28 / 49
第二十八話『アスモル遺跡の真相 』
しおりを挟む
「なぜここに!」
「カイトさん、今はそんなことは後です! 敵の情報を!」
レンドが言う。 レンドたちは俺に駆け寄る。
「ああ、こいつは爬虫類のような人型で姿を消せる。 しかも剣術を使う」
「姿を消せる!? なんなのそれ!」
「取りあえず背を合わせよう」
俺たちは背中を合わせて四方に目を向ける。
「静かに動く音があるはずだ...... 俺が一度防ぐからそこに攻撃を行ってくれ」
「ええ」
皆がうなずく。 しばらく沈黙が続く、地面を這うような音が近づく。 それが加速する。
(来る!)
俺は音のしたその前に飛び出す。
ガキイィィン!
虚空に金属音が響いた。
「裂風《ピアシングウィンド》!」
「光閃《ライトスラッシュ》!!」
ガキッ!!
風と光が轟くと固いものに当たる音がすると、モンスターが二人の剣撃で後ろに飛んだようだった。
「固い!!」
「ああ、やつには鱗のようなものが体中にあった」
「見えない上に、斬れないですか...... 厄介ですね」
(あれは......)
「ディルセア、俺が合図したら俺に石化を頼む......」
「また...... わかったわ」
何もない空間に這う音がしているが、警戒しているのか近づかず周囲を回っている。
(よし、もう契約《コントラクト》が使える...... あとは)
その時、地面の音が消えた。 そこにモンスターがうずくまっている。
「あれは!」
「ディルセア!」
──大地のうねりよ、そのものをとらえて、包み込め──
俺の体が石化し始める。 そして俺は後ろを向く。
ガキッ
石化した体に剣が食い込む。 俺は見えないその体に触れた。
「契約《コントラクト》! 拡張《スキル・エクスパンション》!!」
俺の体が爬虫類の体に変わると、目の前に石像となったモンスターが現れる。 そして地面に落ちると砕け散った。
(くっ、二度も拡張《スキル・エクスパンション》を使った...... かなりの記憶が失ったようだ...... もうかつての世界のことをよくは思い出せない)
「それにしても、よくあれが飛んでくるとわかりましたね。 こちらの警戒を感じて、あんなことまでしたのに」
ゼノフォスの見ている方向にモンスターの体がある。 どうやら殻だけのようだ。
「脱皮か...... これでこちらの注意を引いて後ろから襲ったのか」
「まあ、無駄だがな...... あれを」
俺は地面を指差す。 そこには点々と血がついている。
「血ですか......」
「ああ、最初の二人の攻撃で傷ついていたんだろう。 それには気づかなかったみたいだな」
「なるほどそれは私も気づかなかったです。 しかし見たことがないモンスターだ。 ただこの剣はかなりのもの。 冒険者のものを奪ったのでしょうか」
ゼノフォスが砕けたモンスターを見ている。
「あっ...... これって」
ディルセアが声をあげると、そこに石になった冒険者カードが落ちていた。
「まさか......」
レンドはこちらを見た。
「ああ、どうやら失踪したAクラス冒険者らしいな」
「なぜ、モンスターに」
「わからない......」
「......か、返せ......」
「なんだ......」
「カイトさん! あれ!」
祭壇の上に丸々と太った人の顔をした小さな鳥のようなモンスターがいる。
「返せ...... 我の力......」
「なんだ」
「我の力を奪った...... 返せ」
「まさか、あれは」
ディルセアは指を指した。 その鳥の首には何か紋章のようなものが彫られた金の輪がかかっている。
「あれはバルグリアの紋章よ......」
ディルセアがそうつぶやく。
「我の宝玉...... 返せ......」
「宝玉、まさか」
「ええ、多分、バルグリアの王、【ブラネスク】......」
「あのモンスターがブラネスク......」
レンドは言葉を失っている。
「まさかヴェルザグにモンスターに変えられたのか」
「かもしれないわ」
「返せぇぇ!!」
ブラネスクは口から黒い霧のようなものを出した。 それは飛んでいた蛾にあたると、蛾は巨大化し始める。
「モンスターに!」
「こいつがモンスターを作り出していた元凶か!」
「ここは俺が! 【渦風】《ストームウィンド》!!」
レンドの放った風は渦となり巨大蛾とブラネスクを壁に飛ばした。
「やったか!」
「......いや」
「返せ......」
つぶれたブラネスクは再生しながらよみがえる。
「死なないのか...... ディルセア、石化を」
「ええ」
ディルセアが石化の魔法を放つ。
「我の力...... ち...... か...... ら」
ブラネスクは悲しげな声をあげ、石に変わっていった。
「カイトさん、今はそんなことは後です! 敵の情報を!」
レンドが言う。 レンドたちは俺に駆け寄る。
「ああ、こいつは爬虫類のような人型で姿を消せる。 しかも剣術を使う」
「姿を消せる!? なんなのそれ!」
「取りあえず背を合わせよう」
俺たちは背中を合わせて四方に目を向ける。
「静かに動く音があるはずだ...... 俺が一度防ぐからそこに攻撃を行ってくれ」
「ええ」
皆がうなずく。 しばらく沈黙が続く、地面を這うような音が近づく。 それが加速する。
(来る!)
俺は音のしたその前に飛び出す。
ガキイィィン!
虚空に金属音が響いた。
「裂風《ピアシングウィンド》!」
「光閃《ライトスラッシュ》!!」
ガキッ!!
風と光が轟くと固いものに当たる音がすると、モンスターが二人の剣撃で後ろに飛んだようだった。
「固い!!」
「ああ、やつには鱗のようなものが体中にあった」
「見えない上に、斬れないですか...... 厄介ですね」
(あれは......)
「ディルセア、俺が合図したら俺に石化を頼む......」
「また...... わかったわ」
何もない空間に這う音がしているが、警戒しているのか近づかず周囲を回っている。
(よし、もう契約《コントラクト》が使える...... あとは)
その時、地面の音が消えた。 そこにモンスターがうずくまっている。
「あれは!」
「ディルセア!」
──大地のうねりよ、そのものをとらえて、包み込め──
俺の体が石化し始める。 そして俺は後ろを向く。
ガキッ
石化した体に剣が食い込む。 俺は見えないその体に触れた。
「契約《コントラクト》! 拡張《スキル・エクスパンション》!!」
俺の体が爬虫類の体に変わると、目の前に石像となったモンスターが現れる。 そして地面に落ちると砕け散った。
(くっ、二度も拡張《スキル・エクスパンション》を使った...... かなりの記憶が失ったようだ...... もうかつての世界のことをよくは思い出せない)
「それにしても、よくあれが飛んでくるとわかりましたね。 こちらの警戒を感じて、あんなことまでしたのに」
ゼノフォスの見ている方向にモンスターの体がある。 どうやら殻だけのようだ。
「脱皮か...... これでこちらの注意を引いて後ろから襲ったのか」
「まあ、無駄だがな...... あれを」
俺は地面を指差す。 そこには点々と血がついている。
「血ですか......」
「ああ、最初の二人の攻撃で傷ついていたんだろう。 それには気づかなかったみたいだな」
「なるほどそれは私も気づかなかったです。 しかし見たことがないモンスターだ。 ただこの剣はかなりのもの。 冒険者のものを奪ったのでしょうか」
ゼノフォスが砕けたモンスターを見ている。
「あっ...... これって」
ディルセアが声をあげると、そこに石になった冒険者カードが落ちていた。
「まさか......」
レンドはこちらを見た。
「ああ、どうやら失踪したAクラス冒険者らしいな」
「なぜ、モンスターに」
「わからない......」
「......か、返せ......」
「なんだ......」
「カイトさん! あれ!」
祭壇の上に丸々と太った人の顔をした小さな鳥のようなモンスターがいる。
「返せ...... 我の力......」
「なんだ」
「我の力を奪った...... 返せ」
「まさか、あれは」
ディルセアは指を指した。 その鳥の首には何か紋章のようなものが彫られた金の輪がかかっている。
「あれはバルグリアの紋章よ......」
ディルセアがそうつぶやく。
「我の宝玉...... 返せ......」
「宝玉、まさか」
「ええ、多分、バルグリアの王、【ブラネスク】......」
「あのモンスターがブラネスク......」
レンドは言葉を失っている。
「まさかヴェルザグにモンスターに変えられたのか」
「かもしれないわ」
「返せぇぇ!!」
ブラネスクは口から黒い霧のようなものを出した。 それは飛んでいた蛾にあたると、蛾は巨大化し始める。
「モンスターに!」
「こいつがモンスターを作り出していた元凶か!」
「ここは俺が! 【渦風】《ストームウィンド》!!」
レンドの放った風は渦となり巨大蛾とブラネスクを壁に飛ばした。
「やったか!」
「......いや」
「返せ......」
つぶれたブラネスクは再生しながらよみがえる。
「死なないのか...... ディルセア、石化を」
「ええ」
ディルセアが石化の魔法を放つ。
「我の力...... ち...... か...... ら」
ブラネスクは悲しげな声をあげ、石に変わっていった。
10
あなたにおすすめの小説
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~
夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する!
農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。
逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。
これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる