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第六十話
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「なんだあれ!? でかい!」
山のような大きさの化物が、夕日に照らされて真っ赤にうつる。
「あれはガルガンチュア......」
ディンがつぶやく。
「ばかなっ!! あれがガルガンチュアさまなわけがない!!」
カルファが叫ぶ。
「いいや、あれがガルガンチュアだ...... お前たちの望み通り甦らせた......」
「なんだと...... あれが」
ガルガンチュアと呼ばれた化物は地面を叩きつけ、ただ暴れているだけのように見えた。
「あれではまるでただ暴れているだけではないか...... なぜだ!! なぜあんな風にしたのだ!」
カルファの怒号が響く。
「私はお前たちの望み通り、甦らせらせただけだろう。 残念ながら知能はないがな...... クックッ」
そういって唇を歪める。
「貴様ぁぁぁあ!!」
カルファが涙をながし慟哭する。
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
「シャインダブルバースト」
ーー混沌すら食らう、暴虐の獄炎よ、我が名をもって、その力を顕現させよーー
「カオティックオーバーフレア」
俺とディンの魔法がヴェルディクに向かう。 その爆炎から黒い球体ででてきた。
「......ふっ、このままあの凶王、ガルガンチュアに人間も魔族も滅ぼされるがいい」
そう薄く笑うと、上空から大きな傷を持つワイバーンがあらわれた。
「ガアアアアアア!!」
ワイバーンはブレスを放つ。
「ぐわあああ!!」
俺たちは吹き飛ばされる。
「くそっ!! またあのワイバーン! やっぱりあれもあいつの駒かよ!」
ワイバーンは飛び去るとヴェルディクもその姿を消した。
「今は、あやつよりガルガンチュアだ! このままだと膨大な犠牲が生まれる!」
ディンが叫んだ。
「しかし、あれはもはや災害...... 人間にも魔族にもどうにもできません!」
ミーナが絶望的な顔でそういう。
「ミーナ、お主は女帝だ。 皆を導かねばならん。 そのお主が諦めては皆が道を失う」
そうディンは諭すようにいう。
「そうですね...... 諦めません!!」
ミーナはそういうと、放心している兵士たちに退避指示を出し始めた。
「うそ!! なにあれ!」
そのときネメイオとライゼ、セレネが転移してきた。
「あれはなんですか!? モンスターですか」
「いや、魔王ガルガンチュアらしい」
セレネたちに教える。
「カイゼあやつを倒す方法はあるか!」
「......あれの外皮は多分、人やモンスターの人骨...... ネクロマンシーで甦らせた死者の集合体。 中身に核となる魔力があるはず......」
ディンがきくとセレネの背からライゼがそういった。
「あの宝玉はそういうものだったのか...... ならばやはりアマルセウスさまもあのように使うつもりだったのか」
グラディスは唇を噛む。
「いまはそんなことより、あいつをやるのがさきだ。 いいなカルファだっけ?」
「あ、ああ、あの方をあんなおぞましい姿でいさせないでくれ...... 頼む! ガルガンチュアさまを救ってやってくれ!!」
そういって懇願し泣き崩れる。
「さてやりますか!」
「あとは任せよ!」
「はい、私も」
「やるしかないわね」
「はい! がんぱりましょう!」
みんな顔を見合わせる。
「ばかなのか! あんなのどうにもできないだろう! 死ぬつもりか!」
グラディスがそう声をあらげそういった。
「お前はそいつらの傷でも治してろ」
ティンクルにのって空に向かう。
「できるだけ近づいてくれ! こいつ相手だと多分短時間しか使えん!」
「はい!!」
ティンクルがガルガンチュアに近づく。 こちらに気付き腕が伸びてくる。 ティンクルはかわしブレスを放つ。
「リヴィスタぁぁぁ!!」
その時、下からセレネが黄金の魔力で上へと切り上げる。 ガルガンチュアがその場にとどまる。
ーー我が深淵にたゆたう、源たる力を汝にわけあたえんーー
「......マジックオーバーライド」
ティンクルにのったカイゼが魔法を唱えると、ディンの体が赤く輝く。
ーー混沌を流れる闇と煌めき、あだし奔流するその力をこの現世に顕現させよーー
「カオティックオーバーブラスター」
巨大な黒い砲撃がガルガンチュアのその体をなぎ払う。 バラバラと骨が空中をまう。 体に黒い大きな結晶が見えた。
「よし! フェアネスソウル!!」
背に乗ったネメイオとティンクルからとび降り、ガルガンチュアに向かう。 四本の腕がこちらに迫る。
「うらあああああああ!!!」
それを拳で貫き砕いた。 周囲に骨たちがまう。 俺はその一つ大きなモンスターの骨を土台にガルガンチュアの真上にとんだ。
「いけええええええ!!!」
二つの剣を抜くと両手で、ガルガンチュアの体を結晶ごと地面まで切り裂いた。
「いくわよ!」
背にのったネメイオの転移で地面についた。
「ガアアアアアアアア......」
ガルガンチュアは咆哮するように声をあげて、夕日が沈むのと同時にゆっくりと崩れていった。
山のような大きさの化物が、夕日に照らされて真っ赤にうつる。
「あれはガルガンチュア......」
ディンがつぶやく。
「ばかなっ!! あれがガルガンチュアさまなわけがない!!」
カルファが叫ぶ。
「いいや、あれがガルガンチュアだ...... お前たちの望み通り甦らせた......」
「なんだと...... あれが」
ガルガンチュアと呼ばれた化物は地面を叩きつけ、ただ暴れているだけのように見えた。
「あれではまるでただ暴れているだけではないか...... なぜだ!! なぜあんな風にしたのだ!」
カルファの怒号が響く。
「私はお前たちの望み通り、甦らせらせただけだろう。 残念ながら知能はないがな...... クックッ」
そういって唇を歪める。
「貴様ぁぁぁあ!!」
カルファが涙をながし慟哭する。
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
ーー光よ、瞬き流れ、その輝きを束ねよーー
「シャインダブルバースト」
ーー混沌すら食らう、暴虐の獄炎よ、我が名をもって、その力を顕現させよーー
「カオティックオーバーフレア」
俺とディンの魔法がヴェルディクに向かう。 その爆炎から黒い球体ででてきた。
「......ふっ、このままあの凶王、ガルガンチュアに人間も魔族も滅ぼされるがいい」
そう薄く笑うと、上空から大きな傷を持つワイバーンがあらわれた。
「ガアアアアアア!!」
ワイバーンはブレスを放つ。
「ぐわあああ!!」
俺たちは吹き飛ばされる。
「くそっ!! またあのワイバーン! やっぱりあれもあいつの駒かよ!」
ワイバーンは飛び去るとヴェルディクもその姿を消した。
「今は、あやつよりガルガンチュアだ! このままだと膨大な犠牲が生まれる!」
ディンが叫んだ。
「しかし、あれはもはや災害...... 人間にも魔族にもどうにもできません!」
ミーナが絶望的な顔でそういう。
「ミーナ、お主は女帝だ。 皆を導かねばならん。 そのお主が諦めては皆が道を失う」
そうディンは諭すようにいう。
「そうですね...... 諦めません!!」
ミーナはそういうと、放心している兵士たちに退避指示を出し始めた。
「うそ!! なにあれ!」
そのときネメイオとライゼ、セレネが転移してきた。
「あれはなんですか!? モンスターですか」
「いや、魔王ガルガンチュアらしい」
セレネたちに教える。
「カイゼあやつを倒す方法はあるか!」
「......あれの外皮は多分、人やモンスターの人骨...... ネクロマンシーで甦らせた死者の集合体。 中身に核となる魔力があるはず......」
ディンがきくとセレネの背からライゼがそういった。
「あの宝玉はそういうものだったのか...... ならばやはりアマルセウスさまもあのように使うつもりだったのか」
グラディスは唇を噛む。
「いまはそんなことより、あいつをやるのがさきだ。 いいなカルファだっけ?」
「あ、ああ、あの方をあんなおぞましい姿でいさせないでくれ...... 頼む! ガルガンチュアさまを救ってやってくれ!!」
そういって懇願し泣き崩れる。
「さてやりますか!」
「あとは任せよ!」
「はい、私も」
「やるしかないわね」
「はい! がんぱりましょう!」
みんな顔を見合わせる。
「ばかなのか! あんなのどうにもできないだろう! 死ぬつもりか!」
グラディスがそう声をあらげそういった。
「お前はそいつらの傷でも治してろ」
ティンクルにのって空に向かう。
「できるだけ近づいてくれ! こいつ相手だと多分短時間しか使えん!」
「はい!!」
ティンクルがガルガンチュアに近づく。 こちらに気付き腕が伸びてくる。 ティンクルはかわしブレスを放つ。
「リヴィスタぁぁぁ!!」
その時、下からセレネが黄金の魔力で上へと切り上げる。 ガルガンチュアがその場にとどまる。
ーー我が深淵にたゆたう、源たる力を汝にわけあたえんーー
「......マジックオーバーライド」
ティンクルにのったカイゼが魔法を唱えると、ディンの体が赤く輝く。
ーー混沌を流れる闇と煌めき、あだし奔流するその力をこの現世に顕現させよーー
「カオティックオーバーブラスター」
巨大な黒い砲撃がガルガンチュアのその体をなぎ払う。 バラバラと骨が空中をまう。 体に黒い大きな結晶が見えた。
「よし! フェアネスソウル!!」
背に乗ったネメイオとティンクルからとび降り、ガルガンチュアに向かう。 四本の腕がこちらに迫る。
「うらあああああああ!!!」
それを拳で貫き砕いた。 周囲に骨たちがまう。 俺はその一つ大きなモンスターの骨を土台にガルガンチュアの真上にとんだ。
「いけええええええ!!!」
二つの剣を抜くと両手で、ガルガンチュアの体を結晶ごと地面まで切り裂いた。
「いくわよ!」
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