神に召喚された“願望”、僕は異世界を修正する

曇天

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第十話『修正者《コレクター》が魔力領域へ!食欲と大義と盗賊討伐』

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「これは......」   

「あそこだ...... なにかいる」 

 丸い卵のような装置が開き、中から小型の人のようなものがでてきた。

「グガガ?......」    

「なんだ? 人...... モンスター!?」 

「わからんがくるぞ!」 

 その人型は一瞬で僕たちの前にあらわれた。

(ヤバ......) 

「がっ!」

 衝撃があり、ぼくは地面を転がっていた。 その小型の何かに殴られたようだった。

(くっ、服の強度と、伸縮性を強化してなかったらヤバかった)

「大丈夫かトール!!」

 ディルさまが剣でその小型のものとたたかっている。

「こいつなんだ...... 修正者《コレクター》」

 アンノーン

 体力 40
 筋力 42
 知力 25
 魅力 5
 魔力 38
 運力 10

「なんだ、アンノーン...... ディルさま! そいつ魔力、体力、筋力がすごいです!!」

(とりあえず、筋力と体力を移動させ弱体化を......)

 アンノーンのスピードがおち、ディルさまは戦えている。

「よくやった! なんとか戦えるようになったぞ!」

(だが、一分でもとに戻る。 その前に決着をつけないと...... 出し惜しみなく全力できめる!)

「修正者《コレクター》!!」
 
 アンノーンの地面を柔らかくして足をとり、そして空気を重くする。 アンノーンの動きが更に低下する。

「グガァァ......」

「せいや!!」

 ディルさまの剣がアンノーンをとらえる。

(ディルさまの筋力じゃ、決定打にはならないか! 空気の密度...... いや、空気の濃度、だけど同じ場所にはインターバルが必要だ。 他になにかないか!)

 修正者《コレクター》を使える場所を探す。

「あれは......」

「グガガ!!」

 アンノーンがディルさまに対抗し始めた。

「くっ!」

「ディルさま、胸を剣でついてください!」

「わ、わかった!」

 ディルさまはその剣をアンノーンの胸を突き刺した。

「修正者《コレクター》!!!」
 
「グガァァァ!!!」

 ディルさまの剣はアンノーンの胸を貫くと、アンノーンは悶え倒れた。

「ふぁ、なんとか倒した......」

 ディルさまはその場に座り込んでいる。

「ええ、お疲れ様です。 それにしてもあれはなんなんでしょう? アンノーン...... モンスターなのか」

 倒れているアンノーンをみる。

「わからぬ。 しかしあの固い魔力障壁がなぜか容易く貫けた。 何かしたのか」

「はい、修正者《コレクター》で魔力の密度を下げたんです」

「なるほど、魔力のステータスも変化させられるのか」

 ディルさまは感心するようにいった。


「ギルドでもアンノーンのことはわかりませんでしたね」 

 ぼくたちはギルドで情報を集めたが、めぼしいものはなかった。

「うむ、古代技術でうまれたものだろうからな。 誰もわからぬ。 今はその事はおいておこう。 まずは回復だ」

(確かに、情報が少なすぎるな)

 ディルさまはウキウキして食堂にはいる。

「なに!? 食べ物がないだと!!」

「はぁ、すみません。 最近、盗賊が現れて街道の輸送が滞っているので...... この間も食料が奪われてまして......」 

 食堂の店主は頭を下げた。

「ぐぬぬ...... わらわは回復せねばならぬのに」

「他の町にいくしかないですね」

「......くれる」

「えっ?」
 
「その盗賊ども根絶やしにしてくれる!!」

「まってください! 人はさすがに!」

「ならぬ! 食い物を奪ったそのものは罰を与えねばならぬ! これは大義だ!!」

(完全に私怨だ!)

 ぼくに怒り狂ったディルさまをとめるすべはなかった。


「どこだぁ...... どこにおるぅ...... カハァァ」

 ディルさまは血眼になって盗賊がでるという街道をみてあるく。

(いい加減、王都にいかないと、カレンがぶちギレると思うけどな...... ただディルさまが食べ物の恨みでわれを忘れてるから、とめようもない)

 あきれながらも這うように探しているディルさまについていく。

(だけど魔力も修正者《コレクター》が使える。 これは、かなり有効だな。 モンスターは魔力障壁でまもっているからな。 他にも使えるかもしれない)

 そのとき、左右の木々からぞろぞろと人が現れた。

「ちっ、子供か......」

「もっているものをおいていきな。 けがはさせるつもりはないんだ」

 そう錆びた剣を抜いてこちらに向けいいはなった。

(なんか貧相だな。 ボロボロの服だ)

「貴様らが盗賊か......」

「それがどうした?」

「......トール」

「はい、殺さないでくださいよ。 修正者《コレクター》」  

「なんだ!? 地面が雨でもないのにぬかるむ!」

「せいや!」

 ディルさまが剣で盗賊たちの武器を叩き落とすと、プロレス技で叩きのめす。

「ひぃ!!」

「ぐはっ!」

「ががっ!」

「た、助けてくれ!!」

 盗賊たちはたいした抵抗もせず、容易くディルさまに制圧された。

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