35 / 52
第三十五話「禁忌の魔法と、戦術の再構築」
しおりを挟む
「ミミックさん...... ぼくは」
ミミックさんは横たわるリルガミンをみている。
「君が心を痛める必要はない...... 彼はとっくに死んでいたからね」
「えっ......」
「彼はおそらく闇魔法で、死んだ体に魂を得ていたんだろう」
「ほんとだ! この体、蝋みたいに固い」
ユグナがリルガミンの体を触りそういった。
「そんなこともできるんですか?」
「ああ、闇魔法は理に抗う魔法だ。 故に禁忌、問題は彼がなぜモンスターを産み出していたか...... だ」
「この人、知り合いなんですか」
「ああ、知ってる...... 何せ彼は私を殺した七人のうちの一人、つまり七賢者だ」
「ミミックさんを殺した!? そうかあの石碑に刻まれていた七賢者」
「ああ、ということは、他の六人もいるかもしれないということだね」
ミミックさんが考えるようにいった。
「......そして、何かを企んでいる。 あの魔法もかなり危険なものだった」
「七賢者はかつて、その一人は一夜で都市を灰に変えることもできた」
「それほどのものがあと六人も......」
「とりあえず、この遺体を国に持ち帰ろう。 証拠がないと信じてはもらえないだろう」
ぼくたちは遺体を持ち帰った。
「ふむ...... にわかには信じがたいな」
「ええ、人間がモンスターを操るなど」
大臣とバーロンドが怪訝な顔をしている。 ぼくたちはリルガミンの遺体を持ち、七賢者であることを隠して事情を説明した。
「ですがこの体、不自然ですね。 生きているようで、完全に死体です」
「うむ、腐敗もせずにな...... モンスターが出現しなくなったのは事実、これは調べておくように命じよう」
大臣はそういう。
「それと、お約束の税のことお願いします」
「うむ、わかっておる。 すぐに税を下げるように指示しよう」
「ありがとうございます」
そう約束を交わしぼくたちは城をでた。
「これで、一段落...... と言いたいところだが、やはり調べないといけない。 私は少し調べてくるよ」
「じゃあ、おいらも師匠についてくよ」
「ええ、ぼくは戦い方を考えます」
ぼくたちはそういって別れた。
「戦いかたですか?」
ジェスカは不思議そうにきいた。
「それだけお強いのにまだとは、武人の鏡ですね」
ディガルは腕を組みうなづく。
「いや、そういうことじゃなくて」
「七賢者ですね」
リガイアはそう険しい表情をする。
「ああ、それもある。 七賢者が一人だけとは思えない。 ロードモンスターを産み出して何かをしようとしていた」
「定め...... ですか。 ロードモンスターたちも、人の敵対者が定めだ、といっていました。 それと関係あるのでしょうか」
ジェスカは不安げにそう口にした。
「......おそらく、今ミミックさんが調べにいっているから、ぼくは何とか戦い方を考えないと......」
「そうなると、カイ様の場合、装備か、素体の強化ですか? しかしイビルエンシェントオクトパス以上の素体となると......」
ディガルは首をひねる。
「ああ、なかなかない。 柔らかさと強靭さ、汎用性のあるものか...... とりあえず、素材を複合させてみようと思う」
「そのようなことが可能なのですか?」
リガイアが驚くように言う。
「ああ、かなりの魔力が増えてて可能ではあるけど、そううまくいくかどうか......」
(途方もない時間がかかりそうだな)
「あ、あの」
ジェスカがおどおどとして話をしようとした。
「ん?」
「差し出がましいようですが」
「かまわないよ。 意見はききたい」
「では...... 昔、我が国での帝国の監視に人形をお作りしてましたよね」
「ん、ああ、何体かは動かせるからね」
「なれば、複数の素体を動かしてはいかがでしょう」
「え? そうか、この体じゃなくてもいいのか...... ぼくは一人の体にこだわっていたのか。 人の感覚のままだったから気づかなかったな」
「それならば形状、機能も変えてはいかがでしょうか」
「うむ、素材も変えてもよいかもしれませんね」
ディガルとリガイアもそういう。
「なるほど、ありがとうジェスカ、ヒントがみえてきたよ。 それに、これを使えばいくつかの問題も解決しそうだ」
ジェスカに礼をいう。
「さっそく試してみよう」
それからぼくはいくつかの素体を作り出し、思考を巡らせた。
ミミックさんは横たわるリルガミンをみている。
「君が心を痛める必要はない...... 彼はとっくに死んでいたからね」
「えっ......」
「彼はおそらく闇魔法で、死んだ体に魂を得ていたんだろう」
「ほんとだ! この体、蝋みたいに固い」
ユグナがリルガミンの体を触りそういった。
「そんなこともできるんですか?」
「ああ、闇魔法は理に抗う魔法だ。 故に禁忌、問題は彼がなぜモンスターを産み出していたか...... だ」
「この人、知り合いなんですか」
「ああ、知ってる...... 何せ彼は私を殺した七人のうちの一人、つまり七賢者だ」
「ミミックさんを殺した!? そうかあの石碑に刻まれていた七賢者」
「ああ、ということは、他の六人もいるかもしれないということだね」
ミミックさんが考えるようにいった。
「......そして、何かを企んでいる。 あの魔法もかなり危険なものだった」
「七賢者はかつて、その一人は一夜で都市を灰に変えることもできた」
「それほどのものがあと六人も......」
「とりあえず、この遺体を国に持ち帰ろう。 証拠がないと信じてはもらえないだろう」
ぼくたちは遺体を持ち帰った。
「ふむ...... にわかには信じがたいな」
「ええ、人間がモンスターを操るなど」
大臣とバーロンドが怪訝な顔をしている。 ぼくたちはリルガミンの遺体を持ち、七賢者であることを隠して事情を説明した。
「ですがこの体、不自然ですね。 生きているようで、完全に死体です」
「うむ、腐敗もせずにな...... モンスターが出現しなくなったのは事実、これは調べておくように命じよう」
大臣はそういう。
「それと、お約束の税のことお願いします」
「うむ、わかっておる。 すぐに税を下げるように指示しよう」
「ありがとうございます」
そう約束を交わしぼくたちは城をでた。
「これで、一段落...... と言いたいところだが、やはり調べないといけない。 私は少し調べてくるよ」
「じゃあ、おいらも師匠についてくよ」
「ええ、ぼくは戦い方を考えます」
ぼくたちはそういって別れた。
「戦いかたですか?」
ジェスカは不思議そうにきいた。
「それだけお強いのにまだとは、武人の鏡ですね」
ディガルは腕を組みうなづく。
「いや、そういうことじゃなくて」
「七賢者ですね」
リガイアはそう険しい表情をする。
「ああ、それもある。 七賢者が一人だけとは思えない。 ロードモンスターを産み出して何かをしようとしていた」
「定め...... ですか。 ロードモンスターたちも、人の敵対者が定めだ、といっていました。 それと関係あるのでしょうか」
ジェスカは不安げにそう口にした。
「......おそらく、今ミミックさんが調べにいっているから、ぼくは何とか戦い方を考えないと......」
「そうなると、カイ様の場合、装備か、素体の強化ですか? しかしイビルエンシェントオクトパス以上の素体となると......」
ディガルは首をひねる。
「ああ、なかなかない。 柔らかさと強靭さ、汎用性のあるものか...... とりあえず、素材を複合させてみようと思う」
「そのようなことが可能なのですか?」
リガイアが驚くように言う。
「ああ、かなりの魔力が増えてて可能ではあるけど、そううまくいくかどうか......」
(途方もない時間がかかりそうだな)
「あ、あの」
ジェスカがおどおどとして話をしようとした。
「ん?」
「差し出がましいようですが」
「かまわないよ。 意見はききたい」
「では...... 昔、我が国での帝国の監視に人形をお作りしてましたよね」
「ん、ああ、何体かは動かせるからね」
「なれば、複数の素体を動かしてはいかがでしょう」
「え? そうか、この体じゃなくてもいいのか...... ぼくは一人の体にこだわっていたのか。 人の感覚のままだったから気づかなかったな」
「それならば形状、機能も変えてはいかがでしょうか」
「うむ、素材も変えてもよいかもしれませんね」
ディガルとリガイアもそういう。
「なるほど、ありがとうジェスカ、ヒントがみえてきたよ。 それに、これを使えばいくつかの問題も解決しそうだ」
ジェスカに礼をいう。
「さっそく試してみよう」
それからぼくはいくつかの素体を作り出し、思考を巡らせた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる