ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

parip Nocturne

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第3章 守るべきか、攻めるべきか

ナギルス・オル・コルム-2-

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 「それじゃあ、おじさんのこと聞かせてよ昔話を」
 アーウェンが言うと男はしかめ面になり一点を見つめ、何かを振り解くように首を振る。男は手をあげ指を四本立てる。ショットグラスが二つ来る。ダブルのショットグラスだ。いっきにグイッと飲み干し。グラスを持ったまま話し出す。
 「あれは…昔々あるところに王に使える家臣がいました。その家臣は熱心に王の意見を聞き、時には提言をして支えていました…そんな家臣を憧れ、目標にしていた息子は熱心に勉強を学び、親に勉学を乞うこともありました。しかし親は忙しく息子に構う時間などありません。先生が帰っても勉強を続けるとある日、国の意向がわかるようになってきたのです。その事を親に伝えます」
 『オル公話があります』
 『…何だ…改まっていつも通りお父さんと言えば良いではないか』
 『———いいえ、話せる時間は少なく国のことなおさらな少ない、ならこの事を確認したいのです』
 『そうか、それで申してみよ』
 『———はい…我が国は今、隣国と戦争をするのではと』
 『なぜ、そう思った』
 『———それは——』
 『それは———』
 「息子は親になだめられます。そうならないように大人が居るんだよと、親はそれから家の出入りが多くなり帰って来なく事も多くなった」
 『お父様』
 『なんだ』
 『いつ帰って来るのですか』
 『この戦いを終わらせて来る』
 『親は何日も数えても帰ってこない。息子は数えるのをやめ、自分の事が手についてきた頃親の行方がわかりました』
 『この度は———』
 (嫌だ、嫌だ、嫌だ……僕に出来る事は何がある)
 「息子は必死に努力をしましたがその努力は実らなかったのでした。そこからは酒に溺れ、過去を忘れ、知らず知らずに歩みを重ねて……自分がわからなく…なった」
 男は寝てしまった。首を傾げ持っていたショットグラスも落としたが背筋は伸びたままだ。
 (ああ、何をしているのだろう。少女を救っても何もならないのに。無駄な事を…)
 『おじさんありがとう。家…宿やっているんだもし住むとこ決まってないなら来てよ』
 『…』
 (こんな、姿でも少女は必死に応えてくれるのか)
 『ここが私の家だよ』
 『どうしたんだい…あんたがやったのかい』
 (…)
 『違うよ…———』
 
 「朝だよ起きな」
 宿の店主に起こされる。懐かしい夢を見ていたようだ。昨日喋りすぎた、そのせいだろう。
 「ナギルス、あんたをおぶって来てくれた子に感謝しな、酔い潰れてたんだから」
 何かとあの小僧とは縁がありそうだ。
 
 
 
 
 

 
 
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