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第二話
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「許してくださーい!」
そう叫ぶ木に吊るした自称女神をおれは見上げていた。
「さっさともとの世界に戻せ!」
「さっき言ったように、もう戻せません。 転移に全て使ってしまって力が残ってないんです......」
しゅんとした顔で女神はいった。
「なんだと!! どうすんだ! 異世界だぞ!」
「ですから、私の信仰心を増やせば力が戻り帰れますよ」
そう女神はペロッと舌をだした。
「もう終わりだ...... こんな頭がせつないやつ、信仰なんて得られるわけがない」
おれは地面に突っ伏しなげいた。
「誰が、頭がせつないやつなんですか! それに私じゃなくてあなたが頑張ればよいのです」
「おれが?」
「ええ、あなたが支持されれば、自ずとその守護の私の信仰心がたまります」
「......それならまだ。 いやただの学生が支持なんてされるか!」
「確かにあなたはごく普通の人間です。 しかぁし! あなたには私が特殊な力を与えていますぅ!」
「な、なんだと!? そういやそんなこと言ってたな」
「はい、ですのでこの世界での活躍は約束されたようなもの。 ですのでおろーしてー」
そう自信ありげに女神はいい、いもむしみたいに体をふっている。
(こいつに頼らなくてすめるなら、可能かもな)
「更に! 今ならこの女神ティティファもついてきます!」
「あっ、それはけっこうです」
おれは去ろうとする。
「どうして!? まって! こんなところにおいてかれたらモンスターに食べられちゃう! なんで一切振り向かずにあるいていけるんですか! まって! まって! あっ! ぶほっ!」
女神が体をふりまくると、つるが切れて顔面から地面に落ちた。
「しょうがない。 めんどくせえけど、この世界のことはわからんからつれていくか。 しょーがないけど」
「しょうがないを二回も言わないで!」
つるを肩にかけ引っ張る。
「まって! ほどいて! なんでそのままひきずるの! 顔が! ぶぶぶ!!」
「それでお前はなにができるんだ? あん? はやくいえ」
森を女神と二人であるく。 町へといくといわれ不本意ながらついていっていた。
「なんでヤンキーみたいに聞くんですか? 私女神ですよ。 私は回復や浄化魔法が使えます、女神ですからね! ただティティファさまではなくティティと呼んでください。 女神だとばれると厄介なんで、私ちょっとバンピーじゃないんで」
そう肩をすくめ両手をだした腹の立つ顔で女神はいった。
「ああ、別に最初からさま付けで呼ぶつもりなんてない。 でも回復と浄化か、腐っても女神だな」
「えへへ、まあそれほどでもありますけどね。 まあ大舟に乗った気でまかせてください! ぶへっ!」
そういって前に歩いていったティティはなにもないところで転んだ。
(とてつもなく不安だ。 こんな泥舟あてにならん。 自分でなんとかしないとな)
そう心に決めた。
森をぬけ町をみつけはいる。 そこにはRPGのような町並みがあった。
「ここが町か、意外にきれいだな。 ヨーロッパとは違うのか。 あっ、なんか言葉はわかるな」
「ええ、その辺は私の力で脳ミソいじくったんで大丈夫です」
「ふざけんな! 脳ミソいじくったのが大丈夫じゃないんだよ!」
「そんなことより、あそこにいきますよ」
うさんくさそうな男女がいる大きな建物を指差した。
「なんだあれ? 武器をもったやばそうなやつらがいるぞ」
「まあ、入りましょう」
言われるまま建物にはいる。 中も同じような者たちが酒を飲んでいる。
「ここはどこなんだよ」
「冒険者ギルドです」
「冒険者ギルド? なんだそれ」
「さまざまな国にあるお金でなんでもやってくれる何でも屋ですね。 私たちはこの世界の通貨をもっていませんし、魔王の情報もえないといけません。 それにはギルドに入るのが手っ取り早いのですよ」
「なるほど、情報と金をえるために所属するのか」
「さあ、いきますよ! ごめんくださーい! 水道メーター回ってるんでいるのわかってんすよ」
ティティはカウンターで人を呼ぶ。
「なんで居留守してるみたいにいってんの?」
「は、はい、今日はなにようでしょう?」
少し困惑したような受付嬢があらわれ席についた。
「登録をしたいのです! 二名です!」
「わかりましたパーティーでのご登録ですね。 ではまず適正確認のためロングイヤーを討伐してきてください」
そういって受付の女の人はカードを一枚くれた。
「それは倒したモンスターから放たれる魔力を感知する冒険者カードとなっております」
「モンスターを倒せばいいってことか」
「はい。 では倒せたらこちらにきてください。 正式な登録とさせていただきます」
おれたちはギルドを出た。
「さていきましょう!」
「いけるか!」
「へ?」
「へ? じゃねーよ。 そもそも武器もなもないんだぞ。 死ににいくつもりか」
「私の回復魔法なら、即死しなければ回復できますよ。 多分、おおよそ、おそらく、かもしれないです」
「......絶対にいやだ。 装備を手に入れるぞ」
「お金ないんですよ」
ブーブー言う女神をつれて、バイトを探した。
そう叫ぶ木に吊るした自称女神をおれは見上げていた。
「さっさともとの世界に戻せ!」
「さっき言ったように、もう戻せません。 転移に全て使ってしまって力が残ってないんです......」
しゅんとした顔で女神はいった。
「なんだと!! どうすんだ! 異世界だぞ!」
「ですから、私の信仰心を増やせば力が戻り帰れますよ」
そう女神はペロッと舌をだした。
「もう終わりだ...... こんな頭がせつないやつ、信仰なんて得られるわけがない」
おれは地面に突っ伏しなげいた。
「誰が、頭がせつないやつなんですか! それに私じゃなくてあなたが頑張ればよいのです」
「おれが?」
「ええ、あなたが支持されれば、自ずとその守護の私の信仰心がたまります」
「......それならまだ。 いやただの学生が支持なんてされるか!」
「確かにあなたはごく普通の人間です。 しかぁし! あなたには私が特殊な力を与えていますぅ!」
「な、なんだと!? そういやそんなこと言ってたな」
「はい、ですのでこの世界での活躍は約束されたようなもの。 ですのでおろーしてー」
そう自信ありげに女神はいい、いもむしみたいに体をふっている。
(こいつに頼らなくてすめるなら、可能かもな)
「更に! 今ならこの女神ティティファもついてきます!」
「あっ、それはけっこうです」
おれは去ろうとする。
「どうして!? まって! こんなところにおいてかれたらモンスターに食べられちゃう! なんで一切振り向かずにあるいていけるんですか! まって! まって! あっ! ぶほっ!」
女神が体をふりまくると、つるが切れて顔面から地面に落ちた。
「しょうがない。 めんどくせえけど、この世界のことはわからんからつれていくか。 しょーがないけど」
「しょうがないを二回も言わないで!」
つるを肩にかけ引っ張る。
「まって! ほどいて! なんでそのままひきずるの! 顔が! ぶぶぶ!!」
「それでお前はなにができるんだ? あん? はやくいえ」
森を女神と二人であるく。 町へといくといわれ不本意ながらついていっていた。
「なんでヤンキーみたいに聞くんですか? 私女神ですよ。 私は回復や浄化魔法が使えます、女神ですからね! ただティティファさまではなくティティと呼んでください。 女神だとばれると厄介なんで、私ちょっとバンピーじゃないんで」
そう肩をすくめ両手をだした腹の立つ顔で女神はいった。
「ああ、別に最初からさま付けで呼ぶつもりなんてない。 でも回復と浄化か、腐っても女神だな」
「えへへ、まあそれほどでもありますけどね。 まあ大舟に乗った気でまかせてください! ぶへっ!」
そういって前に歩いていったティティはなにもないところで転んだ。
(とてつもなく不安だ。 こんな泥舟あてにならん。 自分でなんとかしないとな)
そう心に決めた。
森をぬけ町をみつけはいる。 そこにはRPGのような町並みがあった。
「ここが町か、意外にきれいだな。 ヨーロッパとは違うのか。 あっ、なんか言葉はわかるな」
「ええ、その辺は私の力で脳ミソいじくったんで大丈夫です」
「ふざけんな! 脳ミソいじくったのが大丈夫じゃないんだよ!」
「そんなことより、あそこにいきますよ」
うさんくさそうな男女がいる大きな建物を指差した。
「なんだあれ? 武器をもったやばそうなやつらがいるぞ」
「まあ、入りましょう」
言われるまま建物にはいる。 中も同じような者たちが酒を飲んでいる。
「ここはどこなんだよ」
「冒険者ギルドです」
「冒険者ギルド? なんだそれ」
「さまざまな国にあるお金でなんでもやってくれる何でも屋ですね。 私たちはこの世界の通貨をもっていませんし、魔王の情報もえないといけません。 それにはギルドに入るのが手っ取り早いのですよ」
「なるほど、情報と金をえるために所属するのか」
「さあ、いきますよ! ごめんくださーい! 水道メーター回ってるんでいるのわかってんすよ」
ティティはカウンターで人を呼ぶ。
「なんで居留守してるみたいにいってんの?」
「は、はい、今日はなにようでしょう?」
少し困惑したような受付嬢があらわれ席についた。
「登録をしたいのです! 二名です!」
「わかりましたパーティーでのご登録ですね。 ではまず適正確認のためロングイヤーを討伐してきてください」
そういって受付の女の人はカードを一枚くれた。
「それは倒したモンスターから放たれる魔力を感知する冒険者カードとなっております」
「モンスターを倒せばいいってことか」
「はい。 では倒せたらこちらにきてください。 正式な登録とさせていただきます」
おれたちはギルドを出た。
「さていきましょう!」
「いけるか!」
「へ?」
「へ? じゃねーよ。 そもそも武器もなもないんだぞ。 死ににいくつもりか」
「私の回復魔法なら、即死しなければ回復できますよ。 多分、おおよそ、おそらく、かもしれないです」
「......絶対にいやだ。 装備を手に入れるぞ」
「お金ないんですよ」
ブーブー言う女神をつれて、バイトを探した。
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