50 / 52
第五十話「別れと自立、理の外へ向かう者」
しおりを挟む
ぼくとミミックさんは自分たちの正体を明かした。
「ダンジョンにミミック...... そしてかつての魔女リステンド...... 亜人種族と共に生きている。 にわかには信じられん」
皇帝は言葉を失う。
「本当にそんなことがあるのか」
「厄災の魔女リステンド......」
「騙そうとしているのではないか」
他の王たちからも疑問がでた。
「私は信じよう」
ラクアーク王が声をあげると、サロマス王、そして魔王のダンジョンを破壊された国々の王たちが次々にうなずいた。
「彼らは幾度も我らを救ってくれた。信じるに値する」
「新たなダンジョンが生まれた。それは神のダンジョンと同じもの……ならば、信じよう」
ぼくたちが魔王のダンジョンを破壊した国から次々と声が上がる。
「ふむ...... どうやら敵意はないようだ。 しかしどうするのだ、管理者と話すなど...... 我らは、民は苦しむことになるのだぞ」
皇帝はおびえるようにいった。
「ぼくたちだけで行きます。 それならばあなた方に迷惑はかからないでしょう。 ぼくたちが帰らない場合、あなた方人間たちで結論を出してください。 ただ亜人種族と精霊に対する同等の権利を求めます」
「それならば...... しかし相手は神たる管理者。 そなたたちがいくら強くともなにかできるとは思えぬ」
皇帝はそういって目を伏せた。
「私たちも転生という理の外の存在。 人外は人外に任せておきなさい。 それより、亜人種族と精霊の件頼みますよ」
「......わかった。 亜人種族と精霊とやらは我らが責任を持とう」
「すまぬ。 管理者とは戦えぬ......」
サロマス王やラクアーク王たちがうなづく。
「ええ、ぼくたちが何とかします」
ぼくたちは黒のダンジョンへと向かうことにした。
「しかし、あのときは大変だったね」
「ええ」
ぼくたちはダンジョンに戻り、皆に事情を話した。
「なれば我らもお供します!!」
「......これはミミックさんとぼくでいく」
「なぜです! 我らはあなたと共に生きて死ぬつもりです!」
「管理者がなんなのかがわからない。 物理も魔法も効かないかもしれない。 それに理の外の存在なら、どんなことがおこるかわからないんだ」
皇帝が黒のダンジョンに派兵したとき、兵士たちが消滅した話をきいていた。
「そんなことはかまいません!」
「我らはあなたに命を救われた身!」
「なぜリステンドさまとカイさまが、命をかける必要があるのですか!」
「ぼくたちはイレギュラーな存在...... 本来ここにいるべき存在じゃないんだ。 管理者もそうだ。 ぼくは転生前ですらなかったいきる意味をもらった...... それで充分さ」
「でも...... 私たちはあなたを守りたい......」
ジェスカの目から涙がこぼれた。
「ジェスカ、ダンジョンさんも私も自分の存在について、悩むこともある。 我々はなんなのかとね。 永遠に生きていくのなら、それは不幸なことでもあるだろう......」
「確かに、我らの都合で永遠にカイさまやリステンドさまに生きていてくれなんて、傲慢な話だな」
「で、でも師匠......」
「やめよユグナ、お二方が人間たちと我らに対等の権利を得てくれたのだ。 我らは我らで生きていかねばならぬ。 いつまでも依存していくわけにもいくまい」
ディガルは目を伏せていった。
「......そうだな。 我らは自分たちで生きぬかねばならない」
そういってリガイアは皆をみた。みんなは静かにうなづく。
「それならばこれをお使いください」
グルコフが差し出した腕輪は、青白く脈打っていた。
「これはレビテイトの魔力を込めたもの。空間の重力にも耐えられるはず」
ぼくがそれを腕に装着すると、体がふわりと軽くなった。
「これなら……全てのダンジョンを集めても、動ける」
ぼくは静かに目を閉じ、体を収縮させる。 すると 空間がうねり始め、ぼくの中に無数の階層が吸い込まれていく。
仲間たちはその光景を、言葉もなく見つめていた。
(みんな納得して送り出してくれた。 彼らのためにも自分たちのためにも管理者をとめないと)
「......皆は避難所に一時的に身をよせ、自立の道を模索しています」
「うむ、本来そうすべきだからね。 我々も全てに決着をつけよう」
「ええ、ぼくも魔核石が心臓の位置にあります」
「つまり一撃でも死ぬ可能性があるということか、その時は私もおそらく...... ただもはや引けない」
(ミミックさんも覚悟を決めている)
「はい」
そして黒い石のようなものでできた遺跡が目にはいってきた。
「ダンジョンにミミック...... そしてかつての魔女リステンド...... 亜人種族と共に生きている。 にわかには信じられん」
皇帝は言葉を失う。
「本当にそんなことがあるのか」
「厄災の魔女リステンド......」
「騙そうとしているのではないか」
他の王たちからも疑問がでた。
「私は信じよう」
ラクアーク王が声をあげると、サロマス王、そして魔王のダンジョンを破壊された国々の王たちが次々にうなずいた。
「彼らは幾度も我らを救ってくれた。信じるに値する」
「新たなダンジョンが生まれた。それは神のダンジョンと同じもの……ならば、信じよう」
ぼくたちが魔王のダンジョンを破壊した国から次々と声が上がる。
「ふむ...... どうやら敵意はないようだ。 しかしどうするのだ、管理者と話すなど...... 我らは、民は苦しむことになるのだぞ」
皇帝はおびえるようにいった。
「ぼくたちだけで行きます。 それならばあなた方に迷惑はかからないでしょう。 ぼくたちが帰らない場合、あなた方人間たちで結論を出してください。 ただ亜人種族と精霊に対する同等の権利を求めます」
「それならば...... しかし相手は神たる管理者。 そなたたちがいくら強くともなにかできるとは思えぬ」
皇帝はそういって目を伏せた。
「私たちも転生という理の外の存在。 人外は人外に任せておきなさい。 それより、亜人種族と精霊の件頼みますよ」
「......わかった。 亜人種族と精霊とやらは我らが責任を持とう」
「すまぬ。 管理者とは戦えぬ......」
サロマス王やラクアーク王たちがうなづく。
「ええ、ぼくたちが何とかします」
ぼくたちは黒のダンジョンへと向かうことにした。
「しかし、あのときは大変だったね」
「ええ」
ぼくたちはダンジョンに戻り、皆に事情を話した。
「なれば我らもお供します!!」
「......これはミミックさんとぼくでいく」
「なぜです! 我らはあなたと共に生きて死ぬつもりです!」
「管理者がなんなのかがわからない。 物理も魔法も効かないかもしれない。 それに理の外の存在なら、どんなことがおこるかわからないんだ」
皇帝が黒のダンジョンに派兵したとき、兵士たちが消滅した話をきいていた。
「そんなことはかまいません!」
「我らはあなたに命を救われた身!」
「なぜリステンドさまとカイさまが、命をかける必要があるのですか!」
「ぼくたちはイレギュラーな存在...... 本来ここにいるべき存在じゃないんだ。 管理者もそうだ。 ぼくは転生前ですらなかったいきる意味をもらった...... それで充分さ」
「でも...... 私たちはあなたを守りたい......」
ジェスカの目から涙がこぼれた。
「ジェスカ、ダンジョンさんも私も自分の存在について、悩むこともある。 我々はなんなのかとね。 永遠に生きていくのなら、それは不幸なことでもあるだろう......」
「確かに、我らの都合で永遠にカイさまやリステンドさまに生きていてくれなんて、傲慢な話だな」
「で、でも師匠......」
「やめよユグナ、お二方が人間たちと我らに対等の権利を得てくれたのだ。 我らは我らで生きていかねばならぬ。 いつまでも依存していくわけにもいくまい」
ディガルは目を伏せていった。
「......そうだな。 我らは自分たちで生きぬかねばならない」
そういってリガイアは皆をみた。みんなは静かにうなづく。
「それならばこれをお使いください」
グルコフが差し出した腕輪は、青白く脈打っていた。
「これはレビテイトの魔力を込めたもの。空間の重力にも耐えられるはず」
ぼくがそれを腕に装着すると、体がふわりと軽くなった。
「これなら……全てのダンジョンを集めても、動ける」
ぼくは静かに目を閉じ、体を収縮させる。 すると 空間がうねり始め、ぼくの中に無数の階層が吸い込まれていく。
仲間たちはその光景を、言葉もなく見つめていた。
(みんな納得して送り出してくれた。 彼らのためにも自分たちのためにも管理者をとめないと)
「......皆は避難所に一時的に身をよせ、自立の道を模索しています」
「うむ、本来そうすべきだからね。 我々も全てに決着をつけよう」
「ええ、ぼくも魔核石が心臓の位置にあります」
「つまり一撃でも死ぬ可能性があるということか、その時は私もおそらく...... ただもはや引けない」
(ミミックさんも覚悟を決めている)
「はい」
そして黒い石のようなものでできた遺跡が目にはいってきた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる