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第二十八話
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「よしベルサーク教団とやらを調べよう」
「うむベイゾーク教な。 アイサの話では、ここから北のほうに拠点となる総本山があるらしいな」
北のほうへしばらく歩く、岩山らしきところに岩をくりぬいたような建造物が現れた。
そこに向かって、杖をもち白い祭服のようなローブを来た一団が入っていくのが見える。
「あれか...... そのまま入るか」
「いや、しばしまて」
そうディンは俺を止めると、呪文を唱えた。
ーー影へ闇へその身を静寂と共に溶け込ませろーー
「インビンシブル」
「なんだなんもおこらないぞ...... アホの子が爆発してアホになったのか」
「なってないわ! この魔法はかけたもの同士は見える! ただ魔力や声なんかは伝わるから静かにしろよ。 解くには魔力を放てばいい」
その洞窟へとはいる。 信者たちだろうか、ローブのものたちがそこらで膝ひざまずいて、変な呪文のような声をだしている。
「あっちの方だ。 アイテムの魔力を感じる三つもある...... これは! 他にかなり強い魔力を感じる......」
「それは、誰かいるってことか......」
「ああ、かなりの強者のようだな......」
信者たちを避けながら、先へと進む。
信者たちがいなくなると、大きな柱がいくつもある大きな部屋へと入った。 そこには祭壇らしきものが置かれ、赤いローブの人物がいる。
「あいつか......」
ローブの人物に一人の信者がひざまずいている。
「サグリム様...... シーギス村人は疫病にて伏せているようです」
「そうか...... 残念なこと、我らが神を信奉せぬからだ......」
そういって両手を胸にあて祈る仕草をした。
「下がれ、彼らのために祈りを捧げよう」
「はい......」
信者が離れていった。
「なにが彼らのために祈ろう...... だ! お前がしたんだろ! いくか!」
「ちょっとまて...... なにかがくる!」
サグリムと呼ばれた者の前の空間が歪むと、何者かが現れる。 それは盗賊やベルクセアの王のそばにいた仮面のグラディスだった。
「あ、あいつ!! グラディスか!!」
「ああ...... ここでもいたのか」
「それで、首尾は......」
グラディスはザグリムに聞いた。
「ああ、この国の者たちをわがベイゾーク教への帰依《きえ》はかなり進めた...... 従わぬものたちにはこの指輪で疫病化させ、救いによる更なる信者獲得をすすめられるだろう」
「わかった...... そのまま続けろ」
「......ああ、いや、まて...... なにかいる」
ザグリムが黒い魔力を放った。
剣でそれを切り裂く。
「くそっ! ばれたのか!」
「何者か......」
ザグリムはそう静かに聞いてくる。 魔力を感じない俺でもその威圧は感じた。
「それは、こっちの台詞だ。 貴様らはいったいなにをしているのだ」
「お前は...... 魔王ディンプルディ」
ザグリムがつぶやく。
「......貴様、余を知っておるのか......」
「魔王ディンプルディ、貴様が...... ザグリム、奴らをここで始末しろ......」
そういうと、空間が歪み、そこから姿を消した。
「まて!!」
追おうとすると、ザグリムが前に立ちふさがる。
「貴様たちには、ここで死んでもらう......」
その冷たい声でそういった。
「いいぜ。 お前にも聞きたいことがあるからな!」
「やつを侮るな...... なにかがおかしい......」
ディンが俺の目をみる。
(わかった...... ならフェアネスソウルは使えんな......)
「ちょっと痛い目をみてもらう!」
走って近づくと、鞘に入ったままの剣でザグリムの足を殴る。
すると金属音が洞窟内にとどろいた。
(なに!? 金属音、それでも微動だにしない!!)
ーー猛る業火よ、柱となって眼前の敵をやきつくせーー
「フレイムピラー」
とっさに避けると、目の前に火柱がたった。
「あぶね! なんだこいつ! 痛みがないのか! 折れるくらい殴ったぞ! 仮に鎧を着込んでてもダメージはあるはず!)
「ならば!!」
ーー混沌すら食らう、暴虐の獄炎よ、我が名をもって、その力を顕現《けんげん》させよーー
「カオティックオーバーフレア」
巨大な黒い炎球がザグリムを飲み込み、黒い火柱がたった。 遠くで信者たちの怯える声や悲鳴がきこえる。
「お、おい! いきなり殺すなよ!」
「そやつは人間ではない...... 見よ」
祭服が焼かれると、その下から黒い鎧が現れた。 そしてその鎧の隙間から見える体は骸骨だった。
「なんだ!? こいつ! 骸骨!」
「ああ、アンデッド...... おそらくスケルトンか」
「よく、知っているな...... さすが魔王ディンプルディ......」
そういった骸骨のくぼんだ目の奥に青い光がともった。
「うむベイゾーク教な。 アイサの話では、ここから北のほうに拠点となる総本山があるらしいな」
北のほうへしばらく歩く、岩山らしきところに岩をくりぬいたような建造物が現れた。
そこに向かって、杖をもち白い祭服のようなローブを来た一団が入っていくのが見える。
「あれか...... そのまま入るか」
「いや、しばしまて」
そうディンは俺を止めると、呪文を唱えた。
ーー影へ闇へその身を静寂と共に溶け込ませろーー
「インビンシブル」
「なんだなんもおこらないぞ...... アホの子が爆発してアホになったのか」
「なってないわ! この魔法はかけたもの同士は見える! ただ魔力や声なんかは伝わるから静かにしろよ。 解くには魔力を放てばいい」
その洞窟へとはいる。 信者たちだろうか、ローブのものたちがそこらで膝ひざまずいて、変な呪文のような声をだしている。
「あっちの方だ。 アイテムの魔力を感じる三つもある...... これは! 他にかなり強い魔力を感じる......」
「それは、誰かいるってことか......」
「ああ、かなりの強者のようだな......」
信者たちを避けながら、先へと進む。
信者たちがいなくなると、大きな柱がいくつもある大きな部屋へと入った。 そこには祭壇らしきものが置かれ、赤いローブの人物がいる。
「あいつか......」
ローブの人物に一人の信者がひざまずいている。
「サグリム様...... シーギス村人は疫病にて伏せているようです」
「そうか...... 残念なこと、我らが神を信奉せぬからだ......」
そういって両手を胸にあて祈る仕草をした。
「下がれ、彼らのために祈りを捧げよう」
「はい......」
信者が離れていった。
「なにが彼らのために祈ろう...... だ! お前がしたんだろ! いくか!」
「ちょっとまて...... なにかがくる!」
サグリムと呼ばれた者の前の空間が歪むと、何者かが現れる。 それは盗賊やベルクセアの王のそばにいた仮面のグラディスだった。
「あ、あいつ!! グラディスか!!」
「ああ...... ここでもいたのか」
「それで、首尾は......」
グラディスはザグリムに聞いた。
「ああ、この国の者たちをわがベイゾーク教への帰依《きえ》はかなり進めた...... 従わぬものたちにはこの指輪で疫病化させ、救いによる更なる信者獲得をすすめられるだろう」
「わかった...... そのまま続けろ」
「......ああ、いや、まて...... なにかいる」
ザグリムが黒い魔力を放った。
剣でそれを切り裂く。
「くそっ! ばれたのか!」
「何者か......」
ザグリムはそう静かに聞いてくる。 魔力を感じない俺でもその威圧は感じた。
「それは、こっちの台詞だ。 貴様らはいったいなにをしているのだ」
「お前は...... 魔王ディンプルディ」
ザグリムがつぶやく。
「......貴様、余を知っておるのか......」
「魔王ディンプルディ、貴様が...... ザグリム、奴らをここで始末しろ......」
そういうと、空間が歪み、そこから姿を消した。
「まて!!」
追おうとすると、ザグリムが前に立ちふさがる。
「貴様たちには、ここで死んでもらう......」
その冷たい声でそういった。
「いいぜ。 お前にも聞きたいことがあるからな!」
「やつを侮るな...... なにかがおかしい......」
ディンが俺の目をみる。
(わかった...... ならフェアネスソウルは使えんな......)
「ちょっと痛い目をみてもらう!」
走って近づくと、鞘に入ったままの剣でザグリムの足を殴る。
すると金属音が洞窟内にとどろいた。
(なに!? 金属音、それでも微動だにしない!!)
ーー猛る業火よ、柱となって眼前の敵をやきつくせーー
「フレイムピラー」
とっさに避けると、目の前に火柱がたった。
「あぶね! なんだこいつ! 痛みがないのか! 折れるくらい殴ったぞ! 仮に鎧を着込んでてもダメージはあるはず!)
「ならば!!」
ーー混沌すら食らう、暴虐の獄炎よ、我が名をもって、その力を顕現《けんげん》させよーー
「カオティックオーバーフレア」
巨大な黒い炎球がザグリムを飲み込み、黒い火柱がたった。 遠くで信者たちの怯える声や悲鳴がきこえる。
「お、おい! いきなり殺すなよ!」
「そやつは人間ではない...... 見よ」
祭服が焼かれると、その下から黒い鎧が現れた。 そしてその鎧の隙間から見える体は骸骨だった。
「なんだ!? こいつ! 骸骨!」
「ああ、アンデッド...... おそらくスケルトンか」
「よく、知っているな...... さすが魔王ディンプルディ......」
そういった骸骨のくぼんだ目の奥に青い光がともった。
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