オルタナティブバース

曇天

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第三十九話

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「ほぉ! すごいもんだねぇ!」

 ラバンドさんは城の内外をみて感嘆している。

「すみません。 こんなことになって」 

「まあ、かまやしないよ。 どうせあの国にいたら捕まってるのがオチさ。 当分ここで暮らさせてもらうよ。 ただ工房はほしいね」

「ええ、用意します」

 ラバンドさんは気に入ったようで城をみて回っている。

「さて、建物はすぐつくれるが、襲ってくるものたちの対策をどうするか」

「それは私たちがまもればいいんじゃない」

「天空船で攻められても小さいからのってる数は少ないはず、分散されると厄介ではあるが」

 テラリスは考えている。

「おれたちは暴れたからバルトランドにはいけないな」

「ならばルーテシアに一度おりればいい。 私も国で情報を得よう」

 テラリスがそういう。

 おれたちはルーテシアのはしの草原上空にとまり、ルーテシアでクラフトの素材を集めた。


 それからクエイグさんを連れてテラリスが帰ってきた。

「これはすごいな!」

 クエイグさんは驚いている。

「どうしたんです? クエイグさんわざわざここにきて」

「ああ......」

 クエイグさんとテラリスは困った顔をした。

「じつはロニーニ村がな......」

「ロニーニ村ってディーナのいた村ね」

「そこの村人が困っているんだ」 

 二人から話を聞くと、どうやら戦争に男が駆り出されることで、村が窮地におちいっているという。

「......男手がなくなればこまるね」 

 おれはアイと顔を見合わせる。

「生活が成り立たなくなる...... どこかに移動させられないかな」

 みんな沈黙した。

「無理だな。 どこにもいく場所なんてない。 西の大陸ぐらいだが、生活ができる場所じゃない。 二人がつくった町でさえ、東の国々から逃れてきた難民で手一杯だしな」

 そうテラリスは拳を握り唇をかむ。

「......やはり、ここに呼ぶしかないな」

「ここに来たら戦いに巻き込まれるぞ」

 おれにヤマトはそういった。

「だけど...... このままだと村が滅ぶ。 他のところに行き場がないといってたし」
 
「呼んで、なんとか守りを固めるしかないよ」

 そうアイもいうとヤマトもうなづく。

「しかたないな」

 おれたちはロニーニ村の人たちを呼ぶことに決めた。


「本当によろしいのですか......」

 村長さんがそういった。 一週間かけて村人を城へと迎えた。 その間に建物をたてた。

「ええ、でもプレイヤー襲撃の危険があるかもしれません」

「このままだと滅ぶのは確定ですので、かまいません」

「ええ」

「我々にこの場所をお貸しください」

「攻めてきたら我々も戦います!」

 そう村人たちは覚悟を決めたように口々にいう。

「なら、あとで訓練をしましょう。 すこしは戦える人をつくりたい」

「あとはおれに任せろ。 村のものたちと町をつくる!」

「お願いしますクエイグさん」

「サナさん!」

 ディーナが駆け寄ってきた。

「ディーナ久しぶり」

「はい! 本当に助かりました。 あのままだったら......」

 そう目を伏せる。

「本格的に戦争に向かってるみたいね」

「ああ、我が国も連合に参加して兵力を増強しているとのことだ。 東の大陸はほぼプレイヤーの支配下におかれた」

 アイとテラリスがそう話した。


「レキさんも船を手に入れたって?」

「ええ、遺跡から見つけたらしいね。 魔宝玉《マギカオーブ》も手に入れたらしい」

 アイはうなづく。

(一応これでレキさんが、他の組織と対抗はできるか)

「ここに攻めてくるのは難しいけど、警護は必要だ。 おれたちと村人たちだけじゃきつい」

「強いやつだな。 プレイヤーに協力してもらうか」

 ヤマトがそういうと、アイがくびをふる。

「もう戦わない人間以外、みんな帰るために動くか、それを阻止するか、勝手に動いているかの三勢力だよ」

「じゃあ、NPC《ノンプレイヤーキャラクター》で強いものを探すしかないな」

「あんまり強くないが、おれの部下だった海賊は連れてこよう」

「ああ、ヤマト頼む。 装備を与えて訓練すればなんとか戦力になる。 あとはテラリスあてはないか」

「国に属してない強いものか...... それなら【ラクセス傭兵団】だろうな」

「ラクセス傭兵団、ああクワイアさんのいた」

「知ってるのか?  どこの国にも所属しない傭兵たちだ...... ただ簡単に力を貸してくれるものたちではない。 プレイヤーのようにモンスター討伐などの依頼を受けて活動している」

「プレイヤーと同じってことか?」 

 ヤマトが聞く。

「まあそうだが、プレイヤーは報酬のないものなどや弱いモンスター討伐や護衛などはあまり受けてはくれないからな。 それに、横柄な態度だからあまり依頼したがらないんだ」

「それでお金で依頼できるかな」

「まあ、可能だろうが、あまりプレイヤーをよくは思ってはないと思うぞ」

 テラリスは困惑しつつそういった。

『レアシナリオ【傭兵団】推奨レベル25』

「シナリオが始まったな」

 おれたちはルーテシアにおり、傭兵協会をたずねる。


「............」

 町に入ってからアイがなにかを考えている。

「どうしたアイ?」

「いや、リンキュルが落ち込んでるようなの......」

「ああ、古代遺跡から帰ってからおかしいな。 元々おしゃべりな方じゃなかったが、それがさらに沈黙が多い。 ゴーレムを作ってるようだが...... 声をかけづらい」

 テラリスも悲しげにそういった。

(確かにあれからかわったな。 話しかけても壁みたいなのを感じる)

「帰ったらよく話をしよう」

「そうだね。 あっ、あそこみたい」

 その建物の近くに武器をもつ大勢の男女がいる。

「あれが傭兵か」

「なんか怖いね」

「まあ、私たちの方が強いだろうがな」

 おれたちは建物にはいる。
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