静寂

静寂

今までずっと聞こえていた
聞きたくなかった雑音
聞けば聞くほど
涙は止まらず
哀しみの渦に巻き込まれ
心が壊れていった

雑音が聞こえないように
必死で努力して
必死に耐えて
耳を塞いだ
それでも雑音は消えずに
ずっと私を責め続けていた

「愛してる」

そんな言葉は私にとっては
ただの雑音にしか過ぎない
「愛」なんて
ただ心を壊すだけの言葉
聞きたくないから離れた
信じられないから離れた
それでもずっと心に響いてくる
愛の言葉

哀しみの渦に巻き込まれ
暗く冷たい闇に堕ちて
やっと聞こえなくなった
やっと訪れた
「静寂」

もう愛の言葉は私には届かない
もう愛の言葉は私には聞こえない

「これでいい」

そう自分に言い聞かせた
愛の言葉が聞こえないなら
苦しむ事も哀しむ事も涙を流す事も無い
愛なんて…
心の無い愛なんてただの雑音にしか過ぎない

やっと訪れた
「静寂」
もう一人で泣く必要もない
静寂の中にいれば
心を乱される事もない
今は…
自分の鼓動だけが心地いい