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第五十九話
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「整列したな! ではミーナさま。 出陣の号令を」
そう馬にのるゼキエル騎士団長がうながす。
「我が神の子らよ。 我らはジャルスタークを倒し、そののちこのベルン大陸、いえ魔族大陸をも滅ぼして唯一の国として統治するのです。 戦乱の続くこの世界に終止符を打つべく、死しても戦いなさい!」
大きな御輿にのったミーナが鼓舞すると、地鳴りのような歓声があがった。
「よし!! 進軍せよ!」
その前に上空にいた俺たちはティンクルで地面に降りる。
「なっ! ドラゴンだと!!」
「とまりなさい!!」
俺はミーナをティンクルから地面に下ろした。
「誰だ!?」
「ドラゴンと人間!!?」
「あれはミーナさま!?」
兵士たちはざわざわと騒ぎ始める。
「なっ!? これはどういうことだ!?」
ゼキエルが馬から降りてこちらにきた。
「ゼキエル! 軍をとめなさい!」
「ミーナさまがふたり......」
「なにをしているのです! 軍を進めなさい!」
もう一人のミーナをのせた御輿がこちらにきた。
「あなたは何者です! 私はミーナ・ライト・アスム・アズリア! アズリア帝国の女帝です! 軍を止めなさい!」
「なにをバカなことを、私がミーナです! お前たちこのものたちを殺しなさい!」
ふたりのミーナがにらみ合い。 兵士たちは戸惑っている。
「ドラゴンにのる怪しげなものを信じるのですか! ゼキエル殺しなさい!」
「わかりました...... 我らはずっとミーナさまのそばにいた。 突然現れた貴様たちは偽物と断ずる! 兵士よ囲んでとらえよ!」
そうゼキエルにいわれ戸惑いながらも、兵士は俺たちを囲んだ。
(なるほど、ゼキエルこいつはグルか......)
「ミーナどうだ?」
ミーナに俺がきくと目を伏せうなづく。
「はい、後ろに二人......」
大きな声でいった。
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
「シャインダブルストライク」
俺の放った光の弾は御輿のミーナの後方をうちぬく。
「ぎゃあ!!」
「ぎゃわ!!」
御輿のミーナの後ろで二体のリザードマンが倒れ地面に落ちた。
「これは!? リザードマン! なぜ魔族が!」
「ミーナさまのそばにどういうことだ!!?」
兵士たちが驚いている。
「おっさん。 ドラゴンが怪しいなら魔族をつれてるやつのが怪しいんじゃないか?」
「ぬうっ! うるさい! 兵士たちよ! このものをうて!!」
ゼキエルは苛立ちげにそうさけんだ。
「ミーナは魔力を感知する! 知ってるものはいるか!」
大声でそういうと、兵士たちがざわついた。
「確かにそのようなことを聞いたことがあるな」
「ああ、極めてまれな能力だと聞いている」
「ならば、あちらが本物か......」
「ええい! さっさととらえぬか!」
御輿のミーナが身をのりだしそう叫ぶと、空から風のヴェールをまとい隠蔽していたグラディスのナイフがそのミーナに刺さった。
「ぐっ!!」
すると、その姿が大柄なリザードマンへと変わっていく。
「なっ!!」
「わかったでしょう! そのものは偽物です! ゼキエルと共にとらえなさい!」
「は、はっ!!」
ミーナがそう凛とした声で命じると、兵士たちはリザードマンと、ゼキエルを囲んだ。
「カルファお前だったのか、確か変身魔法をもっていたな」
グラディスがそう捕まったリザードマンにそういった。
「あいつか? なんか体はでかいけど」
「わからん...... リザードマンの顔は全部同じに見える」
俺とディンがそう小声ではなす。
「このナイフ...... 魔力の封印か」
「ああ、お主の仲間に刺されて死にかけたわ」
「グラディス...... 裏切ったのか」
そうカルファはグラディスを殺意のこもった目でみた。
「ふざけるな...... ヴェルディクが私を騙し嘘をついたからだ」
「嘘だと......」
「復活には死者の必要などない。 そうライゼプルトが断言していた」
「なんだと...... あの魔王が! どういうことだ!!?」
リザードマンは驚いている。
「必要だ......」
そう空から声がする。
見上げると真上に黒い球体に包まれたヴェルディクが浮いていた。
「ヴェルディクさま! 本当にガルガンチュアさまは蘇るのですか!!」
(こいつも魔王を蘇らせるつもりだったのか)
「ああ、それには死者が必要だった...... がもう時間もない。 不完全だが、お前たちの犠牲で甦らせることとした......」
「なにをいっている!?」
「いった通りだ......」
そういうとペンダントを掲げた。
「あれは盗まれた【反魂の宝玉】《リバースライフジェム》!?」
地面が揺れると盛り上がり、地響きをたてながら、六本の腕をもつ異形の姿が現れた。
そう馬にのるゼキエル騎士団長がうながす。
「我が神の子らよ。 我らはジャルスタークを倒し、そののちこのベルン大陸、いえ魔族大陸をも滅ぼして唯一の国として統治するのです。 戦乱の続くこの世界に終止符を打つべく、死しても戦いなさい!」
大きな御輿にのったミーナが鼓舞すると、地鳴りのような歓声があがった。
「よし!! 進軍せよ!」
その前に上空にいた俺たちはティンクルで地面に降りる。
「なっ! ドラゴンだと!!」
「とまりなさい!!」
俺はミーナをティンクルから地面に下ろした。
「誰だ!?」
「ドラゴンと人間!!?」
「あれはミーナさま!?」
兵士たちはざわざわと騒ぎ始める。
「なっ!? これはどういうことだ!?」
ゼキエルが馬から降りてこちらにきた。
「ゼキエル! 軍をとめなさい!」
「ミーナさまがふたり......」
「なにをしているのです! 軍を進めなさい!」
もう一人のミーナをのせた御輿がこちらにきた。
「あなたは何者です! 私はミーナ・ライト・アスム・アズリア! アズリア帝国の女帝です! 軍を止めなさい!」
「なにをバカなことを、私がミーナです! お前たちこのものたちを殺しなさい!」
ふたりのミーナがにらみ合い。 兵士たちは戸惑っている。
「ドラゴンにのる怪しげなものを信じるのですか! ゼキエル殺しなさい!」
「わかりました...... 我らはずっとミーナさまのそばにいた。 突然現れた貴様たちは偽物と断ずる! 兵士よ囲んでとらえよ!」
そうゼキエルにいわれ戸惑いながらも、兵士は俺たちを囲んだ。
(なるほど、ゼキエルこいつはグルか......)
「ミーナどうだ?」
ミーナに俺がきくと目を伏せうなづく。
「はい、後ろに二人......」
大きな声でいった。
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
「シャインダブルストライク」
俺の放った光の弾は御輿のミーナの後方をうちぬく。
「ぎゃあ!!」
「ぎゃわ!!」
御輿のミーナの後ろで二体のリザードマンが倒れ地面に落ちた。
「これは!? リザードマン! なぜ魔族が!」
「ミーナさまのそばにどういうことだ!!?」
兵士たちが驚いている。
「おっさん。 ドラゴンが怪しいなら魔族をつれてるやつのが怪しいんじゃないか?」
「ぬうっ! うるさい! 兵士たちよ! このものをうて!!」
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「ミーナは魔力を感知する! 知ってるものはいるか!」
大声でそういうと、兵士たちがざわついた。
「確かにそのようなことを聞いたことがあるな」
「ああ、極めてまれな能力だと聞いている」
「ならば、あちらが本物か......」
「ええい! さっさととらえぬか!」
御輿のミーナが身をのりだしそう叫ぶと、空から風のヴェールをまとい隠蔽していたグラディスのナイフがそのミーナに刺さった。
「ぐっ!!」
すると、その姿が大柄なリザードマンへと変わっていく。
「なっ!!」
「わかったでしょう! そのものは偽物です! ゼキエルと共にとらえなさい!」
「は、はっ!!」
ミーナがそう凛とした声で命じると、兵士たちはリザードマンと、ゼキエルを囲んだ。
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グラディスがそう捕まったリザードマンにそういった。
「あいつか? なんか体はでかいけど」
「わからん...... リザードマンの顔は全部同じに見える」
俺とディンがそう小声ではなす。
「このナイフ...... 魔力の封印か」
「ああ、お主の仲間に刺されて死にかけたわ」
「グラディス...... 裏切ったのか」
そうカルファはグラディスを殺意のこもった目でみた。
「ふざけるな...... ヴェルディクが私を騙し嘘をついたからだ」
「嘘だと......」
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リザードマンは驚いている。
「必要だ......」
そう空から声がする。
見上げると真上に黒い球体に包まれたヴェルディクが浮いていた。
「ヴェルディクさま! 本当にガルガンチュアさまは蘇るのですか!!」
(こいつも魔王を蘇らせるつもりだったのか)
「ああ、それには死者が必要だった...... がもう時間もない。 不完全だが、お前たちの犠牲で甦らせることとした......」
「なにをいっている!?」
「いった通りだ......」
そういうとペンダントを掲げた。
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