ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

第1章 相棒と別れと

緊張と安堵

　混乱の中、大聖堂に入る。ライトニングを信じて。でも、顔は強張って、睨みつけるように見ていた。とりあえず、関係者に話しかけて、危なかったらどうにかしょう。
　聖職者のような人に声をかける。
　「すいません…」
　アーウェンは呟くように言う。彼女は嘘のような笑顔で迎えてくれる。
　「どうしました、悩みなら聞きますよ」
　彼女は屈託なく聞いてくれる。
　「あの…パートナーのことなのですが…」
　そう言い、ジャケットの中から黒い箱を見せる。
　彼女は、驚き、察したのか、こちらへと部屋に連れられていく。
　「こちらでお待ちください。今、司祭を読んできます」
　彼女は部屋から出て行った。司祭を待つことにした。待っている間に、逃げ場所を探すことにした。
　　窓は普通開き、風も気持ちいい。ダクトもないし、逃げるとしたらここしかないか。床のきしむ音が聞こえる。音の方見ても見えない目線を下げてみるとお人形のような子がいる。肩が膨らみ裾のところにフリル、胸のところに盾型にフリル、スカートはウェーブ状のワンピースだ。仁王立ちをしている。微動だにしない。
　（どうしよう、なんで話しかければいいのだろう）
　こちらから、話した方がいいのか。
　「こん…にちは僕はアーウェン、君は」
　人形に膝をつき話しかける、はたから見れば、異様な光景である。
　「私はヌシ様のために来ました。名はまだない」
　そうドールが言うと、アーウェンは何かあって出てきてくれたんだろうと思い今気になっている事…安全性と逃げ道か。
　「ここが安全なのか、一緒に探さない」
　アーウェンは言うと、ドールは恥ずかしそうに口角を上げる。
　「ヌシ様の考えならわかります。早速取り掛かります」
　どこから出てきたかわからないが、ゴーグル特殊な機械を両手で持ち、管が背中に背負っている長四角の物に繋がっている。
　（これ幽霊退治の業者みたいな格好だな、つなぎだったらパーフェクトだ）
　床をきしませながら、部屋を練り歩く、中で特殊な機械から煙を出している。
　アーウェンが窓を見ると、二重に魔法陣が煙に反応して見え隠れしている。
　「あっ窓にありますね。後絵画の裏、入り口色々なとこにありますね」
　ドールは、窓に向かって行って魔法陣の外枠に丸を増す。
　「これで大丈夫ですね」
　いたる所にある、魔法陣に丸を被せる。
　「それでヌシ様、ご機嫌よう」
　そう言って、ドールはブラックボックスに帰っていく。
　しばらくすると、司祭がやってくる。アーウェンを担当したものとはまた別の人だ。アーウェン座っていたがすぐに立ち上がる。
　「ああ、君が箱の持ち主だね」
　司祭は微笑み聞いてくる。アーウェンは頷く。
　「これなんですが」
　といい、アーウェンは懐から出す。
　「ええ、え～え。それをどうするんですか」
　司祭は表情を崩さない。
　（まどろこしいな）
　アーウェンは思う。
　「ええ、こちらを返上しまして新しいパートナーを向かい入れたいです」
　司祭は何度も頷く。
　「ええ、あなたに神の加護があらんことを。あなたは正しい行いをしましたね」
　司祭と写身の儀をした会場に向かう。
　「それでは、黒い箱ブラックボックスが出たものは、神の写身を呼ぶ」
　神の写身は大体、猫やシカ、狸など戦闘に使えないものが多い。