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第三十八話「洗脳された民と、黒霧に包まれた巨人」
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わ それからぼくたちは、いくつかの魔王のダンジョンでロードモンスターを倒していった。
「あれから数ヶ月、魔王のダンジョンを破壊してきましたけど、七賢者はいませんでしたね」
「ああ、倒した二人が連絡ができないから、それを不審におもって動かないのかもしれないね。 あれから魔王のダンジョンも増えていない」
「なるほど...... それならこのまま魔王のダンジョンを潰してしまいましょう」
「そうだね」
「カイさま!」
その時、ぼくのダンジョンに連絡役の獣人が戻ってきた。 その表情からあまりよくない便りがあることはみてとれた。
「えっ? ジェスカと連絡がとれなくなった」
「はい、ジェスカさまと急に連絡が途切れて、ラクアーク王国にいった他のものたちも......」
「伝えてきた最後の連絡は?」
「三日前、町がおかしいと...... それを調べるとも」
「ミミックさん」
「ああ、ラクアーク王国に向かおう」
ぼくたちはジェスカを探すためにラクアークへと向かった。
「ここがラクアーク王国、誰もいないよ?」
ユグナがいう。 町にはいるとそこは無人だった。
「これは...... どういうことだ」
「ああ、国境の警備兵すらいなかった。 誰もいないなんて」
そこにはすこし前まで生活していたような形跡があった。
「急にいなくなったみたいですね。 モンスターに襲われたような形跡もない。 どういうことだろう?」
「自分たちで動いていったみたいだ......」
ユグナはそう口にした。
「確かに、拐われたにしては壊された様子もないですね」
「ああ、闇魔法には洗脳や操作魔法もある。 そういった魔法を使ったのかも。 とりあえず、ユグナくん魔力を感知してくれるかい」
「わかった」
ミミックさんにいわれて、ユグナが空を飛び目をつぶる。
「東の方にすこし魔力を感じるよ」
「東...... 城のほうだ」
地図をみながらミミックさんがいう。
「城か、いってみましょう」
ぼくたちは城へと向かった。
城に近づく。 シルバーウイングを放ち、城の内部をみる。 そこには大勢の人々が感情もなく虚ろな目をして立ち尽くしていた。
「なにか人々が集まっていて意志がないようにたっていますね」
「ふむ、やはり洗脳の類いか...... 入ってみよう」
ぼくたちは人々の間を抜けながら城内部へと入る。
城にも大勢の人たちがひしめき合うようにいて、その間をぬってすすむ。
「一体こんなにひとを集めてどうするつもりなんでしょう?」
「わからないな...... しかしこれほどの人間を洗脳するには途方もない魔力が必要だ。 並みの魔法使いじゃない」
(ということは、七賢者がいる可能性が高いということか......)
「地下のほうからいやな魔力を感じるよ」
ユグナが鞄から顔をだす。
「どうやら、そこでなにかをしているようだね」
「行きましょう」
地下へはいる。 水路がありその壁づたいに部屋がある。 そこはかつて牢屋だったのだろう。 人はいないが鉄の格子の部屋が点在する。
魔力のする奥へと向かう。
「ひっ!」
ユグナが鞄に隠れた。 水路から遺体とみられるものが流れてきた。
「これは......」
「ああ、死んでいる。 だが魔力を全く感じない」
「それはどういうことです?」
「どんな小さな動物も魔力は帯びている。 人間ならなおさらだ。 おそらく魔力を奪われているのだろうね」
「じゃあ、この国の人たちは!! まずい! ジェスカ!」
「早くいこう!」
ぼくたちは走り奥へと入った。
そこは新しく作られたようで祭壇のようになっていた。 大勢の人々が無表情でたっている。
「あそこに!」
多くの人たちの中に獣人、そしてジェスカもいた。 ぼくはジェスカにかけより揺さぶる。
「ジェスカ! しっかりして!」
「ああ......」
目の焦点があってない。
「魔法がかかっている。 すこし待って」
ミミックさんが呪文を唱えると、ジェスカの目に光が宿る。
「カイさま...... 私...... ここは......」
「よし、戻った」
「何者だ...... 貴様はリステンド」
そこにはとなりに巨人をつれた長身で若い男がいて、こちらをみて驚いている。
「トランタム。 七賢者だ」
「なるほど、リルガミン、バリグラがいなくなったのは貴様のせいか」
「あなた方七賢者は一体なにをしている」
「......この世界は終わりが決まっているのだ。 それを我々は知った。 もはやどうすることもできぬ」
「終わり...... どういうことだ!」
「もはや抗うことも意味はない」
トランタムから黒い霧のように禍々しい魔力が噴出し、それは巨人の口や目、耳から入り込み、巨人の皮膚がさけ苦しみだす。 そして巨人とトランタムが黒い霧に包まれ姿を消した。 中ではなにかがうごめいている。
「黒い霧の中に......」
「今のうちにここの人たちを逃がすよ! レビテイト、これだけの人数を浮かせて動かすと魔力を全て失う、ダンジョンさん! なんとかトランタムをとめてくれ!」
「わかりました! ジェスカ! ミミックさんとともに早くみんなを外に!」
「は、はい......」
ミミックさんは魔法で浮かせた人々を連れて外に向かった。
「なんかすごい魔力を感じる!!」
ユグナのいうとおり先ほどとは比べようのない魔力が、黒い霧から放たれた。
そこにいたのは巨人と同化したトランタムだった。
「あれから数ヶ月、魔王のダンジョンを破壊してきましたけど、七賢者はいませんでしたね」
「ああ、倒した二人が連絡ができないから、それを不審におもって動かないのかもしれないね。 あれから魔王のダンジョンも増えていない」
「なるほど...... それならこのまま魔王のダンジョンを潰してしまいましょう」
「そうだね」
「カイさま!」
その時、ぼくのダンジョンに連絡役の獣人が戻ってきた。 その表情からあまりよくない便りがあることはみてとれた。
「えっ? ジェスカと連絡がとれなくなった」
「はい、ジェスカさまと急に連絡が途切れて、ラクアーク王国にいった他のものたちも......」
「伝えてきた最後の連絡は?」
「三日前、町がおかしいと...... それを調べるとも」
「ミミックさん」
「ああ、ラクアーク王国に向かおう」
ぼくたちはジェスカを探すためにラクアークへと向かった。
「ここがラクアーク王国、誰もいないよ?」
ユグナがいう。 町にはいるとそこは無人だった。
「これは...... どういうことだ」
「ああ、国境の警備兵すらいなかった。 誰もいないなんて」
そこにはすこし前まで生活していたような形跡があった。
「急にいなくなったみたいですね。 モンスターに襲われたような形跡もない。 どういうことだろう?」
「自分たちで動いていったみたいだ......」
ユグナはそう口にした。
「確かに、拐われたにしては壊された様子もないですね」
「ああ、闇魔法には洗脳や操作魔法もある。 そういった魔法を使ったのかも。 とりあえず、ユグナくん魔力を感知してくれるかい」
「わかった」
ミミックさんにいわれて、ユグナが空を飛び目をつぶる。
「東の方にすこし魔力を感じるよ」
「東...... 城のほうだ」
地図をみながらミミックさんがいう。
「城か、いってみましょう」
ぼくたちは城へと向かった。
城に近づく。 シルバーウイングを放ち、城の内部をみる。 そこには大勢の人々が感情もなく虚ろな目をして立ち尽くしていた。
「なにか人々が集まっていて意志がないようにたっていますね」
「ふむ、やはり洗脳の類いか...... 入ってみよう」
ぼくたちは人々の間を抜けながら城内部へと入る。
城にも大勢の人たちがひしめき合うようにいて、その間をぬってすすむ。
「一体こんなにひとを集めてどうするつもりなんでしょう?」
「わからないな...... しかしこれほどの人間を洗脳するには途方もない魔力が必要だ。 並みの魔法使いじゃない」
(ということは、七賢者がいる可能性が高いということか......)
「地下のほうからいやな魔力を感じるよ」
ユグナが鞄から顔をだす。
「どうやら、そこでなにかをしているようだね」
「行きましょう」
地下へはいる。 水路がありその壁づたいに部屋がある。 そこはかつて牢屋だったのだろう。 人はいないが鉄の格子の部屋が点在する。
魔力のする奥へと向かう。
「ひっ!」
ユグナが鞄に隠れた。 水路から遺体とみられるものが流れてきた。
「これは......」
「ああ、死んでいる。 だが魔力を全く感じない」
「それはどういうことです?」
「どんな小さな動物も魔力は帯びている。 人間ならなおさらだ。 おそらく魔力を奪われているのだろうね」
「じゃあ、この国の人たちは!! まずい! ジェスカ!」
「早くいこう!」
ぼくたちは走り奥へと入った。
そこは新しく作られたようで祭壇のようになっていた。 大勢の人々が無表情でたっている。
「あそこに!」
多くの人たちの中に獣人、そしてジェスカもいた。 ぼくはジェスカにかけより揺さぶる。
「ジェスカ! しっかりして!」
「ああ......」
目の焦点があってない。
「魔法がかかっている。 すこし待って」
ミミックさんが呪文を唱えると、ジェスカの目に光が宿る。
「カイさま...... 私...... ここは......」
「よし、戻った」
「何者だ...... 貴様はリステンド」
そこにはとなりに巨人をつれた長身で若い男がいて、こちらをみて驚いている。
「トランタム。 七賢者だ」
「なるほど、リルガミン、バリグラがいなくなったのは貴様のせいか」
「あなた方七賢者は一体なにをしている」
「......この世界は終わりが決まっているのだ。 それを我々は知った。 もはやどうすることもできぬ」
「終わり...... どういうことだ!」
「もはや抗うことも意味はない」
トランタムから黒い霧のように禍々しい魔力が噴出し、それは巨人の口や目、耳から入り込み、巨人の皮膚がさけ苦しみだす。 そして巨人とトランタムが黒い霧に包まれ姿を消した。 中ではなにかがうごめいている。
「黒い霧の中に......」
「今のうちにここの人たちを逃がすよ! レビテイト、これだけの人数を浮かせて動かすと魔力を全て失う、ダンジョンさん! なんとかトランタムをとめてくれ!」
「わかりました! ジェスカ! ミミックさんとともに早くみんなを外に!」
「は、はい......」
ミミックさんは魔法で浮かせた人々を連れて外に向かった。
「なんかすごい魔力を感じる!!」
ユグナのいうとおり先ほどとは比べようのない魔力が、黒い霧から放たれた。
そこにいたのは巨人と同化したトランタムだった。
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