ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

第二章 冒険の始まり

騎士の処置-3-

　門に皆と念話をしながら向かう。
　『なんで、わざわざ、門の外に出たの』
　「どうですか、部屋は気に入ってもらえましたかな」
　店主に話しかけられる。部屋を気に入った事を伝え、お金を払う。
　『テントを作っていたら、女の子に見つかって、みんなのことを言いふらされたら大変だから、既成事実を作るために、正式に門をくぐればいいと思って…』
　「見ていってください。いいの売ってるよ」
　『嘘から出た実だな』
　バザーを抜け、門が見えてくる。
　『それで、遅れてきた理由は考えたの』
　『ううん、まだ考えてない』
　「ここに用がないならどいてくれないか」
　アーウェンに門番が聞いてくる。
　『それじゃあ、村の人が来るか見張ってたって主張しよう。大声で言ってくれたら
、こっちでも抗議するから』
　アーウェンが道に立っていたので際による。そして、少し離れる。
　「入れてくださいお願いします」
　「なんだ、こんな時間に———」
　門番とバニラの言い合いが始まる。
　「私たち例の村の事で、誰か来ないか、残っていたんです」
　バニラが言うと、門場が慌てた様子になり小声になる。
　（その件は内密に頼む）
　門番が、小声になったのを見過ごさず、バニラ達は言う。
　（見ていましたけど、村人はこちらに来ていないみたい。早く入れてくださいな）
　バニラが言った後にアーウェンが内の門番に話す。
　「ああ、うちのパーティだ。何かあったの」
　アーウェンも、大きい声で聞く。
　「それが…」
　アメリアが大きい声を出して言おうとすると門番に静止される。
　（大声をやめろ）
　門番が言った後、クロムが言う。
　（それだったら、中に入れてくれない。報告できるし）
　クロムが呟いているのを聞き、アーウェンは内側の門番に話しかける。
　（うちのパーティが敵襲に備えて待っていたんだ。今からでも開けてくれないか）
　門番達がざわめき出す。門番がもう一人の門番により、話出す。
　（これじゃあ、時間の無駄になってしまう）
　アーウェンはそう思うと、話し合っている門番に話しかける。
　（まだ幼顔の事をどこまで信じていいやら…）
　アーウェンが近づいた事に気づき、門番こちらを向く。
　アーウェンは村の依頼書を見せる。
　「それは…じゃあ、本当に君たちがあの村に行ったのか」
　門番達は驚き門扉を叩き、開ける。外側と内側で話し合い。十数分。バニラ達は入れられた。
　「それで、村では何があった」
　兵士は固唾を飲んで待った。
　「話してもいいんですが、後でややこしくならないですか…」
　アーウェンは心配そうに言う。門番達は黙り込む。
　「…それでも内容を知らないといけない」
　門番達は真剣な声で聞く。
　「そうですね……村では怪しい液体があるということと、それを飲み込んでしまうと、何も考えられず、相手の言うことを聞いてしまうって事でかね」
　アーウェンが言うと、門番達は途中から顔をそらせ、耳も傾けなくなった。門番達は禁句に触れている自覚が芽生えた。
　「もういいでしょ、仲間を入れてください。何人、襲ってくるかわからないですから」
　アーウェンが言うと門番は門扉から、バニラ達を国内に入れる。
　門番達はその後緊張感をあらわにして、職務を全うする。