ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

parip Nocturne

文字の大きさ
81 / 115
第3章 守るべきか、攻めるべきか

いい出会いに乾杯-8-

しおりを挟む
 さらに上に進むためには、壁のように立つ岩を乗り越えなくてはいけない。まず、クロムとバニラが球体になって登る。アメリアは壁の上にある木に向かい、腕を向け、発射する。腕と体の間に1.5センチのワイヤーが伸び、手で枝を掴むと、キリキリとまかれる音が聞こえる。アメリアは壁の目の前まで行くと、足を壁につけ安定すると二歩、三歩と上がって行く。パドーは霧になり壁の上に降り立つ。
 アーリーは地面を摩り壁を叩く。
 「ここに木を植えることはできるんだけど、何が起きるかわからないんだよね…水が溢れるとか、温泉が出るとか最悪マグマだけど…」
 アーリーはアーウェンの目を見て言う。少しうるっとした目でみる。
 「それじゃあ…ちょっといい」
 アーウェンはアーリーを持ち上げる。アーウェンは「このまま飛ばすからね」と言い、クロムとバニラに「アーリーを掴んでね」と託す。膝を曲げる。
 「待って待って待っ…きゅ~」
 アーウェンはアーリーの言葉に耳を貸さず、勢い良く、真上に飛ばす。アーリーはクロムとバニラを優に超え、アーリーがクロムとバニラの頭を過ぎたくらいに、掴んだ。
 アーウェンは壁の凹凸を蹴りながら上がって行く。ものの数秒で登りきる。
 岩の上は真っ白な床でゴツゴツとした表面になっている。
 また、歩き出し、上部にはゴブリンの施設は無かった。今度は下部に向かう。下部にも何も無かった。
 第二第三のアジトがあるとしたら1キロ、2キロと遠くにあるはずだ。
 第一アジトに戻ることにした。
 強化布が少し剥がれて、煙が漏れている、布を見るとゴブリンの後が、くっきりと赤く付いている。それでも出せと布にへばりついて、押してくる。
 「もうひつこいな」
 「よいっしょ」
 フー、ルーはゴブリンを殴り飛ばす。布は張っているはずだが深く凹む。布が戻って来る頃にはまた、ゴブリンが現れる。この繰り返しになっている。まるでワ○ワ○パニ○クみたいに。
 煙も焚いている。完璧にこなしている。
 アメリアは布の剥がれた場所を留める。
 「ただいま、どう、ゴブリンまだまだ来る」
 アーウェンが言うと、フー、ルーが元気良く寄って来る。
 「うん、いっぱい来るよ」
 「同じのばかりだけどね」
 フー、ルー疲れ知らずだ。元気良くキャキャしている。
 「それじゃあ、大きいのは来なかった」
 アーウェンが言うと、轟音が聞こえて来る。燃やしていた穴から水が流れ始める。真っ赤なものが一瞬にして薄まって行く。
 穴から水が流れ始めてすぐに複数体の顔、体が布に押し当てられて、形が浮かび上がる。布が耐えられそうにない。
 「皆、洞窟の両サイドに別れるんだ」
 洞窟の入り口から、5メートル離れた瞬間、骸と水が飛び出して来る。
 
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

処理中です...