やり直しの大魔王の弟子

曇天

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第四十六話 妖精女王

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 オレたちが妖精たちに近づくと、気づいた妖精たちは四方に慌てて逃げていく。

「ええ!? なんかかなしー」  

「しょうがないわよ。
 妖精ってのは本来、臆病て保守的な種族なの」

「お前と真逆だな」

 ドガッ! バイン! ドサッ!!

「ぐほお!!」

「ほー、かなり高くバウンドしたの!」

「な、殴るな一瞬目の前に妖精さんが飛び回ったろ!」

「うるさい!」

 前から人がやってきた。

「お待ちしておりました。
 私はメイゼリナ こちらへどうぞ」

 その金髪で優雅な物腰の女性はそういった。
 オレたちはメイゼリナについていく。
 そこはいくつもの大きな木に巣箱みたいな小さな家が連なる。

「ほー、これが妖精の国か、なんか童話の世界だな」

「それより、あのものおそらく精霊だな」

「わらわもそう思いますベル様」

 メイゼリナは人間サイズの大きな宮殿にオレたちを招く。

「どうぞみなさん。 こちらへ」

 通された宮殿の奥、王座に座る女性がいる。

「我が国の女王、ディルティナです」

 そう紹介されて礼をする。

「このような場所によく参られた。
 わたくしが女王ディルティナ。
 そこにおかけください」

 女王からいわれ椅子に腰かける。

「オレたちは、シンジ、ベル、メリエール、そしてメルアです」

 そういうと、女王はうなずきメルアの方に視線を移す。

「それで女王様。
 オレたちに何のご用でしょうか」  

「......ええ、実は世界樹というこの奥にそびえる大樹に異変が起こっているのです」  

「異変というのは?」

「我らの森は世界樹の加護でモンスターなどから守られているのですが、モンスターたちが増えているようなのです。
 このままモンスターたちが増え我らの森を脅かす前に、この異変の謎を探らねばなりません」

「なるほどそれをオレたちが探ればいいんですね」

 その時メルアが立ち上がった。

「そんなの自分たちでやればいいじゃない!!」

「いやメルアさん。
 これお仕事ですよ......」

 オレが止めようとするも止まらない。

「だいたい妖精も精霊も力があるくせに何にもしないで、こんな森の中で引き込もってるだけ!
 自分達ではなにもしようとせず、ただ嵐が過ぎそうるのを待つだけ!」

「まあ、わらわもメルアに同意見じゃがな」

「わたくしたちには力がある。
 ゆえに軽々しく振るうわけにはいかないのです」

「ふん!
 やってやるわよ!
 異変だかなんだか、一人でもできるんだから!
 みてなさい臆病者!」

 そういうとメルアは一人でていく。

「メルア!
 しゃーないいくか!」

「うむ」

「わらわここにいていい?」

「じゃあ、いってきます!」

 そういうとオレはメリエールを背負いメルアをおった。

「わらわここにいたいのにぃぃぃぃ!」


「ほんとあきれちゃう!」

 プリプリ怒るメルアについていく。

「まあまあ、そういうなって。
 妖精さんには妖精さんの考えがあるんだって。
 オレだってあれだよ、戦わなくてだらけて生きていけるならそうしてんだよ」
 
「そうだぞメルア。
 その者にはその者たちの生き方があるのだ。
 一方の生き方がよいわけではあるまい。
 自分以外の者の考え方も尊重せねばならん。

「なにいってんのよ!!
 あいつら十年前の大戦ですら引き込もってたのよ!
 自分達に降りかかることすら人任せなんて!」

「まあ妖精や精霊は自然に生きるのが普通だからの。
 滅びも受け入れるのだろうな」

「そんなのわたしはイヤ!
 わたしはわたしのために生きるの!」

「いやだから、妖精さんも同じだろ」

「違う! あれは考えることを放棄してんの! 
 考えたくないだけ!」

 そういうとメルアはズンズン進んでいく。
 
「まあ、あいつの性格上しゃーないか」

「まあな、しかしそれだけではなさそうだがな」

「お子ちゃまよな。
 わらわなら面倒なのはスルーじゃ、スルー」

 オレたちはメルアについていった。


「これが世界樹......
 上が見えねえ、なんてでかさだよ」

「うむ、我も一度しか来たことはなかったが、千年でまた大きくなった気がするな」

 オレたちは世界樹の根本にきていた。

「で、どうすんだモンスターが増えた原因なんてわかんのかよ」

「何か感じるの......
 中に入ればわかるわ。
 あそこから入りましょう」

 メルアが指差した所に穴があいていてオレたちは中にはいった。
 穴の中はかなり広い空洞になっていて迷宮《ダンジョン》のようになっていた。

「えっ! これ腐ってんじゃない。
 すごい空洞になってるけど」

「大丈夫よ。
 世界樹にとってはかすりきずみたいなものよ」

 オレたちが進むとモンスターたちが数多くいた。
 
「おいおい、結構強めのモンスターがいるぞ」

「ええ、モンスターがふえてるってのは間違いなさそうね」

「オレも魔力感知が使えん」

「うむ、この世界樹の魔力が大きすぎて感知が惑わされるな」

「しかし、なんか奥の方に変な感じかするのじゃ」

「メリエール? 変な感じか」

「精霊だから何か感じるのかも知れないわね」


 オレはいやな予感を感じていた。
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