ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

parip Nocturne

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第3章 守るべきか、攻めるべきか

いい出会いに乾杯-5-

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 『ちょっと急に止まらないでよ。対応できないよ』
 パドーが慌てて言う。霧を戻そうとすると、アーウェンは歩き霧の中から出てくる。
 『ごめん…考え事をしてて。ここで探知が素早く出来るのが、パドーだけど…霧が無くなるのが痛い。クロムは戦っている…

 アーウェンが喋っていると背後が暖かくなる。振り向いたら、柔らかい衝撃。バニラだ。
 (私を使ってください。バレたとしても、一瞬で倒しますし、逃げれます)
 バニラに抱きながら、耳元で囁かれる。アーウェンはその場で何度か頷く。
 バニラが少し力が緩んだのでアーウェンは一歩下がる。
 『わかった、まず人がいないか見てきて、いなそうなら帰ってきてくれる』
 バニラの目を見ながら言う。バニラは頷き。光の球になって、洞窟に入って行く。
 『洞窟を前にきたら、霧を晴らして、状況を見たいから』
 アーウェンは言うと、パドーはあまりおすすめはしないと言う。
 『それでも、見ときたい』
 アーウェンは真剣な顔で霧を見つめる。
 パドーが霧の中から現れ、徐々に霧が薄くなっていく。
 「皆、霧を消すよ。集まって」
 パドーが言うと、霧が晴れ、洞窟の入り口が目の前にある。すぐに目の前が暗くなる。
 「まぁまぁ、振り返ったら地獄絵図だからね。気を引き締めてみた方がいいよ」
 パドーが言う。
 パドーに誘導さらる用に回ると321と掛け声があり、視界が広がる。視界は光が強くぼやけている。徐々に鮮明になっていく。
 ゴブリンが嘔吐している。止まることなく、もう一人は指を突っ込んで無理やり出そうとしているが、体液すらでない。ピクピクと動いていた、ゴブリンがピタっと動きを止めると、直ぐにカバっと起き上がる。そしたら直ぐに他のゴブリンに襲いかかる。
 「これなら、洞窟の入り口守らなくっていいかな…。光景より、臭いがきついな」
 アーウェンは眉を顰めて、鼻を摘む。皆は驚く。皆それぞれで自然の弱肉強食を見ているから耐性はある。
 「終わりました。人質は、いませんでした、ただ、気になることがあります…ゴブリンがこれだけたくさんいること、そして、普通のゴブリンより強く、精鋭のゴブリンもいます。これは産む場所が他にあるかもしれません」
 バニラが言う。
 「そうか…ゴブリンの赤ちゃんとかいたの」
 アーウェンは聞く。
 「いませんでした。成熟したゴブリンばかりでした」
 バニラは顎に手を当て言う。
 「うーん、それじゃあ、産む場所、育てる場所、ここが一つにまとめられているならいいんだけど、になるのかな。それで捕まえてちょっと置いとく場所。或いは、解体場としてここがあって三箇所。後はここの地下に住む場所があるのかな」
 アーウェンは考えた事を次々言い、悩み出す。
 
  
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