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2章 約束と忘れた思い出
35.双子と魔王
しおりを挟むピチピチと小鳥が鳴いて、ここ最近の日課になり始めている義息子からの手紙を開く
「あら…?王弟殿下が倒れた…なんて…」
読み進めていくとどうやら、予想どおり、鉛が関係しており…エーデルとリオンの祖国、ブジーア国が関わっていると言う…
「…はぁ、とりあえずどこかに治療法が無いか調べなければ…」
ガタリと立ち上がり、図書室に行こうと真夜は扉を開けた
「…ん?シロエ、クロエ?どうしたの?」
「…あ、マヤ…」
「あのね、ネコが…マヤの事、探してたから…」
「あら、そうなの?教えてくれてありがとう」
よしよしと頭を撫でるとふにゃりと双子は笑った
しかしネコが私を探す…何かあったのだろうかと悩んでいると、「こっち」と、シロエとクロエに手を引かれた
「そうだ、用事が終わったらおやつにしましょう」
「おやつ!」「今日はどんなの?」
「そうねぇ、サンドウィッチ作った時の残りのパンの耳があったはずだからラスクを作りましょう」
「サクサクのあまあま?」「あまぁいざくざく?」
「そうよ、あまくてサクサクざくざくの美味しいやつ」
「「わぁい!」」と双子の喜ぶ声を聞きながら、ネコが待っている部屋へと向かう
「ここ!」「ネコさん、マヤつれてきた!」
「にやぁん」
「…クロ?」
鏡の前でちょこんとお行儀よく座った黒ネコは立ち上がってもう一度「にゃん」と短く鳴き、クルクル回った
「何か、あったの?」
「みゃぁーにゃーん?」
「…ん?三毛猫の子が辿り着いたの?」
「みぁん」
「うん」と頷くように鳴いた黒ネコの頭を撫で、鏡をトンっと指先で弾いた
「わぁ、ちがう世界!」「鏡のむこうは別世界!」
「そうね、もっとちゃんとすれば、鏡の向こうに行ける魔法もあるのよ」
「みたい!」「やりたい!」
「えぇ、でもそれはまた今度ね
ネコ、無事?」
鏡の中の世界は暗く、落ち着いた配色の部屋のようだった
その部屋にいるのだろうか、「なぉん」と元気そうな鳴き声が聞こえてくる
「目的の場所に辿り着けた?」
『なぉー』
「そう、お話出来そう?」
『みぅ…』
「そこには今居ないの?」
『みゃう』
「あら…いつなら…」
短く質疑応答しているとガチャり、と向こうの世界のドアが開く
『…誰か居るのか』
「あら、いいタイミング」
『なぁご』
『猫…?』
低い男性の声が聞こえ、足音がネコに近づく
ネコの視界に入った人物…魔王であろう男はどことなくシロエとクロエに似ている雰囲気を持っている
「にてる?」「にてるね」
両脇でコソコソと話している双子にクスリと笑いながら真夜は鏡の向こうへと声をかける
「初めまして、どこかの世界の魔王さま。
あなたに、お話があって其方に使い魔を伺わせましたの。」
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