ブラックボックス 〜禁じられし暗黒の一角〜

parip Nocturne

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第3章 守るべきか、攻めるべきか

いい出会いに乾杯-33-

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 クロムの足の、痺れは治った。アーウェンの頭も大分、冴えてきた。
 (今回は…川の流れを変えるのと…井戸の水を抜こう)
 まずリザードマン達が起きるまで井戸の中の水を出す。アメリアに大人の手のひらを開いたぐらいの、穴のホースを作ってもらう。一つは井戸、もう一つの端を集落を避けて違う崖に置く。
 「パドー、ちょっと手伝って」
 アーウェンが言うとパドーは乗る気じゃないが、来てくれる。
 チューブを崖に置いた後は、ひたすら水魔法でチューブの中に水を埋める。
 『井戸に、気泡や水嵩が増したら、教えて』
 アーウェンが念話で言うと、返事が返ってくる。
 「さて…それじゃあ、パドー、このチューブに水を入れて」
 アーウェンはチューブの端を持ち上げて、何回か曲げる。そこにパドーは応じて、目一杯の水魔法を入れる。
 『泡が出てきたー…………や水も増えたよ』 
 フー、ルーの元気な声が聞こえる。
 『うんありがとう』
 アーウェンは優しい声で言う。
 「それじゃあ…パドー、流すから、ちょっと…どいてて」
 パドーはアーウェンの後ろに立つ。縦に蛇腹折りを、伸ばして、手を離す。
 チューブが地面についた瞬間勢い良く、出る。
 アーウェン達は井戸に向かい、見ると、分かりにくいが徐々に、水が抜けている。
 「よし、成功だ」
 アーウェンが言うと、パドーも喜ぶ。
 リザードマン達も集まる
 「これはどうなっているんだ、水がどんどん減っていっている」
 皆不思議そうにしている。
  「あれは…水を詰めて、チューブの中の空気を抜く、そうすると、水は低い方、低い方に流れる……井戸をの中見て、チューブが底についている。反対側のチューブは…井戸の底より下に、チューブの出口がある」
 アーウェンはサイホンの原理を説明した。説明してもわからないかもしれないが、そうなんだぐらいにとどまればいい。
 「これは、川が流れるようなものですか」
 一人のリザードマンが質問してくる。
 「違うかな、坂道になっていて、勢いが増して流れている」
 アーウェンが答えるとリザードマンはすぐに質問をする。
 「それでは、滝はどうなのでしょう。真下に落ちる、これは下に流れることは同じ。原理だって———」
 リザードマンはそれなりの理由を並べるが根本が違う。アーウェンは頷き、聞き流す。
 「…原理と言うが、全く違うんだ。滝も、川も重力によるもの、井戸から出すやり方は、チューブに大気がかかって、圧がかかて流れていくもの。全然、違う力なんだ」
 アーウェンの説明に、リザードマンは、澄ました顔して、余裕を見せる。アーウェンも説得出来なかった事を実感した。
 
 
 


 
 
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