」
「そうですね。 リフレクトを防ぐ...... ひとつだけあります」
「なにが必要だ」
「えっと、キープストーンと......」
リリンから必要なものを聞く。
「それを聞いてどうするんだ?」
シモンズはそう不思議そうに聞いてきた。
「まあ、みてろよ 取引《トレード》!」
俺は魔召石を媒介に必要な素材を手に入れた。
「リリン、これで頼む」
「はい!」
「なんだ!? それ! 鉱石が別の物質に!」
(シモンズはクズじゃない。 協力してもらうために話すか)
おどろくシモンズに俺は説明した。
「取引《トレード》か...... 信じられん能力だな。 だがそれがあれば......」
「そういうことだ」
リリンがつくってる間に、俺は別のアイテムを作り、シモンズに作戦と共に託した。
「ふぁ......」
「起きてください!」
目が覚めると、リリンが俺を揺すっていた。
「ああ、大丈夫......」
周囲をみると監視していた奴らが、作業していたやつらに縛られていた。
「なんとかうまく行ったか」
「はい! 覚えたマジックディスペルで魔法を解きました」
「しかし、広範囲だと自分も眠るのは使いづらいな」
「お前が助けてくれたのか」
そういわれて見ると、そばにいかつい褐色に日焼けしたデカイムキムキのおっさんが立っていた。
「ああ、あんたは」
「俺はシモンズという者だ。 それにしてもこいつらを捕らえてどうするつもりだ?」
そういって拘束されている手下たちをみた。
「この町を解放する」
「解放!? おいおい二人でか、相手は百の兵がいるんだぞ。 その魔法でも無理だろ」
「それなら、手をうってある。 まああんたらはここで解放されるのを待っていてくれよ」
「まあまて、話を聞け。 百の兵程度なら、命を懸ければまだなんとかなった。 だが問題はマルキアだ」
シモンズが眉をひそめる。
「マルキア...... 確か剣士か」
「ああ、ドルクスの護衛をしている。 やつは普通じゃないんだ。 魔法と剣を操る魔法剣士でな。 とてつもない強さだ」
「でも一人ならやれるだろ」
「そう思って俺たちは暴れて、全員ここに放り込まれたのさ」
「それほどか......」
(一対一か、確かに対人戦はやったことがないな)
「私の話か......」
後ろを振り向くと、作業員たちは倒されていた。 そこには剣を抜いた藍色の髪の若い女性がいる。
「なっ!! いつの間に!」
「こいつがマルキアだ!」
ーー甘い吐息で、みなを夢へと誘えーー
「スリーピングブレス」
ーー我が身に仇なす、あらゆるものを反転させよーー
その言葉を聴きながら、俺は意識を失っていった。
「うっ......」
「おっ、起きたか」
さっきのおっさん、シモンズがいる。 まわりには叩きのめされた作業員たちがいて、目の前には牢のような鉄の格子がある。
「リリン!」
「うっ......」
「大丈夫だ。 俺と同じでお前さんの魔法で眠っているだけだ。 手はだされちゃいない」
「おっさんも大丈夫か」
「ああ...... この通りだ。 近くにいたから眠った」
「ああ、コウミさん......」
リリンが目を覚ました。
「ふうよかった、どうなったんだおっさん、詳しくはなしてくれ」
「とはいえ、俺も眠ってたからな。 ただ予測はつく」
どうやら俺たちは捕らえられ、作業員の懲罰房へと入れられたらしい。
「なんで俺は眠った。 俺が眠りの魔法を使ったんだぞ」
「リフレクトを使われたんだ......」
「リフレクト?」
「希少な反射の魔法ですね」
リリンがいうと、シモンズはうなづく。
「ああ、俺たちのなかにも魔法を使うやつはいた。 まあ俺もだがな。 そいつを跳ね返された。 剣技も一流、どこかで訓練してたのかは知らんが動きはプロだ」
「ふむ、魔法は効かないし、剣も強いか」
「そうだ。 せめて武器か策がないと、とても太刀打ちできん。 俺たちが反抗しないのも奴を攻略できる方法がないからだったしな」
「私のディスペルで魔法を解けば」
「無駄だ、跳ね返されるだろうな」
シモンズが首をふる。
「厄介な...... アイテムならいけるんじゃないか」
「アイテムもものによるが魔力で効果のあるようなものなら反射される」
「なら赤爆球もむずいかもな」
「その前にアイテムなんてどうしようもない。 ここにはあの石以外なにもないんだからな」
シモンズは壁を指差した。 小さな光りを放っている小さな石が壁にいくつもある。
「この光る鉱物を採掘してるのか」
「ん? ああ、どこかの国の貴族と取引しているらしい。 ドルクスがこの町を狙ったのも、この鉱物目当てらしいぜ」
そういってひとつ俺に渡した。
「取引《トレード》、これこの大きさで1000も魔力値がある! 魔召石」
「ああ、私の笛に使った素材です。 モンスターを呼び寄せる鉱物てすね」
「モンスターを呼び寄せる石...... それでここが砦に...... まあ、これならアイテムは作れる。 リリン何かリフレクトに対抗できそうなものは作れるか」
「お前ら何の話をしている? ここにはこの石以外ないぞ。 しかももう掘りつくしそうだしな」
シモンズは怪訝そうな顔をしていった。
「まあ、待ってろ」
「そうですね。 リフレクトを防ぐ...... ひとつだけあります」
「なにが必要だ」
「えっと、キープストーンと......」
リリンから必要なものを聞く。
「それを聞いてどうするんだ?」
シモンズはそう不思議そうに聞いてきた。
「まあ、みてろよ 取引《トレード》!」
俺は魔召石を媒介に必要な素材を手に入れた。
「リリン、これで頼む」
「はい!」
「なんだ!? それ! 鉱石が別の物質に!」
(シモンズはクズじゃない。 協力してもらうために話すか)
おどろくシモンズに俺は説明した。
「取引《トレード》か...... 信じられん能力だな。 だがそれがあれば......」
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