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第二十七話
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「どうやらあのグラディスとやらが何かを画策しているようだな」
そうディンがつぶやく。
「みたいだな」
俺たちは倒したレバンドンたちを天納の箱の中にいれ持ち帰ると、ネメイオから通報を受けたテレウスの衛兵たちがきて、レバンドンたちをつれていった。
「さて、どうするサキミ? ベルクセアの処遇は......」
「国相手ではな...... 何て言うと思ったか! ぜってえゆるさねえ! 俺のアパートをぶっ壊した報いは必ず受けさせる!」
「......してどうするのだ? 戦争でもするのか......」
少し不安そうな顔をしてディンは聞いてくる。
「まあ心配するなよ。 いまはなにもしない」
「本当か!」
「この作戦が頓挫してすぐ行動もしないだろう。 なら、いまじゃなくいい。 いずれやってやるさ」
そういうとディンはほっとしているようだ。
「それで、次のアイテムはどこだ?」
俺たちは小さなテントで作戦をねる。
「そうだな。 西にある多分ここだ」
地図にディンが指差した。
「そこはイゼエル王国ですね。 国土のほとんどが砂漠で、点在するオアシスに町をつくっている国家です。 そういえば変な宗教が流行ってると聞きます」
ティンクルがそう怪訝そうにいった。
「変な宗教?」
「ええ、確かベイゾーク教といって、終末思想をかたる新興宗教で魔族が人間を滅ぼすと考えているそうです。 そこに本部があるそうです」
「よくいる人間至上主義だな」
ディンはあきれたようにいった。
「しかし、アイテムが同じところに三つある。 しかも他のが見つからん」
「どういうことだ?」
「おそらく何かの方法で探知できなくしているのだ...... 場所かなにかに封印しているか、そんなところか」
「ならわかる三つのアイテムを探しに行こうぜ」
「うむ」
「ここか、確かに見渡すかぎり砂だな」
ティンクルに送ってもらい、イゼエル王国へとやってきた。
「ああ、植物も動物もほとんど見当たらん。 モンスターがいるだけだな」
焦がすような太陽の中、俺たちは砂漠を進む。
「あついな」
「ああ、だがティンクルの話だとこの先にオアシスがあって小さな村があるそうだ」
進んでいくと、小さなオアシスがあり村がある。
「あった。 取りあえず休憩だ」
「ああ」
俺たちが村に入ると、村人たちは特にこちらを気にする様子もないが、どこか焦点のあわぬような目をしていた。
「なんかおかしくないか......」
「ああ、なんだか、村人が呆けておるな......」
取りあえず宿をみつけ、はいる。
「いらっしゃいませ!」
小学生ぐらいの少女が飛び出してきた。
「あのお客さんですか!」
「ああ、そうだけど...... 大人は」
「いえ、あの......」
その少女は困ったような顔をしている。
「どうした? 何か困ったことがあるなら話は聞くぞ」
そう優しくディンが聞くと、目に涙をためて話し始めた。
「じ、じつは......」
その少女アイサの話では、一週間ほどまえから、村人たちや両親がのよう過ぎおかしくなりはじめ、アイサの両親もついにはベッドに倒れてしまったという。 この村には医者もいないため、どうしたらいいか途方にくれていたという。
「なるほど、その一週間まえにいつもと違う何かかわったことは?」
「えっ、そういえば...... ベイなんとかっていう宗教の人たちがこの村に来てました」
「ベイゾーク教......」
(ティンクルがいっていた新興宗教か......)
「俺とディンは顔を見合せる。
その者たちはなにをしにここに来たのだ」
「布教だって、でもお父さんお母さんも村の人たちも相手にしなかったの。 そしたら『神の怒りにふれ、この村は滅びにみまわれる』っていってでていった...... それからみんなおかしくなったの...... 神様がおこったのかな」
そういってしゃがみこんだ。
「大丈夫だ。 両親もすぐなおる」
ディンはそういって頭をなで慰めている。
「アイサは寝たぞ。 疲れていたのだろう食事を取るとすぐに眠った」
「ああ、安心したからだな。 それでディンはどう思う」
「十中八九その教団がやったのだろうな。 おそらく【魔疫の指輪】で間違いない」
「魔疫の指輪?」
「うむ、余のアイテムだ。 かつてそれを使った魔王を討って手入れ封印した。 魔力を媒介にした疫病を放つ指輪だ。 ここの者たちの症状はそれだろうな。 指輪の魔力を止めねば治すことはできぬ」
「どうせ手に入れるんだ。 怪しい教団だしぶっ潰しとこうぜ」
「よかろう」
次の日、食事をアイサに作り置きして宿をでた。
そうディンがつぶやく。
「みたいだな」
俺たちは倒したレバンドンたちを天納の箱の中にいれ持ち帰ると、ネメイオから通報を受けたテレウスの衛兵たちがきて、レバンドンたちをつれていった。
「さて、どうするサキミ? ベルクセアの処遇は......」
「国相手ではな...... 何て言うと思ったか! ぜってえゆるさねえ! 俺のアパートをぶっ壊した報いは必ず受けさせる!」
「......してどうするのだ? 戦争でもするのか......」
少し不安そうな顔をしてディンは聞いてくる。
「まあ心配するなよ。 いまはなにもしない」
「本当か!」
「この作戦が頓挫してすぐ行動もしないだろう。 なら、いまじゃなくいい。 いずれやってやるさ」
そういうとディンはほっとしているようだ。
「それで、次のアイテムはどこだ?」
俺たちは小さなテントで作戦をねる。
「そうだな。 西にある多分ここだ」
地図にディンが指差した。
「そこはイゼエル王国ですね。 国土のほとんどが砂漠で、点在するオアシスに町をつくっている国家です。 そういえば変な宗教が流行ってると聞きます」
ティンクルがそう怪訝そうにいった。
「変な宗教?」
「ええ、確かベイゾーク教といって、終末思想をかたる新興宗教で魔族が人間を滅ぼすと考えているそうです。 そこに本部があるそうです」
「よくいる人間至上主義だな」
ディンはあきれたようにいった。
「しかし、アイテムが同じところに三つある。 しかも他のが見つからん」
「どういうことだ?」
「おそらく何かの方法で探知できなくしているのだ...... 場所かなにかに封印しているか、そんなところか」
「ならわかる三つのアイテムを探しに行こうぜ」
「うむ」
「ここか、確かに見渡すかぎり砂だな」
ティンクルに送ってもらい、イゼエル王国へとやってきた。
「ああ、植物も動物もほとんど見当たらん。 モンスターがいるだけだな」
焦がすような太陽の中、俺たちは砂漠を進む。
「あついな」
「ああ、だがティンクルの話だとこの先にオアシスがあって小さな村があるそうだ」
進んでいくと、小さなオアシスがあり村がある。
「あった。 取りあえず休憩だ」
「ああ」
俺たちが村に入ると、村人たちは特にこちらを気にする様子もないが、どこか焦点のあわぬような目をしていた。
「なんかおかしくないか......」
「ああ、なんだか、村人が呆けておるな......」
取りあえず宿をみつけ、はいる。
「いらっしゃいませ!」
小学生ぐらいの少女が飛び出してきた。
「あのお客さんですか!」
「ああ、そうだけど...... 大人は」
「いえ、あの......」
その少女は困ったような顔をしている。
「どうした? 何か困ったことがあるなら話は聞くぞ」
そう優しくディンが聞くと、目に涙をためて話し始めた。
「じ、じつは......」
その少女アイサの話では、一週間ほどまえから、村人たちや両親がのよう過ぎおかしくなりはじめ、アイサの両親もついにはベッドに倒れてしまったという。 この村には医者もいないため、どうしたらいいか途方にくれていたという。
「なるほど、その一週間まえにいつもと違う何かかわったことは?」
「えっ、そういえば...... ベイなんとかっていう宗教の人たちがこの村に来てました」
「ベイゾーク教......」
(ティンクルがいっていた新興宗教か......)
「俺とディンは顔を見合せる。
その者たちはなにをしにここに来たのだ」
「布教だって、でもお父さんお母さんも村の人たちも相手にしなかったの。 そしたら『神の怒りにふれ、この村は滅びにみまわれる』っていってでていった...... それからみんなおかしくなったの...... 神様がおこったのかな」
そういってしゃがみこんだ。
「大丈夫だ。 両親もすぐなおる」
ディンはそういって頭をなで慰めている。
「アイサは寝たぞ。 疲れていたのだろう食事を取るとすぐに眠った」
「ああ、安心したからだな。 それでディンはどう思う」
「十中八九その教団がやったのだろうな。 おそらく【魔疫の指輪】で間違いない」
「魔疫の指輪?」
「うむ、余のアイテムだ。 かつてそれを使った魔王を討って手入れ封印した。 魔力を媒介にした疫病を放つ指輪だ。 ここの者たちの症状はそれだろうな。 指輪の魔力を止めねば治すことはできぬ」
「どうせ手に入れるんだ。 怪しい教団だしぶっ潰しとこうぜ」
「よかろう」
次の日、食事をアイサに作り置きして宿をでた。
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