32 / 38
第三十二話
しおりを挟む
「さ、さむぅ、こんな所に本当に人なんかすんでんの...... 生き物なんて生きていけないでしょ......」
吹雪のなかオレは凍えながら聞いた。 港町から雪原についてモンスターを捜索する。 ミリエル、わーちゃん、マゼルダ、クエリア、スラリーニョ、イータだ。
「ええ、過酷な環境ですが、モンスターも人も生活しているらしいです」
ミリエルが真っ白な息をはいて答える。
「ここの人々は昔から害意のない弱いモンスターと共存しているそうですが、今はどうだかわかりませんな......」
わーちゃんがそういった。
「そんなところなのにモンスターを排除っておかしくない?」
マゼルダがポケットから顔を出した。
「いままでの法王たちは、この環境ゆえそこまで排他的ではなかったらしいのですが、現法王が神の敵と命じたため、信奉騎士団がモンスター討伐にあたってると聞いたことがある」
クエリアはそういう。
「なあ、ミリエルもクエリア、二人ともそんな寒そうじゃないな」
「ええ、イータさんが熱を放出してくれてるので平気です」
「ああ、スラリーニョどのも熱を出してくれている」
「ええ!!? そうなの! そんな力あったっけ!」
「アゼルベード討伐の魔力により、イータどのは大きくなり、スラリーニョどのはグレータージェムスライムになりましたからな。 さまざまな特性を持ったのでしょう」
「くぅ、うらやましい、マゼルダも進化したんだろ。 なんかないのかよ」
「ブリリアントピクシーになったけど、特にそんな能力はないわ。 それより、風が入らないようにポケットを手で押さえといてよ。 あーおいし」
オレのポケットの中で、ブルルに作ってもらったスイーツを食べている。
「くぅ、こいつめ! うう、寒っ!」
それから、しばらく歩くと町が見えてきた。
「やっと町だ。 早く宿にいこう!」
オレたちは宿へと向かった。
「ふぅ、落ち着いた」
「ふむ、それほど厚い壁でもないのに暖かいですな」
わーちゃんがそういう。
(骨なのに感じられるのかな?)
「そうだよ。 この子のおかげだよ」
そう宿にいた幼い女の子が、モコモコの綿毛のようなものを抱き抱えて持ってきた。
「ん? それモンスター」
「うん、コットンモール。 この中に魔法で暖かい空気を貯めてくれて、それをお部屋に流してくれるのよ」
コットンモールは綿の中から少しだけ顔を見せている。 確かに暖かい風が吹いてくる。
「モンスターは禁止されてるのではなかったのですか?」
ミリエルが聞くと、宿の店主が困った顔をしている。
「ええ...... ですが、私たちは昔から、この過酷な環境を生き抜くため、益となるモンスターたちと共存してまして、この子だけは見逃してもらっているのです」
「それを現法王が禁止しているのか」
「ああ、そうだ。 本当に迷惑してるんだ...... 人に友好的で役に立つモンスターが禁止されて、こんな所で生きて行けるわけないのに、アヴァイン法王さまの時代ならばこんなことはなかったはず......」
宿に食材を運んでいた男が吐き捨てるようにそういった。
「アヴァイン法王? 他に法王っているの?」
「いえ、今のゼフトワイニ法王は二十四代ですが、アヴァイン法王は八代目です...... モンスターとの共存を願い、弱きモンスターの保護をしていたといわれる聖人でした」
「へえ、ましなやつもいんのね」
マゼルダがポケットの中からいう。
「えっ? いまの声?」
「いえ、はははっ、それでモンスターたちはどこに?」
「そうですね。 おそらく人がいない場所、氷結洞窟というずっと凍りついた洞窟へ隠れているのではないでしょうか」
「氷結洞窟か......」
わーちゃんは吹雪く窓の外を見ながらそう呟いた。
二日後、吹雪がやみオレたちは、氷結洞窟へ向かった。 そこは凍りついた洞窟だが、思ったほど寒くはなかった。 こけや草花なども生えている。
「こんなところにいるのか...... でも寒くはないな」
「ええ、魔法で寒さを抑えているようですね」
ミリエルがそういうとクエリアが少し白い息をはいてこたえた。
「ということはやはりここにモンスターがいるということか......」
「............」
わーちゃんが周囲を見回している。
「どうした?」
「いえ、この光景」
日の光が氷に反射して洞窟を照らしている。
「確かに神秘的な光景だな。 なんだわーちゃんそういう繊細なところもあるんだな」
「いえ、いえ、そういうわけでは......」
そう両手をふっている。
「まあ、照れずともよかろう」
「そうですね。 とても素敵な感性だと思います」
「ははっ」
そうミリエルとクエリアに言われて頭をかいている。
「そういえば、静かだな」
「マゼルダどのでしょうな」
「ああこいつか......」
ポケットの中をのぞくと、眠っているようだ」
「寝てやがる。 こいつなんのために来たんだ?」
「そういわないでください。 魔法で我々に精神耐性や、物理耐性、魔法耐性の魔法をはっているのですよ」
ミリエルがそういう。
「まじで!?」
(こいつそんなこと一切いわないのな)
その寝顔をみながら、取りあえずポケットを静かに閉めた。
奥深く進むと、大型の熊のようなモンスターが複数現れ、威嚇してくる。
「グルルルル!!」
「フロストベアですな......」
そして吹雪の息を吐き出した。 それをかわすと当たった壁が凍りついた。
「さっ、さむ!! 取りあえず静かにさせないと、倒すか!」
「マスター...... ここは私におまかせを」
「おいわーちゃん!! 危ないぞ! そいつかなりの強い!」
オレが止めるのを聞かず進んでいく。
フロストベアは威嚇しているが、わーちゃんはその鼻先まで近づいていく。 フロストベアーは匂いを嗅ぐような仕草をすると、その威嚇をやめた。
「どうやら、わかってくれたようだな......」
「すごいな! わーちゃん!」
「ええ、あのものたちを守ろうとしていたようでしたので...... 攻撃性はないと判断しました」
そうフロストベアの後ろを指差すと、そこには震える小さなモンスターたちがかなりの数、隠れていた。
「この子たちは守っていたのですね......」
ミリエルはうなづいた。
「このフロストベアーはとても長命で賢く穏やかな性格で、他のモンスターの守護をするのです」
「なるほど...... わーちゃんどのはそれを知っていたのだな」
クエリアは感心している。
「他にいないか聞けるかな......」
「聞いてみましょう」
わーちゃんが何とか意思疎通し、何ヵ所かのモンスターが隠れている場所をフロストベアーに連れていってもらう。
「よし、これで全部かな」
「人と共生できるモンスター以外はほとんどでしょう」
「そうか、ならマゼルダに隠蔽の魔法を使ってもらって早く船まで連れていこう」
「いえ、マスター私も隠蔽の魔法は会得しましたので使います」
「さすが、わーちゃん! たよりになる!」
「......いえ、それほどでも...... ですが、もう今日は暗い、遭難しかねないので帰るのは明日にしましょう」
モンスターを一時的に一ヶ所に集まっていてもらい、オレたちは宿に向かった。
次の日、マゼルダに朝早く起こされる。
「大変!! トラ早く起きて!」
「う、なんだよ...... まだ早すぎるだろ日ものぼってない......」
「わーちゃんがいないのよ!!」
「はぁ!?」
部屋を出ると、ミリエルとクエリアがいた。
「ああ、トラさま!」
そういうと手紙を差し出した。
「これが宿の方に預けられて、昨日夜遅くわーちゃんさまは出ていかれたそうです」
手紙を読んでみる。
『マスター、勝手をして申し訳こざいません。 今一度モンスターがいないか不安なので確認をして参ります。 すぐに戻るので先に帰っていてください』
「ふーん、まあいいんじゃない隠蔽の魔法も使えるんだから、さきに帰ってよーよ」
マゼルダがいう。
「いや、おかしい...... オレに直接話さずわーちゃんが勝手をするなんて...... いまわーちゃんがどこにいるかわかるものはいるか」
「確かに...... 少し様子がおかしかったように感じました」
「私も不自然な感じはするな」
「なによ二人までそんな真剣な顔して、知ってる魔力なら探知できるけど...... 今は」
「マゼルダ...... 頼む」
「もう! わかったわよ!」
ーー彼方の果てまで、たなびく尾をおい、わが手につかみとれーー
「マジックサーチ」
マゼルダが目をつぶる。
「......この町から、北の方向に真っ直ぐすすんでいるわ」
「北...... この町から北に洞窟やモンスターがいる場所なんてない」
オレがいうと、クエリアが腕をくむ。
「この先にあるのは、メイギス法王国の大神殿があるアギナムアだぞ......」
「それって...... トラさま」
「わからん。 だが明らかにおかしい、みんな先にモンスターたちと船に帰っておいてくれ、オレはわーちゃんを連れていく」
「はぁ? なにいってんの一人で行くつもり!?」
マゼンダが怒ったようにいう。
「ああ、他のモンスターを連れて船までいってくれ」
「私も行くわ!」
「ダメだ。 わーちゃんのかけた隠蔽の魔法が解けないとも限らん。 おまえはついていってくれ」
「なにいってんの私がいないと! それに魔力が......」
「オレへの耐性の魔法はいい...... みんなのために使ってくれ」
「なんでそれを!?」
マゼルダは驚いている。
「いつもかけてくれてたんだろ。 もう知ってる。 マゼンダは他のみんなを守ってやってくれ」
「で、でも」
「......わかりました。 では私たちは先にモンスターと帰っておきます」
ミリエルはそう静かにいう。
「本当にいいのかミリエルどの」
「ええ、クエリアさま。 トラさまがもう決められたこと、私たちはそれに従いましょう」
「ふう、仕方ない......」
「もう!! 知らないんだからね!」
「ありがとうみんな......」
オレはわーちゃんを追いメイギス法王国、大神殿へと向かうことになった。
吹雪のなかオレは凍えながら聞いた。 港町から雪原についてモンスターを捜索する。 ミリエル、わーちゃん、マゼルダ、クエリア、スラリーニョ、イータだ。
「ええ、過酷な環境ですが、モンスターも人も生活しているらしいです」
ミリエルが真っ白な息をはいて答える。
「ここの人々は昔から害意のない弱いモンスターと共存しているそうですが、今はどうだかわかりませんな......」
わーちゃんがそういった。
「そんなところなのにモンスターを排除っておかしくない?」
マゼルダがポケットから顔を出した。
「いままでの法王たちは、この環境ゆえそこまで排他的ではなかったらしいのですが、現法王が神の敵と命じたため、信奉騎士団がモンスター討伐にあたってると聞いたことがある」
クエリアはそういう。
「なあ、ミリエルもクエリア、二人ともそんな寒そうじゃないな」
「ええ、イータさんが熱を放出してくれてるので平気です」
「ああ、スラリーニョどのも熱を出してくれている」
「ええ!!? そうなの! そんな力あったっけ!」
「アゼルベード討伐の魔力により、イータどのは大きくなり、スラリーニョどのはグレータージェムスライムになりましたからな。 さまざまな特性を持ったのでしょう」
「くぅ、うらやましい、マゼルダも進化したんだろ。 なんかないのかよ」
「ブリリアントピクシーになったけど、特にそんな能力はないわ。 それより、風が入らないようにポケットを手で押さえといてよ。 あーおいし」
オレのポケットの中で、ブルルに作ってもらったスイーツを食べている。
「くぅ、こいつめ! うう、寒っ!」
それから、しばらく歩くと町が見えてきた。
「やっと町だ。 早く宿にいこう!」
オレたちは宿へと向かった。
「ふぅ、落ち着いた」
「ふむ、それほど厚い壁でもないのに暖かいですな」
わーちゃんがそういう。
(骨なのに感じられるのかな?)
「そうだよ。 この子のおかげだよ」
そう宿にいた幼い女の子が、モコモコの綿毛のようなものを抱き抱えて持ってきた。
「ん? それモンスター」
「うん、コットンモール。 この中に魔法で暖かい空気を貯めてくれて、それをお部屋に流してくれるのよ」
コットンモールは綿の中から少しだけ顔を見せている。 確かに暖かい風が吹いてくる。
「モンスターは禁止されてるのではなかったのですか?」
ミリエルが聞くと、宿の店主が困った顔をしている。
「ええ...... ですが、私たちは昔から、この過酷な環境を生き抜くため、益となるモンスターたちと共存してまして、この子だけは見逃してもらっているのです」
「それを現法王が禁止しているのか」
「ああ、そうだ。 本当に迷惑してるんだ...... 人に友好的で役に立つモンスターが禁止されて、こんな所で生きて行けるわけないのに、アヴァイン法王さまの時代ならばこんなことはなかったはず......」
宿に食材を運んでいた男が吐き捨てるようにそういった。
「アヴァイン法王? 他に法王っているの?」
「いえ、今のゼフトワイニ法王は二十四代ですが、アヴァイン法王は八代目です...... モンスターとの共存を願い、弱きモンスターの保護をしていたといわれる聖人でした」
「へえ、ましなやつもいんのね」
マゼルダがポケットの中からいう。
「えっ? いまの声?」
「いえ、はははっ、それでモンスターたちはどこに?」
「そうですね。 おそらく人がいない場所、氷結洞窟というずっと凍りついた洞窟へ隠れているのではないでしょうか」
「氷結洞窟か......」
わーちゃんは吹雪く窓の外を見ながらそう呟いた。
二日後、吹雪がやみオレたちは、氷結洞窟へ向かった。 そこは凍りついた洞窟だが、思ったほど寒くはなかった。 こけや草花なども生えている。
「こんなところにいるのか...... でも寒くはないな」
「ええ、魔法で寒さを抑えているようですね」
ミリエルがそういうとクエリアが少し白い息をはいてこたえた。
「ということはやはりここにモンスターがいるということか......」
「............」
わーちゃんが周囲を見回している。
「どうした?」
「いえ、この光景」
日の光が氷に反射して洞窟を照らしている。
「確かに神秘的な光景だな。 なんだわーちゃんそういう繊細なところもあるんだな」
「いえ、いえ、そういうわけでは......」
そう両手をふっている。
「まあ、照れずともよかろう」
「そうですね。 とても素敵な感性だと思います」
「ははっ」
そうミリエルとクエリアに言われて頭をかいている。
「そういえば、静かだな」
「マゼルダどのでしょうな」
「ああこいつか......」
ポケットの中をのぞくと、眠っているようだ」
「寝てやがる。 こいつなんのために来たんだ?」
「そういわないでください。 魔法で我々に精神耐性や、物理耐性、魔法耐性の魔法をはっているのですよ」
ミリエルがそういう。
「まじで!?」
(こいつそんなこと一切いわないのな)
その寝顔をみながら、取りあえずポケットを静かに閉めた。
奥深く進むと、大型の熊のようなモンスターが複数現れ、威嚇してくる。
「グルルルル!!」
「フロストベアですな......」
そして吹雪の息を吐き出した。 それをかわすと当たった壁が凍りついた。
「さっ、さむ!! 取りあえず静かにさせないと、倒すか!」
「マスター...... ここは私におまかせを」
「おいわーちゃん!! 危ないぞ! そいつかなりの強い!」
オレが止めるのを聞かず進んでいく。
フロストベアは威嚇しているが、わーちゃんはその鼻先まで近づいていく。 フロストベアーは匂いを嗅ぐような仕草をすると、その威嚇をやめた。
「どうやら、わかってくれたようだな......」
「すごいな! わーちゃん!」
「ええ、あのものたちを守ろうとしていたようでしたので...... 攻撃性はないと判断しました」
そうフロストベアの後ろを指差すと、そこには震える小さなモンスターたちがかなりの数、隠れていた。
「この子たちは守っていたのですね......」
ミリエルはうなづいた。
「このフロストベアーはとても長命で賢く穏やかな性格で、他のモンスターの守護をするのです」
「なるほど...... わーちゃんどのはそれを知っていたのだな」
クエリアは感心している。
「他にいないか聞けるかな......」
「聞いてみましょう」
わーちゃんが何とか意思疎通し、何ヵ所かのモンスターが隠れている場所をフロストベアーに連れていってもらう。
「よし、これで全部かな」
「人と共生できるモンスター以外はほとんどでしょう」
「そうか、ならマゼルダに隠蔽の魔法を使ってもらって早く船まで連れていこう」
「いえ、マスター私も隠蔽の魔法は会得しましたので使います」
「さすが、わーちゃん! たよりになる!」
「......いえ、それほどでも...... ですが、もう今日は暗い、遭難しかねないので帰るのは明日にしましょう」
モンスターを一時的に一ヶ所に集まっていてもらい、オレたちは宿に向かった。
次の日、マゼルダに朝早く起こされる。
「大変!! トラ早く起きて!」
「う、なんだよ...... まだ早すぎるだろ日ものぼってない......」
「わーちゃんがいないのよ!!」
「はぁ!?」
部屋を出ると、ミリエルとクエリアがいた。
「ああ、トラさま!」
そういうと手紙を差し出した。
「これが宿の方に預けられて、昨日夜遅くわーちゃんさまは出ていかれたそうです」
手紙を読んでみる。
『マスター、勝手をして申し訳こざいません。 今一度モンスターがいないか不安なので確認をして参ります。 すぐに戻るので先に帰っていてください』
「ふーん、まあいいんじゃない隠蔽の魔法も使えるんだから、さきに帰ってよーよ」
マゼルダがいう。
「いや、おかしい...... オレに直接話さずわーちゃんが勝手をするなんて...... いまわーちゃんがどこにいるかわかるものはいるか」
「確かに...... 少し様子がおかしかったように感じました」
「私も不自然な感じはするな」
「なによ二人までそんな真剣な顔して、知ってる魔力なら探知できるけど...... 今は」
「マゼルダ...... 頼む」
「もう! わかったわよ!」
ーー彼方の果てまで、たなびく尾をおい、わが手につかみとれーー
「マジックサーチ」
マゼルダが目をつぶる。
「......この町から、北の方向に真っ直ぐすすんでいるわ」
「北...... この町から北に洞窟やモンスターがいる場所なんてない」
オレがいうと、クエリアが腕をくむ。
「この先にあるのは、メイギス法王国の大神殿があるアギナムアだぞ......」
「それって...... トラさま」
「わからん。 だが明らかにおかしい、みんな先にモンスターたちと船に帰っておいてくれ、オレはわーちゃんを連れていく」
「はぁ? なにいってんの一人で行くつもり!?」
マゼンダが怒ったようにいう。
「ああ、他のモンスターを連れて船までいってくれ」
「私も行くわ!」
「ダメだ。 わーちゃんのかけた隠蔽の魔法が解けないとも限らん。 おまえはついていってくれ」
「なにいってんの私がいないと! それに魔力が......」
「オレへの耐性の魔法はいい...... みんなのために使ってくれ」
「なんでそれを!?」
マゼルダは驚いている。
「いつもかけてくれてたんだろ。 もう知ってる。 マゼンダは他のみんなを守ってやってくれ」
「で、でも」
「......わかりました。 では私たちは先にモンスターと帰っておきます」
ミリエルはそう静かにいう。
「本当にいいのかミリエルどの」
「ええ、クエリアさま。 トラさまがもう決められたこと、私たちはそれに従いましょう」
「ふう、仕方ない......」
「もう!! 知らないんだからね!」
「ありがとうみんな......」
オレはわーちゃんを追いメイギス法王国、大神殿へと向かうことになった。
0
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』
公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル!
書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。
旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください!
===あらすじ===
異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。
しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。
だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに!
神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、
双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。
トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる!
※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい
※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております
※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる